• 異世界ファンタジー
  • 詩・童話・その他

【魔導士物語】第三十六話「救護」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093084588073211

そんなわけで、第三十六話です。

予想してはいたんですけど、やっぱり魔導士対決にまでたどり着けませんでしたw

さて、ユニは召喚士なので、六歳から十八歳までの十二年間、国立魔導院で学んでいます。
その教育カリキュラムの中には、医療知識・技術の課程も存在しています。
医術といっても、薬草と生薬の勉強が過半を占めます。純粋な医療としては、外傷の手当が中心です。
ですから、卒業した召喚士は薬草が見分けられ、生薬を調合・処方することができます。
傷の手当も縫合までは可能ですが、内科的な知識はありません。

王国の医学は、先進国である帝国に比べて大きく遅れています。
化学的に合成された薬品の製造能力はないに等しく、対立している帝国からの輸入に頼っているのが現実です。
専門知識を持つ医者の絶対数も少なく、民間では薬草から生薬を製造し処方する「薬師」がその代わりを務めています。

国家召喚士(一級召喚士)は自動的に軍務につきますが、二級召喚士は世間に出て自分の力で生きていかなくてはなりません。
そのため、召喚した幻獣の能力に恵まれなかった者の多くが、薬師として生計を立てています。
ユニはとある事件(『幻獣召喚士 夢の誘い』)で、経験豊富な薬師の女性から教えを受けたこともあって、辺境ではかなり頼りにされています。

一方、魔導院魔法科では六年で卒業するため、医療関係のカリキュラムが大幅に省略されています。
したがって、エイナも止血をしたり、添木や包帯をしたりといった、ごく初歩的なことしかできず、薬草に関する知識はほぼありません。
その代わりに、彼女は初歩的な治癒魔法(軽症の止血や痛みの軽減程度ですが)が使えます。

さて、次回こそは魔導士対決……のはずですww どうかお楽しみに!

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する