もうご存知の方も多いことでしょうが、「ボコイ」の執筆と並行して、「純真なマチウ」([生誕篇]として発表した部分)をリニューアルする作業に取りかかりました。
サイトではたしかに作品の規模は想像しにくい、とはずっと感じていました。あらかじめ文字数をチェックしたとしても、それは多ければ多いほど迫力ではなくうんざり感しかもたらさないだろうし、少しでも悠長な書き方だと「いったいこの部分はどういう面白さにつながっていくんだろう」と不安にさせるだけなのだな、と今さらながら感じています。スマホで読むという方もかなり多いはずで、そうなるとたしかにスクロールすることさえしんどくなりそうだな、と。
リニューアルする理由については作品につけた紹介文でも述べているのであえて繰り返しませんが、上記のような感覚を最初からあたえてしまうような体裁であったものを、あるべき適切な姿に整えようということです。考えてみれば、読者には全体の文字数しか情報として知ることができず、各章、各エピソードの規模はまったく見えないのですからね。「30万文字ってどのくらいなんだ?」と怖れをなすのは当然のことです。
ですので、ここで体裁について参考までに述べますと、私が書いている形式だと、1ページあたり「42字✖︎17行」。「マチウ」の旧版が約600ページ分に相当します。かなり分厚い本になりますね。私は「指輪物語」でも「ハリー・ポッター」でも最近の「氷と炎の歌」〈TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作〉でも、分厚さはむしろ好きなのですが、その分厚ささえ具体的に感じられないというのでは、ね。
ですから、今回[胎動篇]と[生誕篇]に分割する体裁にしたというのは、それぞれが単行本や文庫版で300ページという想像しやすい規模になり、一冊読んだ、という達成感を味わってもらいやすくなるかな、という意図によるものです。かといって、機械的にバッサリ切ったわけではなく、ネタバレは避けますが内容的にもここで一区切りついているはずですから。
ただしかし、ネーミングについては、〝上巻・下巻〟とか〝前編・後編〟とすることも考えましたが、それではあまりにも無愛想だな、と。本にすることになったら分割も考えようというくらいのつもりだったのですが、「おお、〝生誕〟の前には〝胎動〟があるじゃないか!」と思いつき、そのタイトルを採用することにしました(つい最近のことですが、アハハハ)。
[胎動篇][生誕篇]としたことで、これからの展開について私の中でひとつ決着がついたのは、中断している[揺籃篇]もそれらと同規模に収めようと決めたことです。すでに[揺籃篇]に取りかかっている方はびっくりするかもしれませんが、今のままでも十分いくつもの要素が絡み合ってきてスケール感が出てきているはずなのに、これにさらに重要な展開への布石が入り、旧版[生誕篇]全体と同等かそれ以上の規模になることが自然に感じられるほどの展開になるはずでしたが、それはこの際スッキリと整理し、一巻としての体裁に見合うものにするつもりです。
近況ノートまでていねいに読んでいただいているのはきっとコアなファンの方々だろうと思うので、[揺籃篇]に関しての情報はまだここだけにとどめておきます。まずは「地球獣ボコイ」をきちんと仕上げてしまわなければなりません。「マチウ」が出せるか、[揺籃篇]の続きが書けるかは、「ボコイ」の評価にかかっていると思います。「マチウ」に思い入れを持ってくださっている読者の方には、じれったい回り道をしているように思われるかもしれませんが、「ボコイ」は私なりのエンターテイメントとしてけっして「マチウ」にひけをとるようなものにはならないと確信しています。どうか、ぜひお読みになってくださるようお願いいたします。
では、また次回の更新で。