• エッセイ・ノンフィクション
  • 創作論・評論

家畜案

家畜案
莧陸(けんりく) ヤマゴボウかなんか。ヒユとゴボウみたいなの。
 某説で、「山羊の道」とするものがある。
 ヒユを用ひて、相手の体内に寄生虫(亀状)を涌かせる呪術があった。

 ウシ科の生物に、上顎の前歯を付けると馬鹿にされる。トトロだのシュナの旅だのもののけ姫だのでさうなってゐると言っても。あの説得力でなんとかするとか他で言訳つけるとかしとかないとリアリティが殺がれる。

 牛鬼。浜とか泉だか川に生息する妖怪は若干無視。熊野の物は、偶蹄類系で、人に会ふとガン見する。見た人は死ぬまでしてしまふ。
 南方熊楠「小児と魔除」の邪視除け関係に関する記述(平凡社版全集第二巻p103~)によれば、矢羽頭状の喰ひ跡などがあることから、カモシカをさう言ったのでは、と言ふ説が南方先生の方で挙げられてゐる(『帝都物語』で南×熊〇の本でこの記述があってとかの邪視関係の資料が開陳されるシーンがある)。

 カモシカは、カーペットのファーに使はれるので別名が蓐の音読「ニク」とか、肉も食へるとか、カモシカあるいはカモシシ(シシは獅子でなくて食用肉の意。何故か無視される)のカモもファーの呼称。
 家畜化の需要はあるのだが、ブラウザー(木から生えてる葉っぱを摘まんで食べる動物)なので却下されて現在に至る。

 カモシカ(アヲシシ)は、ケラ(蓑の意 転じて狩猟の際の獲物の意と言ふのが柳田國男大先生説)から「アヲケラ」北秋田の阿仁のマタギ言葉で「ケラナ」と言ふさうで。「コシマケ」が熊かカモシカか不明なので無視。

 乗用動物としてはどうか。謎。ただ、南方熊楠説でカモシカは昔「鳥の関係」だったとするものがある。
イナガキ・タルホ以来の「ヒコーキ乗りと乗馬はだいたいあってる」関係に、アシタカ~シュナがナウシカとかドーラ一家とあうあう。

カモシシ あるいはニク 多分字面から「アナグマ」もさしたらしい上に、カモ(蓆みたいなの)とかニク(褥の方だけど食肉でもあった筈)とかはアナグマファーでも取ったらしい。へー。(南方熊楠『猪に関する民俗と伝説』)

 ニク アンテロープ系なのだが、日本の文献の中で、ニホンカモシカを描写するのに、支那の奴をコピペクラスで参照してゐるので、謎の生物化してゐる資料があるらしい。
 a角がでかい
bので枝にそれをひっかけて寝る
c赤い色が好きでよくガン見する
d人間が赤系の着て踊ってるといっしょになって踊る
e群れてる
fファーがなんかに使へる。
g木登りが好き
hニクファーの敷物はなんか(データソースの人が忘れてゐるの)の病を癒す
i『本朝食鑑』によれば、「ニクの肉は神社祠に出してもおk(水禽に比べて穢気なき)」
とか。(南方熊楠『ニクと称する動物』紙上問答 南方熊楠全集3巻 p230)

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する