南方熊楠によれば、キリスト教では十二世紀まで、イスラム関係ではまうちょっと後まで、アダムとイヴはエデンにあった時、全身を爪様の物で覆はれてゐたが、楽園を守るATフィールドを突破できない悪魔をいろいろあって口中へ入れた蛇にそそのかされ、引っぺがされたと言ふ。アブラハムの宗教に於ける原初の蛇は二本足らしい上にイスラム圏では「ラクダのやうな」美しい脚をしてゐたと言ふ。スペイン語の表記でヘブライ語の「Nahash」を正確に書くと「Najash」になるので―、あー(パタゴニアといふスペイン語圏で後ろ足を持つ蛇の化石が発見され、創世記に出る蛇っぽいのでさう言ふ経緯で発表されたのでその辺の昔の生き物の本では「ナジャシュ」と書かれる)
未訳(たしか)のSF「CAGE A MAN」謎の宇宙人DEMUが、暗黒の大宇宙を飛び回りながら、未だ劣等な状態にある人類を、キチン質の外骨格で被はれ、ふたなり構造といふ「正しい」人間に改造する。
大傑作SF「幼年期の終わり」オーヴァーロードの人が全身を鎧のやうなもので覆ってゐる。啓蒙を司るのが悪魔である点を踏へる。
悪魔 笑はかしである。虐殺を司る。押井守演出の「飛ぶもので客をビビらす」は参照でいい筈。裸である。誘惑を司る。カインの末裔トバルカインの妹かなんかであるナアマは中世、悪魔学が発達した際諸悪魔のママンに昇格した。ヘブライ語で「も」MとWはグダグダらしいので、可愛いとかを表す語で「ナアマ、ナオミ」と「ナアウェ」がある。ファ音で喋るんだらう。ハーレクインがエルルキン(地獄の何とか)と関連するのは定説である。スーサイドなんとかの方のハーレークイーンさんがナニしてたらいやである。コメディアデラルテとやらのアルレッキーノとかは「スラップスティックと呼ばれるどつき棒」を持ってゐたが、光学迷彩仕様(澁澤龍彦大先生は、透明化とエロティックとの関連を指摘してゐる)の道化にいびられてゐるらしい。コメディア デラルテのプルチネッラ~英国の人形劇のパンチは、「ちんこ型の帽子」を被り(鍛冶屋と関連する証拠らしい)どつき棒で目の前のありとあらゆるものを「虐殺」して回る。啓蒙を司る。アイヌのパウチカムイは、アットゥシのデザイン、作り方などを教へるほか、美形の裸で集落へ恐るべき量の集団として押し寄せ、そこを粉砕する、取り憑いて強姦魔にするなどの淫魔でもある
GRILGOTH(GRILは鉄の串)、RAPPALUS(RAPALが貪欲)、GRIBOUILLIS(ノストラダムスの頃はGRIBOUILLEの方で、「殴り書き」だった)といふ悪魔の名前が、ググったら最初の方に原典「パンタグリュエル物語」が出たのでちょっと萎えた。