こんにちはこんばんは、小谷です。
お久しぶりです。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
四月はもうバタバタな時期ですからね…なかなかこちらに向かうことが出来ませんでした。
さて、タイトルの通り、拙作「霊媒堂 猫の手」が本日(平成30年4月19日)に完結いたしました。
別サイトから三年前に書き始めた本作は、今から七、八年前には既に存在していました。あの頃は、設定を作っただけで長らく放置していたんですが、三年前にふと書いてみたところ楽しく書けて、またホラーに挑戦しようと思い立ったこともあり、長々と設定を練っておりました。
カクヨムでは一年も経っていないんですが、こうした時を経てようやく完結といいますか…長かったなぁとしみじみ感じております。書こう書こうと思っていたら仁科と同じ歳になってしまいました。
中身を読めばもう大体分かるはずですが、最終章の鯰川についてはほとんど解説なしで突っ走ってしまいましたので、ここらで裏話でも語りたいと思います。
何度か近況ノートでお知らせしてましたが、執筆のペースが落ちてしまったそもそもの原因、それがつい最近解明されました。
「最初に立てたプロットと違う!!!」
秋の章からその兆しはありました…実は、秋の章を書く前から既に鯰川までの各話内容をメモしていたんです。でも、思うとおりにはいきませんね…秋の章ラストから大幅に話が変わってしまったのでそれに添って色々と変更しなくちゃいけなくなりました。こういうことはよくあります。
そんな予定通りにいかない本作は、また更に冬の章ラストが大幅に変わってしまいました。
仁科が岩蕗の家に行くまでは良かったんですが「春までに戻ります」などと言いましたからね…
本当はすぐに帰ってきて早春の章スタートだったんです。戻って来ないの!!?と焦りました。
仁科が戻ってこないと鯰川が書けない。鯰川本編では真文が失踪していますが、実は仁科が失踪するという内容だったんです…この間、全部をまとめた(あまり使わない)ファイルを見てびっくりしました。そっちかい、と。
鯰川の冒頭、仁科さん船に乗ってますからね…嘘やろ、お前…頭を抱える私。書いてる本人のくせに話が思い通りに進んでくれないのです。よくあります。
ラストは大まかなプロット通りに軌道修正するつもりだったので、とにかくラストまでの五話、どうにかしなくてはいけない。不安なままで進む鯰川の弐。しかし、参をギリギリまで悩んだ挙句、光明が。
「なんちゃって叙述トリックでいこう」
叙述トリック――読者にミスリードさせるやつ(ざっくりの認識)、それを思いついたのが三話目というまさかの荒業でした。
私的には鯰川二話の鳴海がかなり変だと思っていたので、これを使えないかなと思った次第です…すみません。
鯰川の弐から鳴海と真文の視点がずれていた、という結果に落ち着きました。落ち着いたのか分かりませんが…強引だったなと反省しております。かつてないほどに奇妙で読みづらいものでした。
仁科仁という人物はとにかく面倒くさい人でした。イライラしてる時には顔も見たくないような人でした。でも、なんだかんだ言いながらも彼を書くことが出来て良かったと思います。終わりよければ全て良し。仁科が人らしくあろうとする姿を本作後半から書くことが出来て楽しかった…いや、辛かったです。大変でした。彼の視点というものを秋の章まで省いてきたんですが、それ以降には彼の思考も含ませないといけなくて、とにかく大変でした。ただ、最終話でようやく彼のことが掴めた気がします。遅いなぁ…(笑)
仁科のシーンで一番好きなとこは、うーん…なんだろう…「あまり馬鹿にしてくれるなよ、化物風情が」のセリフかなぁ…秋の章、玖・両極のシーンです。荒っぽく言うんですよね。今までの胡散臭さがなくなった感じでしょうか。
榛原鳴海、権堂登志世という人物は、私を助けてくれる人でした。だから、私が執筆に困った時によく彼が登場してます。口は悪いけど情に厚い人です。こういうお姉さん欲しい。ん?お姉さん…?
彼もまた色んな葛藤があり、苦悩があり、未だに解消できてないです。ただ、もう変な体質ではなくなったので先の未来は明るいはずです。
鳴海のシーンで一番好きなのは蠱独のあれです。「そんな勝手に決められた枠に収まって、あんたはそれで満足だって言うのかい」のセリフ。ほとんど自分に向けた言葉です。蠱独の漆・常闇に這うの最後らへんです。いや、他にもいっぱいあるんですよ、鳴海に関しては。ただキリがないので割愛します。
森真文という人物は、臆病で繊細、一番成長しがいのある子でした。ヒロイン、という役割でつくられた子なので、もう最初から酷い目に遭ってますね…その前からも色んな過去を背負っていました。背負うものが大きすぎてちょっとやりすぎてしまったと思います。なので、本当は呪いを解くつもりはなかったんですが、櫻から解放することにしました。これからもっと強くなります。
真文のシーンで一番好きなのは、自分でつくったおにぎりを頬張るシーン。それまでめっきり家事などしたことがないお嬢さんが自分でつくって食べるのがいいなぁって。蠱独の伍・真文、帳簿台に立つという回です。
そんな三人が活躍する猫の手は、この初代編で終わりです。他にもまだ書いていない話があるんですが、真文がいなかったり、仁科がいなかったりとどうしても誰かが欠けてしまうので三人の物語は本当に終わりです。
ただ、迷っているのが続編です。そう、続編があるんですよ、実は。まだ書いてませんが。
初代と書いてあるからもうお気づきかもしれませんが、猫の手は平成の世まで続きます…
だって、まだ影狼と決着ついてないですし。決着つけたいですね。いつ書こうか迷ってます…しかし、民俗学小説のコンテストが発表されてますね…なんだかすぐにまた書きそうな気配です。
もし、また猫の手が復活した際は今までと変わらず、何卒よろしくお願いします。
長々と語ってしまい、すみません。ただ、本作は色んな方に支えられて完結を迎えることが出来ました。
三年前に書いてて、もし「読んでます」というお声をいただかなかったら、もし応援してもらえていなかったら、カクヨムで書くことはありませんでした。しかも、三年前に山彦まで書いて放置してたりしましたし…その節は本当にご迷惑をおかけしました。本当にありがとうございました。
また、最近もご新規の読者様がいらっしゃったりと、とても励みになっています。
重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。
本作はいつか本にしたい、とそんな野望を抱いてます。その野望を果たそうかと考えることもありまして、大阪文学フリマに間に合えば本作を販売したいなぁと密かに計画を進めています。印刷屋の全力を注ぎます^^;
ご興味ありましたらお知らせください。
ついでみたいになってしまうのは大変申し訳ないんですが、うさぎの骸も更新が一旦終わりました。次の第三章をきちんと練って作り上げていきたいと思います。
うさぎの骸も色んなキャラとか謎が出てきて自分の中では盛り上がってるんですけどね…どうなんでしょうか^^;
本作で二番目くらいに好きなキャラクターがレガだったのですが、彼の登場をきちんと書こうとしてたら執筆ペースがダウンしました。もっと魅力的に書けたらいいなぁと思います。
第三章でうさぎの骸は第一部が完結となる予定です。そうです。本作は三部作です。長いです…終わらないです…頑張って書いていきますので引き続きお待ち下さい。
それでは、今回はここまで。長々とすみません。
今後とも「猫の手」をよろしくお願いします。
また、評価や応援など本当にありがとうございます!励みになってます。
他の作品もゆっくりお読みいただけると幸いです。
《更新予定日》
◆うさぎの骸(異世界ファンタジー)…更新未定。次回は第三章
◆行き場をなくした物語(短編集)…不定期更新
◆社長、それ本当に校了ですか?(エッセイ)…不定期更新
◆新作ホラー長編製作中…Coming Soon