https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093085899568854そんなわけで第四十三話、これで第六章「北岸の防人」はお終いです。
途中は散々話を引き延ばしていたのに、何かすごくあっさりと終わりましたねw
本文では省略しましたが、ケヴィンの遺体を乗せた馬車は、蒼城市の手前までしか使われていません。
新市街に入る前に、軍が差し向けた儀礼用の馬車に乗せ換えられたのです。
そして、エイナたちが大城壁の中に入ると、熱狂的な歓迎を受けました。
城壁外の新市街では、これとは対照的に割と冷静でした。
軍と情報部は、「壮絶な戦闘の末、第四軍は侵入した敵工作員を撃退した。その際、勇敢な兵士が一命犠牲となった」と喧伝しました。
この大活躍した部隊が何者か、そして犠牲者が誰か、ということまでは知らせていません。
蒼城市に住むケヴィンの両親は、まさかこれが息子の所属する部隊だなどとは、夢にも思っていなかったので、ケヴィンの安否は知りません。
熱狂的に迎えた市民も、単純にお祭り騒ぎを楽しんだだけで、実際の戦闘の詳細は一切聞いていません。
ケヴィンの葬儀は市民に知らされておらず、郊外の荒れ地を切り開いた墓地には、普段誰も近寄りません。
ケヴィンとの最後の別れの描写で「鼻に綿が詰められている」とありますが、このほかに綿は耳、口、肛門にも詰められています。
体液や排泄物が洩れることを防ぐための処置です。
エイナの第四軍異動は、最初から四か月の期限付きでした。
彼女は九月の下旬に蒼城市に着きましたから、一月下旬で帰ることになっていました。
彼女にとっては、とても慌ただしい四か月でしたが、軍人として、将校として、また人間的にもかなり成長したのではないかと思います。
この先、コンラッド曹長や部下たちと再開する機会があるのかどうか、今の時点では未定ですが、彼らをもう一度会わせてみたいですね。
さて、次回からは新しい章、第七章「辺境伯の息子」が始まります。
「北岸の防人」がエイナ中心の話でしたから、その間にシルヴィアが何をしていたか……そんなお話になる予定です。
そんなわけで、どうか次回をお楽しみに!