妻に小説のレビューをもらいまして。

自分の妻をこんな風にいうのもアレですけど、あの人、THE・大衆みたいな人間でして。

つまり妻が「読まなそう」と評価する作品はニッチもしくは売れないですし、「読んでみたい」と評価されればメジャーもしくは売れる作品になる可能性があるんですよ。本当、そういう指標みたいな人です。
(ちなみに妻はもともとウェブマーケをやってた人間で、性格はわりと天然が故の穏やか毒舌です。)

で、私の書いた初小説『浦島二郎物語』(←令和大賞のためLINEノベルに掲載中。終わったらカクヨム移動させるかも)について率直な意見を聞いたらですね。タイトル付けのわりとテクニカル(?)なことで、みなさんにも役立ちそうなトピックがあったので書いておきます。

以下、会話。

妻「浦島二郎はね。まず浦島って時点で浦島太郎だな、と」
私「そうやね、合ってるわ」
妻「で、浦島太郎ってことはつまらないじゃない?」
私「え」
妻「浦島太郎ってことはつまらないじゃない?」
私「二回言った!?」
妻「浦島太郎ってことはつまらないのよ」
私「決定づけた!そうなの?」
妻「例えばね」

(LINEノベルで一時、ランキング1位だった作品"ホッパー"を見せる)

妻「ホッパーは私、ジョブホッパーって言葉を知ってたから見た瞬間イメージついたの」
私「ジョブホッパーの話だと」
妻「うん。っていうか、30代男性が色々、人生に迷ってて、でも人々との出会いのなかでなんかあって、時には裏切られたりもして、で、最終的にはなんか成長してよくなるみたいな?」
私「すごい具体的なの出てきた!」
妻「そういうのが浮かんで、まぁじゃあどうなるか気になるし読んでみようかなって思ったの」
私「なるほど...。え、タイトルの時点で、そこまで一瞬で具体的なの出てくるんだ?」
妻「そうなの。やっぱりタイトルの時点でだいたい最後のほうまでイメージできて、それから面白そうとか、自分に合ってそうとか考えるかな」
私「想像つかない作品もある?」
妻「そういうのは見もしない」
私「厳しい...」
妻「いや友達が書いてたりしたらちゃんと見てみるよ?」
私「その同情はかえって書き手にツライよ」

という感じで、読まれる小説はタイトル(表紙)の時点で物語の最後まで想像ができないとスルー(というか無いものと)されることが分かりました。ちなみに中身がイメージ通りであるか否かは、読み出すまでの話なのでそこまで関係ない。あくまでタイトルに「私なりに物語全体を予想できる」何かが持たせてある必要があるとのこと。

なるほど。
タイトルの大事さはそこにあるのか。

私「ちなみに俺の浦島二郎は?」
妻「浦島だから想像はついたよ。けど亀助けて龍宮城いって帰ってきたからなに?って感じ」
私「辛辣だし古典に謝れ」
妻「二郎にしてるから多分、現代物語とかにしてるんだろうなぁと思った」
私「正解!その点についてはどう思った?」
妻「まぁなんか。そうね。うまいこと言ったり、ヒネってあんでしょくらいな?」
私「ねぇ俺が4ヶ月かけて書きあげたの知ってるよね?」
妻「違うの!頑張って書いてたのは知ってるんだけど」
私「何も知らずにタイトルだけ見たらそう思う、と」
妻「そうそう。どうせそこまで面白くなってないでしょって」
私「頑張って書いてたの知ってるんだよね?」
妻「王道じゃないんだよね。タイトルから外しにかかってる感じで攻めてない」
私「なんだろ、涙出そうだから、ちょっと酒飲んでいい?」

つづいて読みたいと思えるタイトルについて、もうひとつの大事なことが。

妻「読みたいなって思うタイトルはね。やっぱりどうなるんだろって楽しみな予感が起こるの」
私「それは最後まで物語の想像がつくけど、どうなるんだろとも思うってこと?」
妻「そう。そこは矛盾しないの。さっきのホッパーで言えば」
私「もはやホッパーが羨ましい」
妻「ホッパーってやっぱりここ最近の流れじゃない?」
私「流れ」
妻「時代の流れ的な。転職で雇用が流動化して、そういう生き方もできるよねって関心ある人が増えている時代で。でも実際、定番の生き方じゃないから具体的にはどうなるか知見がない。どうなるかわからない」
私「な、なるほど」
妻「そこまで思いつくと読んでみようかなって思う」
私「ホッパーすげえな」
妻「あ、ホッパーがすごいっていうか、うらし」
私「OK終わろう」

そうなんです。

読んでみたいと思えるタイトルは、

・見た瞬間、物語が最後まで予想がつく
・見た瞬間、どうなるんだろと楽しみな予感が起こる

この一件、矛盾してそうなふたつの要素が起こるのです。

私はこれを聞いたときビックリしましたね。
タイトルをわかりやすく、イメージつきやすくすることは大事だなと意識してましたが、あとはちょっとヒネってオリジナリティを出せば良いんだな、くらいに考えていたからです。つまり後者がまったく配慮されず、練られていなかった。そりゃ読まれないわ。
(しかも、私のその思惑が妻にそのまんま読みとかれたのがツライ。)

妻「でも浦島二郎、内容は面白かったよ。ちょうどホッパーを見て私が予想した、30代男性が色々、人生に迷ってて、でも人々との出会いのなかでなんかあってって感じで。中身はまさに王道だった」
私「あ、内容は良かった!?そうでしょ!」
妻「でもタイトルとか出だしがあれじゃ、誰も読まないよね」
私「飴と鞭がハンパねーな」
妻「まぁそのうち良いの書けるよ」
私「頑張ります」

といった感じでした。

まとめとしてもう一度。

読んでみたいと思えるタイトルは、

・見た瞬間、物語が最後まで予想がつく
・見た瞬間、どうなるんだろと楽しみな予感が起こる

この一件、矛盾してそうなふたつの要素が起こるそうです。

タイトルで悩んでいるかた、読まれたい作品を作ろうと悩んでいるかた、アイデア出しの参考にしてみてくださいね〜。