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やらしい雑誌を買う勇気を私にください。

月刊プレイボーイって日本じゃもう発行してないんですね! 私知らなかったですよ。もう衝撃よ。

いやおかしいと思ったんです。いつも散髪をお願いしている美容室に行くとですね、私ったら芸能ゴシップが大好きですから、それを知ってるアシスタントさんが週刊誌を何冊か用意してくださるんですよ、ありがたいことに。

んで普段は週刊文春とかフライデーとかいう、まぁお世辞にも品がよろしいとは言えない雑誌を読みながら、美容師さんと世間話をしつつ髪を切って貰うという流れなんですが。(ところであいつ、なんで毎回俺をいとうせいこうみたいな髪型にしやがるんだ)

それでこの間、いつものように美容室でアシスタントの方が週刊誌を何冊か鏡の前に用意してくださったのですが、その日だけ雑誌の中に週刊プレイボーイという週刊誌が混じっておりまして。

ぷ、ぷぷぷプレイボーイっ!!??????

おいおい中嶋さん(アシスタントの方)。あんたこれ、プレイボーイっつたらエロ本じゃねーかと。私だいぶ驚きました。

だってですよ、私がプレイボーイって連想するものは純度80%のエロ雑誌ですよ。(残りの20%はお堅い政治評論とか)

白人のチャンネーがあられもない姿になっているカラー写真が見開き1ページ。それが大半の雑誌がプレイボーイですよ。

思い起こせば私とプレイボーイの出会いは子供の頃の記憶。友達の家に遊びに行ったらその友達が「親父が隠してるエロ本あってん。みんなでみよーぜ!」なんて持ってきて、中はもう衝撃的。

そもそも、そういうやらしい雑誌があること自体知らなかったうぶな私は、それはひどく動揺いたしまして。プレイボーイは言わば、思い出の雑誌でございます。

その思い出と同じタイトルの雑誌が目の前に! いや、流石にこれも人の面前で読んだらセクハラか、そうでなくとも「あいつはスケベや!」とレッテルを貼られること請け合いじゃないですか。

でもですよ。人間って不思議なもので、一度興味が湧いてしまうと、後はもう気になってしょうがなくなるのです。

アンジャッシュの渡部さんの不倫に対する謝罪会見を揶揄する文春の記事にゲラゲラ笑いつつ、しかしふと視線はプレイボーイと書かれた雑誌と、表紙で微笑む水着姿の綺麗なおねーさんの方に向いてしまう。

いよいよ抑えが効かなくなった私は、他に用意された雑誌全てを読み終わって飽きたフリをしながら、さりげなくプレイボーイを手に取ったのです。「もうこれしか読む物ないから、しょーがないから読んでやるか」みたいな感じで(笑)

しかし内心はドキドキとワクワクですよ。

久しぶりにプレイボーイと出会えた喜びと、しかしこんなところでエロ本を読んでいいものかという背徳感。だがもう手に取ってしまったのだ。ならばもう読むしかあるまいよ。そう自分に言い聞かせて、私は表紙を捲り、念願の思い出と対面でございます。

あれ? 水着やんけ! 脱いでないやんけ!

私の知ってるプレイボーイならば、巻頭グラビアはまさに桃源郷のはずだったのですよ。すげー美人がありのままを曝け出してる写真がそこにはあったはず! 

いや、確かにその巻頭グラビアも綺麗なお姉さんがセクシーなポーズをしているんですよ。

でも違うじゃん! 布着てるやんか!

そりゃあね、プレイボーイさんとは久しぶりの再会でしたから、この十何年かの間にテイストが変わったんじゃないかと。エロ本をコンビニに置くなとか、そういう運動もありましたから、プレイボーイさんサイドもいきなりエロは辞めたのかなと、そう思ったんですよ。

でもそもそも裸がないのよ(笑)

いや、あるにはあるの。袋閉じでね。でも違うじゃんか! 俺の知ってるプレイボーイはそうじゃないじゃんかと。こんな袋閉じってお前、週刊現代とか週刊実話と同じレベルじゃんか! 美容室で袋閉じ開けるわけにもいかないし! 袋閉じ開けたいからハサミ貸してって、馬鹿か俺は!

あんまりにも驚いたんで、私思わず聞いちゃったんですよ「これ俺の知ってるプレイボーイじゃないんだけど、どういうことなの?」って。

そしたらアシスタントの人が教えてくれました。

月刊プレイボーイと週刊プレイボーイは何にも関係がないと。エロ雑誌の方はだいぶ前に廃刊になりましたよって。あとハサミは貸しませんと。

紛らわしいんだよ週プレさんよぉ!

思い出の一つが終わってしまったことを知り、ショックを受けた出来事でございました。



さて、本日の表題でございますが、さっきからずっとやらしい雑誌の話してるから、取り分け別にすることもないんですがね。

何かって話ですが、私コンビニでやらしい雑誌買ったことないんですよ。

いや別にやらしい内容が欲しくて買いたい訳じゃないのよ! そんなんこのネット社会で溢れ返っていますから。

ただね、私週刊誌大好きなんで頻繁にコンビニの雑誌コーナーに足を運ぶのですが、ほらあるじゃないの、成人向けコーナーってのが。

いっつもあのコーナーが気になってしょうがない(笑)

いや私はとっくの昔に成人年齢迎えてますし、買ったところで何か問題がある訳じゃないんですよ。

でもなんか小恥ずかしいというか。どんな顔して店員さんの前に出して良いものかと思いまして。

いや、これだと俺買いたいみたいじゃん! 違うの! 買いたい訳じゃないの! いやこれも違う。買いたいけど、中身に興味ある訳じゃないのよ!

これ多分子供の時からの刷り込みで、そういうやらしい雑誌を買うのが、私にとっては一つの大人になるための儀式みたいなものだと思ってまして。

馬鹿な子供だった私はですね、当時は確かに中身のやらしい内容目当てにそういう雑誌を買おうと試みては、店員さんに「身分証を出しなさい。あれば売ってやる」と言われて「きょ、今日は忘れちゃって……」と見え見えの嘘を吐いて逃げ出した苦い思い出がありまして。身分証なんか学生証しかねーのに(笑)

だからですね、身分証の提示を求められずに涼しい顔してエロ本を買っていく大人に憧れてたんですよ。今思えばあいつらただのどスケベだけどさ、子供からすれば格好良くみえたのよ。

そうして今現在。歳を重ね顔も老け、おそらく身分証無しでも私はやらしい雑誌を買えるのでしょう。

でも思春期のあの頃と違い、もうあそこまで熱心にエロは求めてない。代わりに芽生えた羞恥心によってですよ、未だに私は大人になるための儀式を終えていないんです。

全然欲しくないのに、エロ本を買ったことがない故にまだ自分を大人だと思っていなくてですね。馬鹿な話ですが、やはりああいう雑誌を買うことに未だに憧れがあるのです。

ひっでぇ話だな(笑)



さてやらしい雑誌と言えば現在連載中——

そういやさ、エロがメインじゃないにしても一般向けコーナーに週刊現代とか週刊実話が置いてあるのおかしくない?

確かにそれがメインじゃないにしてもだよ、表紙に思いっきり「五十路熟女の濃厚◯◯◯!!」とか書いてあるじゃん。

だからあれ買う時死ぬほど恥ずかしいのよ。なんとかならないかね?

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