昨日ですね、人生初のオンライン合コンという奴にお呼ばれしましてですね、恥ずかしながら参加して参りました。
私も華の独身男でございますし恋人もおりませんから、新しい出会いを得られる機会とあらば参加するに吝かではないのです。
吝かではないと言ったものの、じゃあ私から積極的に合コンを企画するということでは無いのですが、合コンが開かれると聞けば喜び勇んで馳せ参じる類の人種でございまして。
時折友人から「そろそろお前がセッティングしろよ」と突かれる度に、異性の友人が少ない(同性の友人も少ない)私と来たら「あ、ああ……う、うん。そ、そうだね……」と、しどろもどろになる始末。
こんな人間が張り切って合コンに挑んだところで結果は火を見るよりも明らかでございまして、合コンに行って上手くいった試しがございません。
そんなことはともかくです(重要!)、何より誰と誰が都会の夜に消えていったとか、そんな話はともかく!(すげー重要!)
私が言いたいのは、合コンはとにかくその場が盛り上がるかどうかが一番大事だってことです。
合コンが盛り上がってないと、何とは言いませんが当然その後に繋がりませんし、そもそも楽しくない。合コンだって突き詰めりゃ飲み会でございます。楽しくない飲み会なんて誰がいくものかと。
まぁ大抵の場合は居酒屋とかで開催されますから、居酒屋の楽しげな雰囲気の中、目の前で一緒にお酒を酌み交わし、ちょいと一つ愉快なエピソードを語ればよっぽどじゃない限りは盛り上がるものです。
しかし今のコロナ禍のご時世。以前のように対面の近い距離でお喋りを楽しむなんてことも出来ず、しばらくは合コンと縁が無かったのですが、そこで冒頭のオンライン合コンなのです。
オンライン合コンがピンと来ない方の為に簡単にご説明致しますと、昨今テレワークだのオンライン飲み会だの増えた中で生まれたのが、このオンライン合コン。
パソコンでzoomというものを繋ぎ、自宅にいながらオンラインで異性と飲むという浮かれたイベントでございます。
これ何がいいかと申しますと、わざわざ待ち合わせしてお店まで行かずとも、自室というリラックス出来る空間で気軽にお話することが出来るのです。
と、まぁ昨日の夕方までの私の認識もこの程度のざっくりしたものでございましたが、これが甘かった(笑)
初めてオンライン合コンに赴いた私はですね、ウキウキワクワクしながらパソコンを点け、男3人女3人の素敵な会をスタートさせたのです。
画面に写る女性はいずれも、まぁとても素敵でございまして、これは素晴らしいと感極まっていたのですが、ここで私に誤算があったのです。
私は普段の居酒屋合コンとオンライン合コンを同じものだと思っていたのです。
お相手は目の前の席にはおらず画面の向こう。近いようで遠い距離。手を伸ばせば届きそうなのはいつもと同じですが、今回触れ得るものはディスプレイ。
何というか、会話の距離感が掴めないのです。
目の前に実際にその人が存在していれば、目線や仕草、反応でその人が話に乗ってきているかそうでないかはすぐに分かるのですが、これが画面越しだとそうはいかない!
何より居酒屋のわちゃわちゃした雰囲気ではなく、むしろ対極の自室という最高のリラックス空間にいる相手!
どうにも盛り上がりに欠ける会話のキャッチボール。途切れる接続。そして段々とモザイクみたいになっていくあの子のお顔! 何より焦り出す私!
これは何とかせなあかん! どげんかせんといかん!
と東国原元宮崎県知事の如く決意した私は、渾身の鉄板爆笑エピソードを披露しようと口を開いたその瞬間! この微妙な雰囲気を一変させるとんでもない爆弾が投下されたのです。
その爆弾を投下したのは向こうの女性。女性陣の中でも一等美しい彼女はこう口を開いたのです。
「私、瑛人のドルチェ&ガッパーナって曲大好きなんだよね♡」
!!!?????
何故このタイミングでその話???
というか、それがどうした???
そもそも瑛人の曲はドルガバじゃなくて香水だろ!!!
なんて我々男性陣がツッコむ隙さえ与えず、わざとなのかそれとも天然なのか分からない間違いを直すこともなく、ドルガバ女は狂ったオウムか壊れたレコーダーの如くドルガバドルガバと繰り返すのです。
ドン引きする我々。
友達であるはずの女性陣ですら黙り出す異常事態。
場は微妙な空気から一転地獄の一丁目と化し、オンライン合コンは誰も聞きたくないドルガバの話を延々と聞かされる会へと変貌してしまったのです。
この空気誰のせいかって?
香水のせいだよ!!怒
と、本日は枕も絶好調。もうこれで満足ではございますが、本日の表題。
これはですね、枕のドルガバ女も相当にイカれてましたが、もう1人訳の分かんないことを言った女性がおりまして。
それはオンライン合コン開始間もなくのこと、まだ場も温まってない中(結局温まらなかったけどさ!)、一人の女性がこう言い放ったのです。
「私すっごくドSでさぁ。男の人を虐めたり痛めつけるの好きなんだよね♡」
だからなんだよ!!!!!
ほんとこいつ何言ってんの? ですよ。まだ自己紹介が終わったばっかりのタイミングでですよ。俺がおめーを痛めつけてやろーか! ああん? ってなりましたよ。ちったぁ空気読めよって!
まぁこれだけなら良かったんですがね、今度はその発言を聞いた私の友人の一人が「マジで!? 俺めっちゃドMなんだよ! そーゆーのマジ好きだわ」って言うんですよ。
乗っかるんじゃねーよ!
というかそういう話題まだ早えーんだよ!
開始10分じゃねーか!
いや本当にね、昨日は酷い会でしたわ。
そもそも場の空気が全然温まらなかった原因は、この女の初手のドS発言のせいですわ。
アレのせいで後のドルガバ女の増長を招いたんだよ!
そもそもね、私言いたいのは、虐めたり痛めつけるのが好きって、それはドSじゃなくてただのサディストですから。ただの加虐快感クソ野郎(野郎じゃないけど)ですよ。本当のドSというのはそうじゃない。
SとMの関係っていうのはですね、確かに加虐と被虐の関係なんですよ。でもそれだけじゃないのです。
SMで大事なのは信頼関係。Mが何をされると喜んで気持ちよさを感じるか。それを把握して適切にM好みの刺激を加える。そうやって喜ばすことを自らの快感とすることが出来るのが本当のSなんですよ。
ただ一方的に殴ったり蹴ったりが楽しいって、それは違うのです。殴られ蹴られて喜ぶドMを見ているのが楽しいってのが正しいドS。
そこを履き違えてる自称ドSの多いこと多いこと。
本当のドSに必要なスキルは相手を思いやる気持ちなのです。
こうされるとこのMは喜ぶだろうなと想像力が働かなければ、そういうプレイは成立せず、ただの暴力に成り果ててしまうのです。
そういう意味では、あのタイミングで「私ドSなんですぅ♡」って言ったら場が盛り下がることくらい簡単な想像も出来なかったあの女がドSなハズがない! 私はここで断言しましょう!
さて、SMといえば現在連載中——
こんな記事で宣伝するかボケぇ!
流石の私にも良識くらいあります。
どうしてこんなことになったのか……。
香水のせいだよ!憤怒