十八を目前に、約二ケ月を病床で過ごした。
やがて、ICUから大部屋へ。
でも、逆の道をたどる方もいて、大抵、二度と会うことはなかった。
そんな昔話。
こんばんは(こんにちは)。舞香峰るねです。
十代の頃に夢想し書きつけた世界。それを再編成する作業、三つ目の章が終わりました。
でも、無欠に見えた幼き日の無邪気な世界観は、不具合に満ちていて修正の繰り返し。
ティーンの頃のお気楽な世界観は、その後のわずかばかりの歳月の経験が壊してしまいます。瑞々しさと青さを残したいと思いつつ、捨てるべきところは捨てなければなりません。
結果、描き出したものは、プレーローマ(完全なる世界)の不完全な投影。この世界の造物主(デミウルゴス)であるわたしは、そんなものしか描き得ない。
不完全だからこそ、いつも終着点に苦慮します。
いくつかの終末を想定し直し、そのひとつを選びます。
選ばなかった結末の先に、どのような今後があるのかを考えることもまた魅力的ですが、それはもう捨て去った世界。
一抹の後悔を抱えつつ、先に進むしかありません。
こうして過去の自分との対話を重ねるなかで、舞台設定も、十五世紀的な世界観から十二世紀に移しました。
さらに、十二世紀中葉か世紀転換期かと考え、後者を選んで現在に至ります。
無論、現実の各世紀そのまま反映ではない「お伽噺」なので、悩む必要はないのかもしれませんが……わたし、設定作るの大好きだったのかも。
作中に「香水」という単語を出しましたが、香水作成における蒸留法の伝来とか、必要のない設定まで考えたりしてしまいます。
今章ノオトとして、『鉄道員』(あらすじしか知らないのですが、古いイタリア映画“Il Ferroviere”の方)のテーマを聴いたり弾いたりしながら書きました。
弦楽器好きなので、作中、やたらと弦楽器が出ます。
描き進めるたびに、世界の可能性は小さくなり、デミウルゴスはその無力さを思い知る。
でも無力だからこそ、この営為を続けていきたいと思うのかもしれません。13/02/2022