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【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】閑話(168部分)

茶番の後書き閑話(【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】168部分用)
内容のペラくメタい閑話です。




【晴れないモヤモヤ】

「ず、随分投稿間隔が開いたな。作者の奴、今度こそエタったかと思ったぜ(汗)」
「なんか黄斑(目のセンサー部分)に異常があったみたいよ」
「ほーん。まあ書いてくれりゃ何でもいいぜ。ところでよぅ……」
「なあにケンツ?」
「なあ、本当にバークと10万文字分の|アレ《濡れ場》は無かったんだよな? な?」
「ケンツ、まだ気になってるの? なにも無かったって何度も言ったでしょ」

前回、バークとの間に10万文字のアレ疑惑が掛かったシャロン。
当然ケンツは心中穏やかなはずもなく今日までずっとモヤモヤしっぱなしであった。

「シャロン。本当の事を言っても大丈夫なんだぜ。身体はバークのものでも、まだ心が俺を好いてくれているなら……俺は……俺は……うう……うぇぅぅぅぅぅう」

食卓の椅子に座っているケンツ。
足をピシッと閉じ、手をグッと膝の上で握り、肩を震わせながら涙をポロポロと零れ落とす。

「だから大丈夫だから。私の身も心もケンツのものだから」
「だってオメー、バークの事を蕩けた雌顔で見てたじゃんかよぅ……」
「あれは役に徹しただけだから。本気な訳ないでしょ!」

実際のところ、10万文字分の|ノクターン《アレ》的展開は無かったのだが、ケンツにとってバークに向けたシャロンの雌顔はとんでもない破壊力だったようだ。

「だいたい執筆頻度が悪化している今の作者が10万文字もポンと書けるワケないでしょ」
「いや、あいつなら“|アレ《エロ》は別腹”とか言って書くかもしれねーだろ」

「無理無理。だってあの作者は2年前に|ムーンライトノベルズ《女性向けR18小説》に挑戦しようとして【魅了物語 -とある聖女の悲恋譚・彼女が想い人を殺すまで】を500文字ほど書いたところで止まったままなのよ。10万文字なんて絶対無理!」
「ああ、死神アキムが恋人の聖女ミルーシャに殺される話な。『ドエロい描写に悲しさと切なさを織り交ぜたい!』とかいいつつ冒頭シーンで挫折したやつ」

「|ヤツ《作者》には|アレ《エロ》は無理だわ。だから安心してちょうだい」
「そっか、そうだよな。しかしそうなると新たな問題が起こるぜ」
「新たな問題?」

「|アレ《エロ》が書けない……それ即ち俺とシャロンとの濡れ場が無いってことだぜ!」
「いいじゃない。身体の交わりは無くとも心が通い合っていれば」
「女はそれで良くても男はそうはいかないんだぜ!」

「そもそもカクヨムでガチ濡れ場なんか書いたら今度こそ垢バンしちゃうわ」
「だったら【ノクターン版追放した側のファンタジー】を書けばいいんだぜ!」

「ねえケンツ。その場合、私がバークさんに寝取られるシーンが生々しく描写されちゃうんだけど」
「そ、それは駄目だぜ!」

「私が召喚勇者に魅了されたシーンとかも、擬音たっぷりでもっと淫らに……」
「や、やめてくれ! 聞きたくない!」

「それだけじゃないわ。アリサさんが召喚勇者やアパーカレスに「アーレー」な事をされそうになったシーンも生々しく……」
「それは絶対書くべきなんだぜ! というか、アリサのはティラム側の話だぜ」

「記憶が消えつつあるアリサさんをユリウスさんはどうやって助けるのか……」
「|あっち《親作品》はもう10ヶ月近くも更新が止まってるぜ……」

「まあでも分かったでしょ」
「ああ、確かに今の作者に10万文字の濡れ場は無理だな」

ケンツは安心と納得をした。
その時。

「やあケンツさん。シャロンさん。こんにちは」

「あらバークさん。こんにちは」
「バーク……」

バークが通りかかり窓の外から挨拶をした。

「おいバーク。テメー本当にシャロンとは何にも無かったんだろうな」
「ちょっとケンツ!」

「はっはっはっ。僕が今更シャロンさんに何かするわけないでしょう。それじゃ」

爽やかな笑顔で否定して立ち去るバーク。

「な、ならいいんだぜ…………むっ!?」

しかしケンツはバークの口元が一瞬醜く歪んだように見えた。
……ような気がした。

「な、なあシャロン」
「気のせいよ」
「…………」


疑心暗鬼。
ケンツが深く根付いた疑いから解放されるのは、まだ少し時間がかかるようである。

Moyamoya end

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