映画を観て「あぁ、面白かった!」というのは
直接自身の気分に影響して、心が軽やかに楽しくなるもの。
けれど不思議なことに、全く思考には作用しない。
なのでともすると、用法は正しくはないが
"喉元すぎれば…"で、以降
同様のもので、似た快感を得られなくなる。
それが「面白い=fun」の、怖いところだと思う。
だからできるだけ私は、「それだけでは無いもの」を
摂取しようとする。
観て疑問を感じたり、腑に落ちなかったり
今ある自分と「対立」するようなものと出会えるのが
本当は望ましい。
何故ならそこから悟性が作用し、「考える」という
バックグラウンド作業が開始するからだ。
駅の改札を抜けるときも、帰宅後一人ぼんやりしている間も、
自分の中の"何か"が、その理由を探し続けている。
そうして何日も、へたをすると半年、一年経つ時さえあるが、
突然、"空の上"から、答えが降って来る。
これが、楽しい。
だから自分の普段使いの”面白い”は、
日本語だと区別しづらいが
圧倒的に「興味深い=interesting」の方なのだと思う。
今日観た青春映画は、とても興味深かった。
テーマはとても鮮明なのに、
何かが、引っかかってしまった。
自分の高校時代を思い返して、
どうやら一般の共感を得るには
自身の感覚が違いすぎたようだと、改めて自分の
"偏り"を、確認したせいかもしれない。
なんにせよ、この思考が、
新しい作品を書く理由を呼び込んでくれる。
書いている途中の話に、思いもしなかった「色」も与えてくれる。
とにかく、良いことづくめなのである。