大体の女子が通ってくる道かと思いますが、料理が苦手な私でも一応「お菓子作りをする」という経験は何度かしてきました。
ホールケーキみたいな大層なものには手を出したりしませんでしたが、クッキーだったり、マフィンだったり、カップケーキだったり、ゼリーだったり云々。
そのうちのひとつがプリンです。
一時期プリンを作りまくっていた時期があり、「今日は黒糖にしよう」とか「今日はいいブランデーを使ってみよう」とか、さして上手くもないのに無駄に材料を変えてあれこれやっていました。
が、私。
実のところ、プリンはそこまで好きなスイーツではなく。
「じゃあ何で作るんや」と言われたら、「自分で作ったものなら好きになれるのではないか」と思ったからです。
売ってるものよりも絶対美味しく作れるハズがないのに、自分が材料から揃えて、自分の手で作ったものは、美味しい、美味しくないは別にして、どんなものよりも信用が置けるのではないかと。
いつの間にか作らなくなりましたが、この手のものは一度作ってみるといろんなものの癖なんかが分かって、なかなか勉強になったものです。
そんな、プリン作りに凝っていた当時の私が書いたのが『午後6時のプディング』というお話です。
ファイルの日付を見たら、今から11年前のものでした(まだ平成や!)。
そもそもカクヨムさんに投稿をするようになったのは、昔書いたお話のデータが何等かのトラブルで吹っ飛んだ時のクラウドとしての意味合いもあったので、「それならこれもアップしていこうか」と判断しました。
昔と今では語感へのこだわりや好みも違っていたりするので、こちらに投稿する際に多少の修正は加えていますが、大筋は書いた時のものです。
誰に読まれるとか、そういうことをあまり考えずに書いていたものではありますが、明るいところに当てて虫干しするのも作品には必要かなと……。
そんな訳で、この話については既にラストまで書き終わっているものになるので、連載中表示になっていますが完結はします。
もしかしたらこちらに移す際にラストを変更するかもしれませんが、それは今の私の感覚として「こっちの方が好き」と思っての行為なので、当時の私に対しては「ごめんやで」とこっそり言っておきます。
中身、ちょい重めかもしれません。
なんせ真面目だったんです、私。
『小説を書く』ということに対して、構えながら書いていた節があります。
「11年前のこの人は、こういう話を書きたい気分だったのだな」と思っていただければ幸いです。
逆に、「11年後のこの人は、ゆるーいBL書くわ、漫才もどき書くわ、キャラ同士でごりごりに会話させまくるわで、この11年で何の心境の変化があったんや……」とご想像いただきながら読んでくださるのも、それはそれで……と思います。
プリンのほろ苦さをご想像いただきながら、お時間あります際にでも開いていただけましたら幸いです。
よろしくお願い致します。