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ボコイを飼う今日このごろ。〜 Writer at Work 17/02/05

 またまた久々の更新です。

「純真なマチウ」は第一回コンテストに応募して以来、さまざまに改稿をほどこし、体裁を変え、タイトルさえも「純真なマチウ 1[胎動篇]2[生誕篇]」へと変化してきました。

 この形になってそれなりに時日が経過しましたが、今回新エピソードの形で〈[胎動篇・生誕篇]登場人物ノート〉というものを追加することにしました。

 以前から気になっていたことです。これだけの大長編であるにもかかわらず、「登場人物一覧」がないということ。私家版では、トビラ、前書き、目次につづいて序章の前に最初から入れてあったのに。

 内容的に言って、前書きが本文の一部であることは明らかであり、目次についても、章立ての仕方やそのタイトルは表現意識の表れだし、著者の仕事の範疇というか、作品の必要欠くべからざる道標のようなものと考えるべきでしょう。

 では、登場人物一覧はどうかというと、読書中に人物のイメージや位置づけで混乱をまねかないための、いわば読者への配慮ということになります。ですから書籍に登場人物一覧が載っている場合でも、編集者が著者に代わって作成している場合も多いはずです。

 カクヨムに発表した当初、この作品は章立てのみで、各パートにタイトルをつけることもしていませんでした。いずれつける必要が出てくるかもしれないとは思いましたが、その時点では不可欠なものとは考えていなかったからです。

 登場人物一覧もそれと同じことで、最初に提出した分を読者が読むにあたって、それなしではやたらに混乱を生じたり物語の流れを見失うようなことはないだろうと思っていたのです。実際、この作品をある程度読み進んだ読者の方なら、このことは容易に納得していただけることと思います。

 しかし、こうやって章立てを細分化して各パートにもタイトルをつけ、さらにサイトのシステムのほうも進化してそのパートごとに〝いいね〟マークや感想まで書き込めるようになったりすると、ますます登場人物一覧がないのが気になってきたというわけです。

 前置きが長くなりましたが、そこで遅まきながら「登場人物一覧」を載せることにしました。私家版では、よくある書籍のようにもっと簡略でそっけないものにすぎないのですが、〝エピソード〟として出すからには、ネタバレにならないように配慮しつつももうすこし詳しく、物語の〝予備知識〟以上のものにして、たとえばすでに読み終えた方にも物語をありありと回想できる手助けになるようなものにしたい、と考えました。

 また、挿入する位置についても、本来あるべき冒頭部分ではなく、末尾に添付するほうがいいだろうと判断しました。というのは、作っているうちに、これはいわば〝設定資料集〟としての側面もあるのかな、と思いはじめたからです。

 今回発表する分は[胎動篇]と[生誕篇]に登場する「人物」のみであり、ほとんどが物語の発端時点か、あるいは初登場時点での説明に限っています。しかし、本編中では言及されていない地理、都市、文化、制度、情勢など、遠未来の世界に対する興味を持たれた方は多いだろうと思います。

 描かれてはいても、螺旋都市ブランカの構造などをもっと具体的にまとめたものを読みたいという方もいらっしゃるだろうし、帝都アンジェリクとの対比だとか、さらに[揺籃篇]では巣窟都市キールという見かけも機能も興味深い都市が出てきており、著者が物語の構想を進めていくうえでも、設定作業は避けて通れません。

 今のところ、小説の構築はまったく私個人の中で完結する作業なので、設定に属するような事柄もストーリーや人物についてのものと不可分であり、また断片的にあちこちの文書に散乱していたり、さもなければ頭の中にぼんやりと浮かんでいるイメージに過ぎないものが大部分で、そのまま見せられるような形にはなっていません。

 しかし、必要となった部分、たまたま思いついた部分を、完全な形とはいかなくても少しずつ書き加えていく形式にするのであれば、「設定資料集」というのもありかな、と考えています。

 そういうものの第一弾、最初のとっかかりとしての人物一覧ということになるかもしれません。そうであれば、やはり作品の末尾に置かれるのが妥当だろうと思います。

 とにかくこれで、私家版との相違は表紙のあるなしだけになりました。表紙については、ツイッターの画像をご覧いただければ幸いです。「純真なマチウ」という作品はまだまだ大きく広がり、ヒロイン・マチウとともに成長をつづけることになります。読者のみなさんがよりいっそう親近感と期待感を持っていただけるように、これからもさまざまに手を尽くしていくつもりです。

 では、また次回の更新で。

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