https://kakuyomu.jp/works/1177354054902247720/episodes/16816452220651760827そんなわけで第十六話です。
前回、マリウスが提示した薬はペニシリンだと書きましたが、これはちょっと不正確です。
まだ帝国ではペニシリンの単離に成功していません。
要するに純粋なペニシリン溶液が作れず、どうにかそれに近いもの(人体に悪影響を及ぼさない程度の不純物が混入している)という段階です。
密造品は、官製のものに比べてさらに不純物の割合が多くなっていますが、ちゃんと薬効はあります。
本文でも出てきますが、ペニシリンが〇〇の特効薬だというのは本当です。
耐性菌も発生しないので、確実に効きます。
マリウスは「街娼で実験してみろ」と言っていますが、第二次大戦後にアメリカがグアテマラで現地の人たちにわざと〇〇を感染させ、ペニシリンの効果を確認する人体実験を行ったのは有名な話です(オバマ大統領が正式に謝罪しています)。
さて、後半からいよいよ急展開です。
何だかヤバいのが出てきました。
アリストアの幻獣であるミノタウロスは、人間の背丈の倍以上、体長四メートルの怪物です。
それをさらに上回るのですから、もう非常にヤバいです。オオカミたちに止められるのでしょうか?
「マリウスの防御障壁があるから大丈夫じゃない?」と思ったそこのあなた、現実はそんなに甘くはないのですよ~。(^-^;
ってことで、次回は大苦戦のまるごと戦闘回です。