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【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】雑文(169部分)

茶番の雑文
内容のペラいメタな、しかも閑話ですらない雑文です。
読み飛ばし推奨。


【オチと言う名の自分探しの旅】

「ぶはっ。今度こそエタったと思ったぜ」
「次話は11月上旬には仕上がっていたと言うのにね」
「なんでこんなに間が開いたんだ?」
「目が病んでるってのもあるけど、なんか閑話が書ききれなかったみたい」
「は? そんな誰も期待していない閑話のためにエタりかけたってのか? しかも書ききれなかった? なんで?」
「単純な理由よ。作者が閑話を書く時ってね、プロットを全く作らないのよ。結果、オチが思いつかず頓挫。次の閑話を書き始めてまた頓挫。次の次の閑話を考えてまたまた頓挫……」
「閑話の屍が累々だぜ。結局何話ボツったんだ? どんなタイトルなんだぜ?」
「んとね……」

没閑話01【アリサ、溺れる】
幼少期のアリサと|ユリウス《ユーシス》が親の注意を無視して河に遊びに行って、アリサが流されてしまう。
なんとか助けようとする|ユリウス《ユーシス》だが……

「アリサの川流れか。河童みたいだな。どんな感じで始まるんだ?」
「じゃあ少しだけ」



***



「た、助けて|ユー兄ちゃん《ユーシス》! がぼぼぼ」
「アリサーー! 大変だ、アリサが川に流されたぞ!」

それは、今から12年程前の話。ユーシスは5歳。アリサは3歳。
「危ないから子供だけで川で遊んじゃいけません!」と親たちからキツク言われたにもかかわらず、幼きユーシスとアリサは王都近くのヴォルカ川に遊びに出かけた。
そしてアリサはユーシスの制止もきかず川の中央へと向かい、流れに脚を取られてとんでもない勢いで流されてしまった。

「どうしよう。そうだ!」

アリサを追いながら、ユーシスはたまたま持っていたロープをアリサに向かって川岸から投げた。

「そりゃ!」

べちゃ

しかしロープは軽く、アリサのところまで飛ばない!

「うぼぼぼぼぼ」
「わぁ、駄目だ! いや待て、落ち着け!考えろ、考えるんだ!……そうだ!」

ユーシスはロープの先に石を括りつけた。
これならアリサのところまでロープを飛ばせる!

「よし、もう一回だ。そりゃ!」

びゅーん!

石を括りつけたロープは見事にアリサまで飛んで行った!
しかし……

ガンッ!

「ギャベッ! ごぼぼぼぼ……」

ごぽん

石の直撃をくらい、アリサは気絶して沈んでしまった。

「アリサー! どうしよう、僕がアリサにトドメをさしちゃった!」

狼狽するユーシスだが、すぐにアリサが沈んだ深場に飛び込もうとした。
その時!


***


「その時! って、そのあとは?」
「お約束よ。水の女神だか精霊だか妖怪だかそんな感じの何かが現れて、金の斧、銀の斧みたいな感じで大人・美少女・美幼女の三種類のアリサをユーシスに選ばせるの」
「それでどうなるんだぜ?」
「どうもこうもそこで途切れるわ」
「本当に何も考えずに書いているんだな…… で、他の閑話は?」


没閑話02【とある王太子と王太子妃の結婚初夜模様】
かつてのフランス王室同様に、某国では王太子と王太子妃の【初夜の儀】の様子を、国王を始めとする国の重鎮達にガン見観察される伝統がある。その現場に|ユリウス《ユーシス》とアリサも巻き込まれた話。

「これもオチを考えてないとかで筆が折れたのか?」
「それもあるけど、思った以上の尺になりそうで閑話の枠に収まらなかったらしいわ」
「ふーん。じゃあそのうちティラム側で始まるかもな」


***

「ねえユーシス、さっき串肉を買った時に聞いたんだけどさ。王太子とお相手の侯爵令嬢は幼馴染なんだって」

アリサは手に持った串肉を俺に渡しながらそう言った。

「政略結婚が当たり前の王族・貴族の結婚にしては珍しい。もしかすると幼い時期に婚約させられたのかもな。それよりこれ食べたらすぐ宿を探すぞ。この賑わいじゃもうどこも満室かもしれないが」

俺とアリサは急いで串肉を平らげ宿を探し始めた。
しかし結局空いている安宿は見つからず、不本意ながら勇者特権を使いメインストリートに面した高級宿を借りる事にした。(勇者特権を使うと足取りが国と教会にバレてしまう。なので緊急時以外使わない事にしている)

「やだわ。こんなお花を部屋に飾って」

アリサは部屋に飾られている深紅の|薔薇《バラ》を見て顔をしかめた。

「どうかしたか?」
「この薔薇、“テンプテーションラバーズ”って品種でね。甘い香りには強い媚薬効果があるのよ」

アリサの前職は花屋だ。観賞植物にはめっぽう詳しい。
この美しい薔薇を一目見ただけで正体を看破した。

「“魅了”みたいにやばいのか?」
「ううん。エッチな気分にはなるけど気持ちをしっかり持てば抗えるわ…………ああなるほど」
「なんだ?」

アリサは過敏の元に置かれていたカードを手に取り書かれている内容を読んだ。

「“テンプテーションラバーズ”ってこの国の国花なんだって。それで王族の結婚式にはこの“テンプテーションラバーズ”をいろんな場所に飾るみたい」
「へー」
「それで王太子と王太子妃の【初夜の儀】がうまく行くよう“テンプテーションラバーズ”の香りを嗜みながら国民が応援するんだって」
「お、応援? 王太子殿下達の初夜を? なんかやだな」
「きっと民達も愛し合うことで【初夜の儀】を頑張る殿下達と気持ちを共感するんだわ」
「いやいやいや、他人の初夜と気持ちを共感とかおかしいだろ」

しかしよく考えてみれば、俺達の祖国スラヴ王国でもジアーナ女王とアドレアン国王の御結婚の晩、初夜の成功を願う民達が夜遅くまで酒場や公園で騒いでいたと聞く。

「ま、どこも同じようなものか」

俺はあまり深く考えない事にした。


***

「この後“テンプテーションラバーズ”の媚薬効果にあてられた|ユリウス《ユーシス》とアリサは……」
「どどど、どうなるんだぜ!?」
「ケンツ、これ以上はいけないわ。運営から赤いお手紙が届いちゃう」
「ふざけるなっ! 公開できないものなんか最初から書くんじゃねーぜ! 他は?」




没閑話03【殲滅女子はクリスマスツリーを飾る】
リアース世界から来た美少女、|桜木瑠香《さくらぎるか》が行方不明の親友を探すためにクリスマスツリーを飾る話。

「|桜木瑠香《さくらぎるか》って誰だ?」
「アリサ達の親友みたいよ。女神と同種の能力を有するチート少女らしいわ。ミヤビ様の上位互換って感じかしら」
「じゃあラミア族?」
「いいえ、人族よ」
「そういえばアリサから少し聞いたな。|ユリウス《ユーシス》が行方不明になる直前にリアース世界に帰還した二人の少女。その片割れの名がたしか|桜木瑠香《さくらぎるか》」
「そうそう。で、その際に相棒の|多岐川陽子《たきがわようこ》とはぐれてしまったらしいわ」
「それで瑠香は相棒探しに単身ティラム世界に戻ってきたのか。ところでクリスマスツリーって何だ?」
「|キリスト教の生誕祭《クリスマス》のシンボル的なやつ?」
「キリスト教……聞いた事が無いな」
「私達の世界には存在しないわ。約2000年前(2023年前)の大異変のせいでキリスト教は誕生しなかったから」
「んで、クリスマスってどんな宗教イベントなんだ?」
「なんでも世界中の連れ込み宿が満室になって、エロスの限りを尽くして子作りに励むイベントらしいわ。他にも返り血を浴びた老人が子供を探して夜の街を徘徊するという」
「なんだそりゃ? 生誕祭をエロとホラーで祝うなんて普通じゃないぜ!」
「ケンツ、私達の常識は異世界には通用しないわ」
「そうだった。で、どんな冒頭……ああ、別にいい。物凄くシリアスな予感がするぜ」




没閑話04【異世界修羅場劇場エピソード5】
元々閑話ではなく全5話予定のオムニバス作品。
最終話サブタイトルは【試される愛。托卵されても妻を愛してる】
魔女の呪いにより種無しになったケンツ。しかし妻のシャロンは3人の子を孕み……

「ちょ、ちょっと待てええええええええええ!」
「きゃあ、ビックリした。ケンツったらいきなり大きな声を出さないでよ!」
「これが大声ださずにいられるものか! 托卵っていったい誰の子だ!? やはりバークとやった10万文字分の結果なのか!?」
「落ち着いてケンツ。私は托卵なんてしないわ!」
「だってサブタイトルに【托卵されても妻を愛してる】ってあるじゃんかよぅ! ううぅぅぅ……うわーん!」
「泣かないでケンツ。これはきっと違う世界線の話だわ」
「違う世界線でも托卵なんてあんまりだぜ! しかも俺、種無しになっちゃうの!?」
「らしいわね。でも大丈夫よ。愛があれば種が無くても子供の二人や三人きっと孕めるわ! だからこれは托卵じゃないの。三人ともケンツの子よ!」
「そんなわけないだろ! シャーローンー。托卵がバレて開き直っている浮気妻みたいなこと言うなよー!」

「まあそんな訳で、作者は閑話を何一つ仕上げる事もできずにズルズルと12月になっちゃったわけ」
「そんなことより托卵の件をハッキリさせねーと!」
「ほんと作者は何を優先すべきかわかっていないわね。勘弁してほしいわ」
「いや、托卵……」
「ケンツ、エタる事に比べれば、未完の托卵エピソードなんてどうってことはないわ。そうでしょ?」
「うう、聡明なシャロンのイメージが崩れていくぜ……」
「ちなみに托卵エピソードだけど、最後はハッピーエンドで締めくくるつもりだったらしいわ」
「托卵で終わるハッピーエンド……」
「そんなハードルの高いのを書こうとするから仕上げられないのよね」
「なあ、シャロン」
「なあにケンツ?」
「もしかして今俺達が話しているオチも……」
「当然あるわけないじゃない。作者は自分探しならぬオチ探しの旅に出るって逃げたわ」
「やっぱりか。こりゃ次回も遅れるな」

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