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さるかにでぽん

 猿蟹合戦フォーマット。お約束で宗家は無し。
復讐はカタいんだよな。 百秒間旅を、する某いらすとやのTVでアレ版の猿蟹者があった。ふう。

 インドの奴。ジャッカルさんが雌鶏さんを招いてお酒飲ませたがあまりおいしくない、鶏さんの方がジャッカルさんを招くとおいしいお酒が出る、ジャッカルさん、酔っぱらった雌鶏さんを食べる。御代りにされるのを悟った雛鳥、卵を炉へ、杵を戸辺、臼を屋根へおいて、自身は鉞持ってスタンバイすると、来たイヌ科が炉の灰をかき回すと卵が爆発し、目をやられて戸に来たところを杵がボコり、ずりずりするソレを臼が抑へ、チキンの鉞が襲って親の仇を打てました。めでたしめでたし。南方熊楠説で、これは多分猿蟹の原典だけども仏典がソースではない。

 コルベスさま。グリム童話。コルベスさまは、グリム兄弟のゐた頃すでに「悪者」の名前として使はれ、具体的にどう言ふひとなのかわからなかったらしい。こっちはいじめ描写がなく、いきなり、雄鶏と雌鶏とぬこと留め針と縫針と臼と卵と鴨が何となくパーティを組み、コルベス様をぼっこぼこにする。カール・ハインツ=マレ『首をはねろ!』によれば、雌鶏が変なところにスタンバイする点から彼女の旦那がコルベス様であらうと。小沢俊夫説で、コルベス様をやっつける皆さんと猿蟹のソレが似る。
 諸星大二郎『グリムのような物語』所収のソレのぬこ様がセクシーで良き。普通、イラク侵攻時のアメリカへの揶揄は成立するんだ。ロシヤのウクライナ侵攻は、えーと。多国籍軍とかできてないけども、グリムの話に普遍性があるのもなんかやだなぁ。

 江口夏実『鬼灯の冷徹』のおさる体系。えーと、無視。彼は鳥と共に白いわんこと同志だけど無視。

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