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【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】閑話(163部分)

茶番の閑話(【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】163部分用)
くっだらない内容の閑話です。
読み飛ばし推奨。ちなみに非エロです。




【ティラム逃亡記出張版 02】

「んあああああ、なんなのこれ!? 私こんなの知らな……ひぎぃぃぃぃぃ!」

白い部屋の中で、白い衣装に身を包んだ小太りな中年男に無慈悲に激しく責め突かれ、ビクンビクンと身体を震わせ絶叫するアリサの姿があった。

ズンッ ズンッ グリッ

中年男は柔和な表情で、しかしサディスティックにアリサの弱い箇所を責める。

ギュリ!

「ふぐっ! 痛い! あぐぐぐぐぐぐっ!」
「ふふふ、痛いのは最初だけですよ。じきに慣れてクセになります」
「何言ってんの! こんなの慣れるわけ…………おほうっ!」

ギュリリリリィィィ

擦り付けるような中年男の責め。
アリサは堪らず|ベッドの上《頭側》に身を捩って逃げようとする。
しかし中年男がそれを許さない。

ズルズル

瑞々しいアリサの足首を乱暴に握り、アリジゴクのように強引に引きずり寄せる!
そして

ズンッ ズンッ ズンッ ズンッ グリッ!

アリサの弱い箇所を見つけリズミカルに突き刺す!

「あぐっ! いぎっ! おぐっ! えがっ! ふぎいいいいいいいい!」

身体をくねらせ必死で逃げようとするアリサ。
しかし中年男は逃げる女性を制圧するコツを熟知しているらしく簡単に引き戻されてしまう。

「よ、鎧は…… |ディメンション《報酬の時》|アーマー《空鎧装》はどうして展開しないのよぉぉぉお!?」

これまでアリサが性的なピンチを迎えた時、必ず自動展開してその身を守ってくれた|ディメンション《報酬の時》|アーマー《空鎧装》。
しかし今回は何故か発動する気配がない。

「ふふふ、アリサさん。僕はあなたを傷付けようとしているわけじゃないのですよ。癒してさしあげたいだけなのです。鎧だか縦だか知りませんが、そんなものは不要です。さあ、大人しく身を任せるのです。なんなら天井の染みでも数えていなさい。その間に終わりますよ」

「何が癒しよ! この変態サディスト! 私は絶対に屈しない! 大人しく身をまかせたりなんか絶対に…………」

ズンッ!

「ひぎぃぃぃぃい!」

アリサはベッドの上で必死に抵抗を試みた。
しかし無駄だった。
抵抗を試みるたびにアリサはビクンと身体を跳ねて無力化させられる。

「さあ、それでは本気で行きますよ」
「え、ちょっと待って。今までは本気じゃなかったの!?」
「ふふふ、連れて行ってあげましょう。未体験ゾーンへ!」

ズンッ! ズンッ! ギュリリリリリィィィィィ!

「へぎゃああああああああ! あ! あ! ああああああああああ!!!!」

かつて経験したことのない強烈は感覚の波!
その波に飲み込まれそうになり、アリサは一瞬意識が飛びかけた。

「いやぁ! もういやぁ! 助けて! 助けて! ユーシスーーーー!」

アリサは絶叫しながらユーシスに助けを求めた。

実はアリサの彼氏であるユーシスは、ベッドの傍でアリサが責められる様子をじっと見ていたのだ。
そのユーシスが吐いた言葉は……

「ダメだよアリサ。これは君が望んだ事なんだろ? 僕は助けないよ。じっくり観賞させてもらう」

残酷なユーシスの言葉。
そして初めて見せる冷徹なユーシスの微笑。
アリサは戦慄を覚えた。

「祐樹! 朱里! 助けて! お願い助けて―!」

祐樹と朱里もベッドの傍にいた。
しかし祐樹も朱里も呆れたような表情をしてアリサを見下す。

「だから私はやめようって言ったじゃない。忠告を無視するから…………」
「最後までやるって承諾書にサインしちゃったんだろ? 最後の一突きまで頑張りな」

二人は冷たく突き放した。

「そ、そんなぁ! ひぐっ! おぐっ! あひいいいいいぃぃぃ!」

グリリィ グリリィ グリリィィィ

中年男の責めが変わった。
突き主体から抉るような擦り主体に変わったのだ。
アリサは弱い箇所を強く擦り付けられ、初めて味わう耐えがたい感覚に激しく首を振った。

「壊される! こんなの私、壊されちゃう! もう耐えられない!」
「壊れはしませんよ。私は癒しのプロですから。アリサさんが傷つくような事は絶対にしません」

グリリィィィ!

「 !? 」

プツ……

アリサの中で何かがキレた。
理性と自尊心が吹き飛び心が変貌していく。

「あああああ! ごめんなさい! ごめんなさい! あやまります! 私が悪かったです! だからもう許して! うわああああああああああ!!!」

アリサはとうとう号泣して謝り許しを請うた。中年男に屈してしまったのだ。
これまでアリサは魅了を除き、ユーシス以外の男に屈する事など一度も無かった。
しかしアリサは出会ってまだ30分ほどの小太りな|中年男《おっさん》に、身も心も屈してしまったのだ。
なんという屈辱!
キラキラと絶望の涙が散らばり、ベッドのシーツに染みをつくる。
しかし中年男はアリサの涙を染みを踏みにじり、謝罪も受け入れず責め続ける。
それどころか目を吊り上げて責めは過激さを増した!

グリリィ グリリィィィ

「へぎっ!?」
「ふふふ。何を謝っているんです? アリサさんが謝る理由なんて何もないでしょ」
「いやぁ! もう堪忍してぇ!」
「いいですね、その|言葉《堪忍して》。さあそれじゃフィニッシュですよ!」
「フィニッシュ!? いや! やめて! 許して! 酷い事しないで! おねが……い!?」
「ふんっ!」

ズキューン!!!!!!

「ぴきゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ!…………あ……ああ……」

中年男の魔力を込めた野太い一撃が刺さる!
瞬間、足の先から頭のテッペンまで雷に撃たれたような激しい感覚が突き抜ける!
バチバチと目から火花が飛ぶ!

アリサの身体は弧を描いて激しく反り、
白目を剥き大きく開いた口からピンと舌を伸ばして、
ビクンビクンと痙攣しながら意識は真っ白な世界に堕ちた。




「おい、いい加減に目を覚ませ」

ペチペチと頬を叩かれアリサは目を覚ました。

「うーん、ここは……」

まだ痺れるような感覚が脳に残り、ぼんやりするアリサ。
ペチペチと頬を叩いていたのはユーシスだ。

「あれ、ユーシス? なんだ、今までの事は全部夢だったのね。あービックリした」

アリサは全て夢だと思い、まだドキドキしている胸をなでおろしかけた。
だがしかし!

「ところがどっこい、夢じゃありません♪」
「うぇ!?」

ユーシスの背後からひょっこり顔をだして、にこやかにVサインを決める中年男!

「いやあああああ! 夢じゃなかったの!? 助けて! 助けてユーシス!」
「大丈夫だから落ち着けって。もう終わったから」
「終わった? 本当に?」

ズササッとベッド壁際に後ずさり、膝を抱えて身を守るアリサ。

「終わって……それで夢じゃないなら……ユーシス酷い! どうしてさっき助けてくれなかったの!?」

愛する人に裏切られ、アリサは怨嗟の目をユーシスにぶつける。

「助けるわけないじゃん。人を実験台にしといて自分は助かろうなんてありえないし!」
「なによばかぁ! 助けてよ! ほんと痛くて怖かったんだからぁ!」
「何言ってんだい。僕だって君のせいで痛い思いさせられたんだぜ。でも、おかげで体調よくなったろ?」
「体調って……そういえば何かいいかも」

アリサは自分の身体がなんだかスッキリしていることに気が付いた。

「ふふふ。どうですかな? 当クリニックの〔足つぼマッサージ〕は。終わってみれば爽快でしょう」

中年男が一仕事終えた満足げな顔して言ってきた。

そう。アリサが受けていたのは性的虐待でも性的拷問でも強制猥褻でもない。
健康を促す〔足つぼマッサージ〕だったのだ。

【足つぼマッサージとは】
足裏の部位すなわち“つぼ”に強い指圧を加えることで、人体の弱っている部位の健康を促す按摩術。
一般に弱っている部位のつぼ(例えば腎臓や脳の足つぼ)に強い指圧を加えられると、耐えがたい激しい痛みを感じると言われる。
痛みに強いプロ格闘家でも悲鳴をあげてギブアップする程めちゃめちゃ痛いらしい。

アリサは異世界人の村で見つけた〔足つぼマッサージ店〕に興味を持ち、祐樹と朱里の制止も聞かず施術承諾書にサインしたのだ。
しかし直前で怖くなり、まずはユーシスに(無理やり)施術させ試した。
当然、施術を受けたユーシスは白目を剥いて大絶叫。
アリサは本当に怖くなって逃げようとしたのだが、|中年男《施術士》と涙目のユーシスがそれを許さなかった。
そんな流れでアリサは足つぼマッサージを強制施術され今に至っている。

ちなみにこの〔足つぼマッサージ〕を施術した|中年男《施術士》。召喚前は著名なカリスマ的足つぼマッサージ士だったらしく、向うの世界ではテレビやネットにと引っ張りだこだったらしい。
その上、召喚されてからは魔力を取り入れたマッサージが効果倍増と大好評。
ティラム世界に確かなブームをもたらしつつあった。
しかしアリサは御立腹のもよう。

「何が爽快よ! 足裏が割れたかと思ったわ! 今まで戦って来たどんな敵の攻撃より痛かったわよ! 腕を斬り落とされた時の方がまだマシだったわ!」

アリサは睨みながら文句を垂れた。

「そんな大げさな」
「大袈裟じゃない! ユーシス、もう行こう!」

アリサは逃げるように|ベッド《診察台》から降りようとした。

しかし――

ギュッ

「へ?」

アリサはまたしても|中年男《施術師》に足首を掴まれた。

「ちょっ、離して! 終わったはずでしょう!」

「ええ終わりましたよ。でも終わったのは右足だけ。まだ左足が残っています」

にちゃぁぁぁぁぁ………と糸を引きそうな|中年男《施術士》の笑み。
その笑みにアリサは戦慄した。
同時につい先ほど受けた暴力的激痛が、全身に突き抜けるようにフラッシュバックされる!

「い……」
「「「「 い? 」」」」

「いやあああああああああああああああああああああああああ!」


いやあああああああああああああああああああああああああ…………
いやあああああああああああ…………
ああああ…………


山に囲まれた異世界人の村に絶叫がこだまする。
アリサの異世界文化の堪能は、まだ始まったばかりである。



次回、異世界文化第二弾
「いやああああ、お尻になにか入ってくりゅ~~~!」
に続……かない


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