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【魔導士物語】第四十一話「突撃」を掲載しました

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そんなわけで、第四十一話です。

大方の読者さんは、読んで「やっぱり」と思ったでしょうが、今回も戦いは決着しませんでした。
『進撃の巨人』で、帰還した調査兵団が、死んだ兵士の母親に「何の成果も!! 得られませんでした!!」と叫ぶ心境を、今味わっておりますww

それもこれも、エイナのストリップを実況するフランツと、それを聞いて妄想を逞しくする工作員が悪い(他責思考)。
あんたらのコントを書いていたら、ついつい楽しくなっちゃうだろ? 私は悪くない!

今回は、重力魔法の解説です。
帝国軍には「重力魔導士」という職種(カテゴリー)が存在しますが、彼らは重力魔法に特化していますが、基本的に土系魔導士です。
重力魔法は、物資の搬送、土木・建設工事で大活躍するので、輜重隊や工兵隊の兵士からは神のように尊敬され、部隊間の争奪戦も熾烈を極めています。
何かと軽んじられる通信魔導士と大きく違うのは、重力魔導士は軍に採用された正規の魔導士である点です。

したがって、重力魔導士は裏方と思われがちですが、ちゃんと攻撃力を保持しています。
それが重力を加速させ、敵の動きを封じる、あるいは圧死させる「加重魔法」と呼ばれる魔法です。
重力魔導士は、現場の要求応じて重力を減衰させる「無重力魔法」(実際には「無」ではない)を使うのがほとんどです。

魔導士側の立場では、重力は減衰させるより加速する方が簡単で、魔力消費も少ないのです。
他の攻撃魔法より呪文が比較的簡単なので、発動までの時間が短いという利点もあります。
ただし、実際には相手の動きを遅くさせたり、動けなくさせるレベルまでしか使えない魔導士の方が多いようです。
人を殺害できるほどの威力となると、それなりに大魔力が必要となるからです。

それでも、戦力の薄い輜重隊や工作隊が、敵に襲われてしまった場合(軍では「あってはならないこと」とされる、戦略的敗北)、帯同した重力魔導士によって危機を脱した例は枚挙に暇がありません。
両部隊の兵士たちが、重力魔導士をあがめるのには、そうした理由もあります。

加重魔法はいいことづくめのように思えますが、当然欠点もあります。
 ○ まず、敵味方が入り乱れている状態では使えないこと。
 ○ 敵の動きを封じても、兵たちが拘束するためには術を解除しなければならず、自由を取り戻した敵から再反撃を受ける恐れがあること。
 ○ 魔法の効果範囲を細かく設定するためには、複雑な計算が必要なため、実際の現場では大雑把となり、味方が巻き込まれやすいこと。

フランツも高位の土系魔導士なので、当然のように重力魔法を自在に操ります。
前回、彼がミナを仕留め損ねたのは、上記に挙げた欠点の一つ「効果範囲の設定が大雑把」が、悪い方に働いた例ですね。

さて、さすがに次回は決着すると思います。震えて待てww

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