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おさじ関係

石匙
 霊芝は猫杓子と呼ばれ、秋津洲で拝まれてたといふ。

小泉八雲のなんかで、団子造りと食ふのが好きなばあさまが地下の鬼の国から「いくらでも飯が出る杓子」を盗んだ話が確か。

 ウェールズ人蔑視がどうたら。アニメ『天空の城ラピュタ』の重要な舞台スラッグ渓谷は、ウェールズであるらしい。原作者で監督の宮崎駿御大は、「労働者が団結して労働組合を作る」ウェールズに肯定的には捉へてゐる。ジャパニーズの見るウェルシュ像は『ネギま!』にせよ『masterKeaton』にせよ別に邪悪な一族とかの方向へは行かない。てふか、イングランド人のウェルシュ蔑視が異様なので輸入が難しい。飯のタネにならない。ウェールズの習俗で、男性が匙を作って女性へ渡すと言ふのがあるけどもラヴスプーンを作る一族はねー、スピリチュアルなものを司る一族であった説のある皮革職人系の「アレ」はサジとも言ふけども、さういふ人蔑視の言訳で、亜人つうか別の妖怪じみた関係がない。「下の口が横に開いてる」くらゐ。

 南方熊楠の柳田国男宛書簡で、「信濃巫女」と呼ばれる歩き巫女系の巫女はんが何回か言及されてゐる。彼女らは白い湯具(湯文字 ゆかたびら 帯の方ぢゃない筈)を著てたので「白湯文字」とも呼ばれたさうである。信濃巫女の装束で「太ももが見える」袴は江戸時代の文献で言及あった筈。えー、南方先生は信濃巫女が招魂儀礼の際に使ふ「猴あるいは犬、猫」の頭蓋骨とされるものは、ホモサピエンスのものである可能性を示唆しつつ、猫鬼魔道が秋津洲にあるとか、インド魔道で猫スカルへ「弭哩吒那」と名前がつく点を挙げはする。

 木地師 怪しい人として使へるのはまぁいいとして。『日本怪異妖怪事典 中部編』によれば、椀貸し淵フォーマットの話で、「青鬼」が膳椀を貸してくれるが傳承があるといふ。

刀圭(たうけい) 医療用のスプーン。「土属性を表すもの」らしい。グリムの『ガタガタの竹馬小僧』ではそのルンペルなんちゃらいふコボルトは草稿の段階では匙に乗って去る。決定稿ではアレするがこれはちんちんがなえるアレと言ふのがアト・ド・ヴリース説。でゲーテ『ファウスト』では、土の元素精霊はインクーブスとコ-ボルト。

『Tatterrhood』『king lindworm』に共通するアレ。
 昔々、ある王国で子ができないお妃様が、魔道乞食の助言により、部屋へ風呂を沸かし、身を清めた後の水から生える植物(花とか玉ねぎ)を食べるといふ儀礼を行ふが、その際用法容量を守らず食べてしまふとヘンなガキが生まれ、ちゃんと食ふとまともなのが生まれる。その後、女性が魔物を退治したりいろいろあって、ガキのユニークな部分がなくなる。
『リンドオームの王』といふデンマークの話にでてくるウォーム長虫系の男性は、ジェンダーぶれない。蛇を突っつくと性別がGDGDになるシチュは、『鬼滅』で蛇柱の人が「女難の相」を持ってかつああいふハッピーエンドを邀へるとかまた伊弉諾尊といふ神が水中で子造りをする際に性別が固定されるとかは外国でもあった。

 サンタマルタ 英語でいふとマーサ。妹にマリアさんがゐる。聖水撒き器、リボン、十字架を使ったドラゴンスレイヤーで、それとは別にレードルを持つ。

1良い娘2死んだ母3魔女的人物4父親5求婚者 (鈴木晶『グリム童話』講談社現代新書)による ここでも「雪白姫は七歳」と言ふのが指摘されてゐる。

1敵対者2贈与者3助力者4王女とその父5派遣者6主人公7偽主人公 ウラジーミル・プロップによる

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