ありがとうございました。
今日が「『音楽』を題材にした作品募集」の最終日なので、今日で完結まで行きました。
書いたのは2015年です。当時の小学校一年生が中学校一年生になる時間が流れました。
私は、この『愛のあいさつ』を書いたときは、いま以上に音楽についての知識がなくて、フルートの構えかたも知らなかったのです。もう、主管を身体の右に構えるか左に構えるかもわかってなくて。写真を見て、自分で構えるふりをして鏡に映してみると、「あれ? 違う!」とか、まぬけなことをいろいろやりました(鏡は鏡像対象になるのであたりまえです)。
千花名のフルートは真鍮(ブラス)製ということになっていますが、真鍮製フルートってあんまり見たことがありません。というより、そもそも楽器を実見した機会が少ない。
総銀製は見せてもらったことがあって、千花名は入門者だから総銀製はもってないよなぁ、じゃあ何だろう、金管と同じ真鍮かな、と思ってこういう設定にしました。ほんとうはどんなのだろう、と確かめようと思っていて、いまだに確かめていない状態です。
また、今回掲載分で、多祢子先生が「リタルダンド」(「しだいにゆっくりと」)を「リタルダント」と言っています。
正確には「リタルダンド」なんですけど、私はずっと「リタルダント」だと思っていて、初版のときもそう書きました。小学校のときにまちがえて覚えると、なんか、ずっとそのままになってしまいますね。その言いかたに愛着もあって、今回は、地の文は「リタルダンド」に直しましたが、先生のほうはまちがった言いかたのままにしてあります。
あるところで、「普通の家のような、何の飾り気もない(キリスト教の)教会」というのを見かけたことがあって、「ああ、こんな教会があるんだ」ということが印象に残ったことがあります。なかに入ってはいませんが、そのときの印象でこの物語の舞台になっている教会を描いています。
ところで、千花名たちが通っている正令女子学園という学校は、『シエスタ』の裕美が、親から受験するように言われている、と言っている学校です。
また、千花名‐菜穂組にとって明珠女学館第一高校室内楽部が強敵ということになっています。「新テーマ発掘」の期間は終わってしまいますが、次はこの明珠女一高の物語を掲載したいと思います。ただし、そこに出てくる子たちが千花名と菜穂の直接のライバルかというと、どうかよくわかりませんが。
なお、この物語はフィクションであり、登場する事件・人物などは実在しません。もちろんエルガーの「愛のあいさつ」という曲は実在しますけどね。