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生殖器メモ

雌の中に精子袋のある場合のメリット

a 雌が野郎DNAを選ぶ。あるフンバエの一種は、「イケてる野郎用」一対と、その他用のを持ち(M・スヒルトハウゼン『ダーウィンの覗き穴』127頁)、その雄のやつを、意識のある状態で意図的に分別する(『ダーウィンの~』127頁)。あと蜘蛛のS・ロリカトゥラは精子嚢(『ダーウィンの~』92頁)に梱包して貯め、卵へ受精するやつを選ぶらしいので雌はイケ雄に会ふと、前のを「ほかす」(M・スヒルトハウゼン著、日髙トモキチ画『ダーウィンの覗き穴』56頁)。

b 遺伝子プールへ多様性を持たせる。複数の雄とやった後の精子はある時期になると一度に受精するといふ生理を持つ種類の生物は、出産時、父違ひのNつ子をひり出せる。

b1 精子嚢持ち生物の、地元でやりまくった個体が精子の貯蔵期間内に、どこぞへ漂着したばあひ、その生き物さんのダイヴァ―シティは確保される。虫関係ならいいのだが、コウモリさんがさう言ふのをやる可能性があるっちゃあるらしい。

c冬眠動物が、起きてる間に交尾妊娠出産授乳離乳をうりゃっとやらんといかん為、壱サイクルから辛うじて出せる交尾をコントロールする為

 Gynosomeの謎。トリカヘチャタテの雌の陰茎みたいな器官。一般名詞かは不明。雌ちんぽが生える可能性として、「雄が交尾の際に栄養分のあるものを提供」と言ふのと、「食べ物があまりない処」に棲息と言ふのがあるので、富栄養な所にお住ひのドメスティックGさんは、交尾の時に雌は恍惚と栄養分の出る突起を舐めてるけど生えない。

 クラスパー 把握器。鮫の生殖器。これは、鰭が変化した精子入れ器官である他、その奥に謎の袋(精巣は体内)があり、そこへ海水をものすっごく入れて、やる際の雌のアレへブシュ―ってやって、前の雄が出した精子を洗ひ出す習性がある。他、鮫の交尾は未だに謎しかないらしい。

 挿入器官は硬骨魚から両生類に至るまで、体外受精なので出てこない。軟骨魚の前 四億年前(シルル紀と呼ばれる)のコリンボサトン(ミジンコ)から虫に至る、生き物が選択した挿入器官の他に脊椎動物は軟骨魚で出てから爬虫になるまででない。しかも鳴き鳥と言はれる括りでの鳥には大体陰茎様の物がない。カモ以外に駝鳥とかがゐる。精子を通す作用がある尻尾を持つオガエルに関してどうしようと思ってぴゃっと調べたら陸棲の両生類でアシナシイモリってふアレなフォルムの生き物が、総排出口からPhallodeumてふちんちん様の物を出して交接するって書いてあって、なんか暗澹たる気持ちになったよ。

 ニセツノヒラムシ(体の結構な箇所から勃起できる)やウミウシ(挿入器官やちんちんをもつのが何種類かゐる)、フジツボなど、海棲生物なのにちんこを持つ生物がゐる。これはa体内受精b精包を與へあふ、などの事情による。フジツボは固着性で、自分が生えてゐる「じべた」そのものが、それになる生物で人間の可能性は極めて低いらしい、鯨とかに張り付いてると動くので、卵と精子をどびゃーっとやるよりはちんちんで相手へ突っ込んだ方がよいといふ方向へ行ったと考へられる。

 カダヤシ(漢字で書くと蚊絶やし)といふグッピーの一種は、卵へ精子をぶっかける硬骨魚の中にありながら、性器としては先っちょだけ入れ、繁殖期に見せびらかすらしいゴノポディウムといふ交接器を持つ(『ダーウィンの~』152頁)。ただ、でかすぎると困るので、捕食者のゐるところでは「巨根の限界」が他より小さい。

単孔類 総排出口の辺にちんこ様の物があってどうたららしい。カモノハシのちんこを調べようとすると、ハリモグラの複根がHitしまくって困る。

 コアラなどはY字型のちんこを持ち、谷の所から尿を、先っぽから精子を出す。

線虫の「交接刺」は英語で言ふとspicule。

 頭足類、烏賊なんかはちんこが挿入器として使へ無い上に注射器のやうな精包を腕で卵室っぽい処へ入れるといふ謎な交尾をする。アオイガイと言ふものに至っては、ジョルジュ・キュヴィエによって寄生虫と言はれ「ヘクトコティルス・オクトポディス」と命名された交接腕が精子を湛へて分断され、雌の中へぐねぐね入り込んで受精する(『ダーウィンの~』38頁)アオイガイの娘さんへ複数の腕が絡まるといふ、触手プレイな個体が観測されてゐる。しかもアオイガイは矮雄。

精包がある種の自律性を持ち、入った先の精子貯蔵庫へ根性で行き、前のやつを除ける機能があるヒゲブトハネカクシは、交尾の際、雄がケツを上げて雌へ近づき 突っ込むのだが、中の鞭毛(体長6mmのA・トリスティスは16mmのが収まってゐる)を残し本体は引き抜く。そこから精包が入る。精包を突っ込んだ雄は、鞭毛を肩にかけてきゅってやる。さうすると鞭毛はちんこのコイル状のそこへ収納される。うぁ。

 でかちん。コバンオタテガモのは41,5cm フジツボ、クリプトフィアヌス・ミヌトゥスは体長の8倍。マダラコウラナメクジ、交尾の際は粘液でにゅるにゅる系もゐるが無視して、ちんちん系(は兜併せして精子を交換する)は体長が最大で20cmくらゐでちんぽが75cm コルシカには90cmクラスもゐる。体長との比率― 哺乳類ではテンレックが結構でかい。

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