【097 第三十七話 リサステーション(甦生)04】関連。
待てよ、魔力切れ?
召喚聖女アカリは大丈夫なのか?召喚者は魔力切れを起こすのはヤバイんじゃ……
「スラヴの召喚者を甘く見るなよ。その問題はすでに対策済みだ」
ユリウスはニヤリと笑い、離れた場所にいるヒロキも人差指をフリフリさせ問題無しをアピールした。
上記部分の参考エピソードと世界観等についてです。
(今回はケンツ達との関連性はほとんど皆無なので、読み飛ばしてもいいかも)
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―― 関連エピソード登場人物と世界観説明 ――
【ヒロキ(西城祐樹)】
スラヴ王国アクサナ王太女と宮廷魔術師アビゲイル・ライカーによって、アース世界から召喚された勇者。
【アカリ(松本朱里)】
スラヴ王国アクサナ王太女と宮廷魔術師アビゲイル・ライカーによって、アース世界から召喚された聖女。
【ルカ(桜木瑠香)】
東スラグ帝国エリザヴェータ皇女と宮廷魔術師ブリジット・ライカーによって、リアース世界から召喚された殲滅女子(チート能力者)。
【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】には未登場。
【ヨウコ(多岐川陽子)】
東スラグ帝国エリザヴェータ皇女と宮廷魔術師ブリジット・ライカーによって、リアース世界から召喚された殲滅女子(チート能力者)。
【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】には未登場。
【アース世界とリアース世界】
アース世界とリアース世界は共に歴史や文化水準の酷似した世界だが、第二次世界大戦以降の人類史が大きく異なる。
ルカとヨウコのリアース世界では、日本は敗戦国ではない。
そのうえ神の存在が確認されているローファンタジーな世界だ。
ケンツ達の世界では、アースとリアースの他に、エスカトロジーと呼ばれる混沌とした世界が確認されている。
また、アリサ、ユーシス、ヒロキ、アカリの四人は、本物語終了後のそう遠くない未来にて、エスカトロジー世界の魔物とその黒幕を相手に、過酷な戦いの渦中に身を投じる運命にある…………らしい?
*
【環状砂漠 逃亡者の都ダバス――とあるレストランにて。】
「ヒロキ、アカリ、はいこれ。私たちからの最後のプレゼントよ」
ルカとヨウコはポケットからカプセル薬のようなものを取り出した。
「なんだそれ?」
「薬?」
「この前、瀕死のアカリを調べた時にね、改めて召喚者の致命的欠陥を理解したのよ」
「この一見するとカプセル薬のようなものは術式を組み込んだ召喚者用|セイフティレイヤー《安全機能》であり|ソーサリーコンバータ《魔力変換機能》。召喚者用のアップデータとでも理解してくれればいいわ」
「と、言っても召喚者の性質を変えるものじゃなく、術式の上に術式を被せる感じなんだけどね」
ヒロキ達召喚者の体内魔力量は膨大で、戦闘時の放出量もこれまた膨大なものだ。
ところが魔力量は膨大でも、使った魔力の回復は全く出来ない。
そのうえ召喚者達の魔力は特殊で、ティラム世界において互換性はない(召喚者達の魔力をこの世界の者が活用することはできる)。
なので魔力の補充・補給が召喚者同士以外は全く効かず、召喚者達は魔力が枯渇したものから廃人もしくは黒く粉塵化して死亡する。
ルカとヨウコはこの問題をなんとかしようと考えた。
しかし駄女神セフィースの作品とは言え、女神の術式を書き換える方法を編み出すのには、殲滅スキルを使っても無理だった(膨大な時間をかければできたかもしれないが)。
そこでルカとヨウコは独自の術式を被せる事を思いついた。
その効果は――
『魔力残量が残り5パーセントになると、強制的に魔力放出を停止』
『自然魔素や月の魔力を召喚者達の魔力波長に変換・吸収』
――この二つである。
「つまりこういうことか?このカプセル薬を飲めば俺達はもう魔力切れで死ぬことはないと」
「ねえ、これって宮廷魔術師達がずっと研究していてついに完成しなかったとか、そんなレベルの発明なんじゃ……」
「「ふふふ、まあね」」
「マジか、スゲー!」
「チート過ぎる!」
「「でも、ありがとう!」」
最後の最後でとんでもないサプライズを用意していたルカとヨウコだったが――
(おわり)