https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093084008707546そんなわけで、第三十三話です。
感知魔法は、本文でも説明がありますが、ちょっと特殊な魔法です。
人間が使う(というか、エルフが教えた)魔法は、地下風水の精霊の力を借りる「精霊魔法」が基本です。
魔法には、この他に信仰の力に由来する白魔法があり、高位の神官や新興宗教の教祖などが使用します。
逆に悪魔や闇の力を借りるのが黒魔法(闇魔法とも言う)で、精神操作系に優れ、人や動物を操ったり、呪いをかけたりできます。
帝国をはじめとする魔法先進国では、黒魔法は禁忌とされて使用は重罪となっていますが、大陸南部で勢力を持つ呪術師たちは、この黒魔法を使っています。
感知魔法はこれらとは系統を異にしていて、何の力も借りていません。
単純に術者の魔力量に依存しているので、どんな系統の魔導士でも使えるのですが、一定以上の基礎魔力量がないと発動しません。
感知範囲は術者を中心とした同心円で、普通の魔導士だと直径二、三キロくらいで、ちょっと微妙な魔法です。
感知範囲はつぎ込む魔力によって広げることができますが、消費魔力が面積の二乗で増加するため、広範囲の関知を持続させることは難しいのです。
関知された魔力は、術者の脳内で光点として認識されます。明るければ明るいほど、魔力が強いということになります。
通信魔導士は、おしなべて保有魔力が小さいので、逆に感知が難しくなっています。
感知魔法で測れるのは、純粋に魔力量だけなので、その対象の能力まで分かるわけではありません。
エイナもフランツも、経験則で魔力量が大きい=強力な魔導士と判断しているだけです。
魔力量が同等でも、経験や身に着けた技量によって、魔導士の力は変わりますから、これを過信するのは禁物です。
そんなわけで、次回こそ(笑)両軍がぶつかるはずです……多分。どうかお楽しみに!