「活発で人騒がせな女性キャラの登場」と謳ったら、「1ベルジェンナの騎士たち」は前パート「カナリエルがめざした地」をPV数で軽く越えてしまいました。うーむ……。まあ、ウケをねらったわけではなく、ロッシュの脇を固めるキャラたちを自然な形で紹介していくパートを今までにない雰囲気で始めたところ、その流れに乗ってすんなりと新キャラを登場させられたということなのですけどね。そう言ってしまうと身もフタもないかもしれませんが、自分でもうまくいったパートだと思っています。PV数というのはアクセス数にすぎませんから、かならずしも評価とイコールになるとはかぎりませんが。
第2部に入って、[生誕篇]とはちがうノリや雰囲気だということがわかっていただけてきたと思います。第1部は全体の導入部として、ひたすら逃げ、追いかけるという緊迫したロードムービーをやろうということだったのですね。対して、[揺籃篇]は物語を支えるDouble Fatherの2人が一から出直しを期する再出発篇だ、と。そうとらえていただければまちがいないと思います。
かたやロッシュは、最南端の牧歌的なド田舎から恥ずかしいくらい貧相な軍勢を率いて出発し、もう一方のゴドフロアは乳飲み子かかえ、傭兵という商売さえ続行不可能な世の中になって、さあこれからいったいどうやって生きていくんだと、追いつめられた状況にある。今回公開の2つのパートは、悩める子連れ傭兵ゴドフロアが腹を決めていく過程を描いたものになります。そこに可愛いマチウの成長の一端をからめていこう、と。ただし、傭兵たちのネーミングとかキャラづけに変更が入る可能性ありです。あしからず。
「マルリイのなんとやらはどうなったの?」とどこからかささやく声がする。「う、うるさいっ! だいたい章だのパートなんて、今や水の上にプカプカ浮いている木片みたいに不安定なものなんだ。順番なんてどうでもいい。おれは作者だ!」……いや、そういう乱暴な話ではなくて、読者のわかりやすさを考えると、内容的にまとまった形で出したほうがストレスは少ないのかな、と思い始めているのです。[揺籃篇]全体としてのバランスのとれた効果的な配置は最終的にきれいにまとまればいいのであって、こういう断続的な公開であればそれもしかたないかな、と。
作品の方向性はちゃんと見すえています。面白くて期待されるものを、とつねに念頭に置いていますし。陰険篇「マルリイの盟約」はたぶん次回、今回の2パートのPV数の増え方なども見ながら公開を考えることにします。(あ、もしかして、今回も少し期待させたほうがよければ、「マルリイ」には[揺籃篇]ではたぶんヒロイン格になるのかもしれない神秘的な美人キャラが登場しますよ!)
では、次回の更新をお楽しみに。