本日の記事は悪用厳禁でございます。
あと今日は超絶長い。
皆さんは占いって信じますか?
興味ないって方もですね、一度くらいは占いしてみたことくらいはあるんじゃないですかね。
朝のテレビ番組でもさ、頼んでもないのに急に「今日の運勢は〜」とかやり始めるじゃないですか。
見たくもねーのにニュースチェックしてると勝手に始まってさ。やっぱり始まると気になっちゃって見ると、そういう時に限って最下位になったりして。朝からテンションただ下がりですよ。
そのくせ運気アップのラッキーアイテムに入手困難な道具を提示してきたり。
ねーよ! 赤い日傘なんか持ってねーよチクショー! 買えってか? 今日のためだけに赤い日傘を?
それにですよ。放送局によって順位が違うのも結構腹立ちますよね。そりゃ担当してる占い師が違うから結果も変わるのでしょうが、一体全体どんな占い方をしてるのか。納得できないことばかりですよ。
私実は過去に原宿で占い師のアルバイトをしていたことがありまして。アルバイトって言ってもそれは立場だけで、お客さんから分からないくらいちゃんと「占い師」として仕事をしておりまして。
何をしていたかと言いますと、専業の占い師の先生と同じようにですね、お店の個室でお客さんを待ち構え、悩みを聞いてその悩みにアドバイスをする仕事。
そうなんです。占い師ってアドバイザー業なんですよ。
多分皆様の中には占いって、どこかスピリチュアルで霊能力みたいなのを使ってその人のことを当てているみたいなイメージをお持ちの方もいらっしゃると思うのです。
でもそんなことありません(笑)
いや、確かに中には凄い先生もいらっしゃいますが、そんなの占い師全体の1%以下ですよ。
占い師の大半は特殊な能力を持ってません。スピリチュアルだなんだのは雰囲気作りのための道具でしかなく、実際は統計学に基づいた理論を体系化したものを披露し実践してるに過ぎないのです。
だからと言って、占いがまるでインチキで全然当たらないというものでもないんですよ。というかむしろ、だいたい当たるようになっているのが占いでして。
あんまり細かく書くと方々からお叱りを受けそうなので表面を撫でる程度に留めておきますが、占いというのは心理学と統計学を組み合わせた技のことでして。
私が占い師をやってた頃は主に手相とタロットカードをやっておりました。この二つはまさに心理学と統計学が無くしては成り立たない占いでして。
手相は統計学。タロットは心理学を使う占いなのですが、タロットの方は表題で扱うので今は置いておいて、今は手相の統計学の話を。
手相ってあれ、実は凄い単純で(笑)
あれはこれまで積み重ねてきた占いの歴史の中で「この手相を持ってる人は、こういう人が多いよね〜」ってだけなんですよ。
いや、本当にそうなんですよ。手相占い師は、流派によって多少の違いはあれど、大概は手のシワの位置がどこにあったらどんな性格か、ただ勉強すれば良いだけでして。こんなに簡単なこともない。だからバイトでも出来ちゃうし、当たっちゃう。
他に統計学的な占いといえば占星術がそうですが、あれにしたって生年月日を元に「この数字の人は〜」ってだけなんですよ。
占星術は手相とは比べ物にならないほど流派が多く、それぞれやり方もかなり違うし、スピリチュアル成分も多分に入ってきますから、手相は何人かに見せても言ってることが割と一緒ってことが多いですが、占星術は皆さん結構違うこと言われたり。
これ何でかと言いますと、やり方が違えば積み重ねた統計データの数も違いますから。
でも業界的には一番個性を出しやすいのが占星術だったり。
やっぱり占い師も商売ですから、何より占いを当てて人気を集め、儲けることこそ何よりなんですよ。
そこで自分の使う技は他の人とは違うと宣伝すれば、同業者と差別化出来ますから。
ただ問題なのは独自化を目指して大したデータもないのに、ただ口からデマカセを言ってボロ儲けしてる連中ですよ。占い師ってのは後でも書きますけど、技術の他に話術も結構重要なファクターでして。
占いそのものはインチキでも、話術でお客さんを納得させてしまうという手口。
いやね、占いなんて客が納得して信じればそれでいいんですけど、なんか汚いよなぁと。占い師なんて半分くらいはそんな奴らばっかりなんですが、占い師というよりも詐欺師じゃねぇかと。
スピリチュアルとか霊感抜きで占星術やってる先生を見てごらんなさいと。話術だけじゃなく裏付けのデータまでしっかりしてる先生にかかればお客さんの悩みなんてイチコロですわよ。
ああいう手合いはお客さんの悩みのアドバイスではなく、自分の話を信じ込ませているって感じで好きじゃありませんね。
何? テレビの運勢占いの話? 忘れたよ。どーせ適当でしょ(殴
そして、表題でございます。
手相ってのは大概当たるんですよ。まぁ外れることもありますがね、そりゃ一人一人違うもの。
でも外すと商売的にはよろしくないので、なんとか誤魔化してお客さんを納得させるのです。
結局最後は話術なんですよ!
もう酷いね。ダブルスタンダード極まれりって感じ。散々口先だけの占い師を批判しつつ、結局これなんですよ。だから占い師辞めたんだけど。
でもしょうがない。話術のない占い師はそもそも当たりませんよ。
これ何故かというと、基本的にはお客さんと初対面の中で、その人がどんな性格だと何が好きかを当てなきゃいけない。でもそんなの、一部の霊能者を除いては不可能なんですよ。
じゃあどうするかと言えば、お客さん自身に喋らせるのです。
いやいや、何を。それを当てるのが占いだろと思う方もいるとは思うのです。ごもっとも。でも分かんないんだもん(笑)
その人の情報を得るには本人に自分のことを話してもらうのが一番なのですが、お客さんにペラペラ喋らせては占いを信じて貰えなくなります。「え、それさっき私が話したことじゃん」となったらお客さんも興醒めじゃないですか。
だからですね、相手に悟らせないように情報を引き出す技がございまして。
それがコールドリーディングと言います。
これがどんな技かと説明しますと、事前情報無し、つまり何も知らない初対面の人のことをあたかも知っているかのように振る舞い、相手を油断させるテクニックでして。
例えば私が「あなたは苦労されたことがあったのではありませんか?」と強い口調で曖昧なことを聞きます。
相手に思い当たる節があれば「ええ、実はこういうことがありまして〜」となると思います。
この質問がそもそもズルくてですね、例外はあれど大概の人は大なり小なり苦労した経験があると思うのです。
この誰にも当てはまりそうな質問を、あたかも断定するように強く言われますと、人って不思議なもので自分にだけ言われたかのように錯覚してしまうのです。これをバーナム効果と言いまして。
実際にはもう少し分かりにくくやるのですが、こんな感じで、誰にでも当てはまることなのに、自分のことを言い当てられたと勘違いした相手は、もうすっかり自分のことを見抜いていると思い込み質問された以上のことを喋り出すのです。
特に私も使っていたタロットカードというものは、一枚一枚に意味があるのは皆様ご存知のところですが、その意味ですら誰にでも当てはまるバーナム効果が用いられております。
「このカードにはこう出ていますが、あなたはどうですか?」なんて聞かれたら答えたくなりますよね(笑) タロットカードは最強の小道具なのです。
こうやって少しずつ情報を引き出し、その量が増えれば増えるほど、こちらは相手の悩み、性格、趣味、仕事、好きなこと、嫌いなこと、更にはプライベートな家族構成や友人関係、恋人のことまで知ることが出来るのです。
そうしてお客さんの細かい情報を把握してしまえば、あとは占い師の独壇場です。
悩みに対し、お客さんが望んでいる答えを、本人が好む言い方で優しく口にすれば、あっという間に「わ、この人凄い! 私のこと何でも当ててくる!」と信頼を勝ち取ることが出来ます。
信頼を得ればその人がまたリピーターになってくれるかもしれません。何度も何度も同じ人が通えば、それだけその人の情報も増えますから、的中率が更に上がっていくという寸法。
怖いですよね(笑)
商売的には間違いないのですが、人としてどうなんだろうと思ったり。
だからですよ、先に書いた占星術がデタラメでも大人気の占い師というのは、この技も含めて色々な話術を駆使する人のことなんですよ。占いしなくても相手のこと当てられんだもん。ズルいよねー。
このテクニックって実は占いだけじゃなくてビジネスとか恋愛にも応用出来るのですが、絶対に書きません! 悪用しようと思えばマジで悪用出来るので、細かいやり方は割愛しました。
でも逆にですね、今日ここまで記事を読んだ皆様は、コールドリーディングの手口を知った訳ですから、今自分がコールドリーディングされてるなぁと気付けるようになったと思うのです。
世の中にはあの手この手で自分を信じ込ませて悪い事を企む輩が沢山おりますから、どうか騙されないように気をつけてくださいませ。
あ、でも占いは楽しくなくなったよね(笑)
さて占いといえば現在連載中——
俺が占い師のバイト始めた理由って書かなかったけど、手相を勉強したくってさ。
だって手相って人気じゃん。合コンでモテるかなーって(笑)
当然そう上手くはいきませんよ、実際。