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ホビット庄補完

 『ホビット』で大先生は、1930年代の段階ではトマト出してゐたけども没にした。ただ、ホビットがマッチを使ふのは採用してゐる。ドワーフは火打石で点火する。Arumと言ふのがインドヨーロッパ語で塊茎類を指す語として存在し、インド語の幾つかで「アルム」系がざっくりイモを指す語として使はれてるのだが、大先生はPotato系の芋を指す英俗語「Taters」で芋を表し、ううっ。
 「山本史郎氏はホビット関係が後の、剣と魔法物のお話へ影響を與へた件について一切の言及がない」問題は無視していいんださうなんだ。ううっ。しかもかの大炎上版は大人向けなのだが、それより濃くなった改訂版はよい子向け。その宮崎駿評の「この本は消費されつくした」も無視していいんだ、えー。

 『指輪』では、そんなわけで実はハーフオークの「南方から来た人」が、Sharkû(シャルクは暗黒語で老人の意)即ちサルマンの命により一応指輪の探索をしてゐたが、彼らの内の一人がBree村でサルマンの好物である煙草の搾取に勤しんでゐる。
 この皆さんは、ナズグルに脅されサウロンの二重スパイになる。
 作中では、サウロン無きあと、ぢぢいの人サルマンがShireへ直接現れ、何がしか結界があり何となく楽園みすら漂ってゐた筈のホビット庄そのものがgdgdになってゆく中、フロド御一行が来てどうの。荒俣宏先生はここで盛り上げる(『別世界通信』「ブックオフで一発目を発見した後に改訂版発行(´・ω・`)」だった筈)。

 小松左京『お糸』タイムパトロールの人が改変された時空の土人の娘さんとデキてもいいらしい程度にその辺はぴゃっと。そして結局「どうしてTVはあるは電話はあるはロボ籠が走ってて飛行機械が飛びまくってて、かつお江戸にメダカだかタガメが居るのか問題」がその首謀者の手によって
「実はエネルギーは発表当時まだ無視されていたモノポール反応炉で作られ、他はナノマシンで」
 とかはアレ。犬のくもふる、Gや蠅、蚊がどうなったのかは不明。「コンビニのコーナーが分割されて動き回ってる」と言ふのが江戸時代の小売りの表現であるが、ソレがさう言ふものとして衒ひなく出てくる。

 HGウェルズ『タイムマシン』あーえーうー エロイとモ―ロックの対立はなんかあれだ。こっちは「新時代秩序」の人だけども、なんか 『Annotated Hobbit』によると『ホビット』のトロルは下層民の言葉を使ってるとかださうだし。

 『すばらしき新世界』ドラマ版うーん。原作者先生のミソジニーが強すぎるんだかアレだかで、ちゃんと性差別があるんだか、αは確実に女性ゐないとして、β階級に女がゐるんだか何だか不明らしい。

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