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るねさん's ノォト(24) こころみる

 前回のログインから四ヶ月余。
 その間にも、「応援」を下さった方々もおられたようですが、気づくことすらできず申し訳ありませんでした。そしてありがとうございます。

 ここに足が向かなかったのは、仕事の忙しさに加え、この「第七章」に向き合う気持ち・覚悟がなかったからでした。
 覚悟なんて言葉を使うほどの書き物で無いことは承知の上で、わたしにとってこの七章は今までにないテーマで描かねばならない章でした。

 古今、文学の主要なテーマの一つに「不貞」があります。
 神話は言うに及ばず、中世のランスロやトリスタン、狐物語などなど。近代以降はボヴァリー夫人やアンナ・カレーニナ……枚挙にいとまがありません。ただ、文学など虚構として読むのはともかく、ゴシップ記事が伝えるような話には自然な嫌悪感を抱きます。
 では、想像力を駆使し、描き手としてそれを扱うとしたら?
 この一連の物語群の中で、この主題を扱うことは構想に入っていました。でも、わたしの倫理観はそれを描くことを嫌がります。そうしている間に時は流れました。
 年が改まったことを機にようやく手をつけたわけですが、わたしにとっては小さくはない試みでした。この主題は、しばらくは描かないと思う。

 話としては「第一章」の後日譚。そして時空を超えて「第Ⅱ章」へとつながり、「前作第一章」に少しだけ絡みます。「第一章」はちょうど一年前に書いているので、ヒロインは一年ぶりの登場。一年前、自分がどのように彼女を描いたのかは忘れていましたが、敢えて読み返さず、意識的に「思い出を美化するよう」に描きました。第一章と齟齬が生じていたとしても意図した結果です。
 わたしたちの記憶や認識なんて、相当に曖昧。
 読み返さずに正確さを期さない方が、作中時間にして七年の時の経過を表現できるかな、なんて考えて試みたわけですが……単なるものぐさですよね。
 
 いつの間にかカクヨムコンも始まっていますね(もう終盤だけど)。
 賞に興味はありませんが、せっかくなので「何も買う予定はないけど、一応ポイント10倍にエントリーしとこうかな」みたいなノリで参加を試みることにしました。
 ついでですから「自転車」のほうからも一つ二つ、短編に出してみようかと思います。章単位での応募はできなさそうなので、エピソードの独立を試みてみます。

 書きながら聴き、奏でた今章ノオトは16世紀には知られていたイングランドの俗謡“Green Sleeves”でした。色々な解釈のある詩歌ですから、登場人物の心見えを激しくするつもりだった本章のために、ずっと温存していました。

 末筆ながら。
 この新しい年は、悲しい出来事で幕を開けてしまいました。
 一日も早く、全ての方の心が落ち着くようになってほしい、そう願わずにはいられません。16/01/2024

https://kakuyomu.jp/works/16817330648700768283/episodes/16817330669255089383

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