「第二章 マルリイの盟約」。前回も書いたように、第2部の最初に手をつけた部分で、「さあ、いよいよ陰謀の全貌がじょじょに明らかになっていくぞ……」というつもりだったのですが、羊頭狗肉というか、タイトルにいつわりあり! 今回アップしたところはまだ全然そのケもありません。すみません。
序章に持ってくるくらいのつもりだったのですから、当然章の冒頭からマルリイの件に入らないとおかしいわけなのですが、構想がさらに進んでみると、もしかしたらこの部分にも、矛盾が生じるとまではいかなくても、書き足しておかなくちゃいけないことが出てきそうなのですね。章立てとしてはまちがいなく「マルリイ……」が来るところなので、タイトルとしてはいちおう掲げたわけですが、本文はもうしばらくお待ちください。
その代りに、と言ってはなんですが、もうすこし後の部分に来るはずの「ベルジェンナの騎士たち」を先に公開することにしました。時系列的、地理的に第一章の続きに当たるのと、ほぼ内容が確定していて直しがあまりないだろうということでこれにしました。私の小説はたいがい、あっち飛びこっち跳びして読者の頭を振り回すのですがね。
さて、その内容ですが、第一章に出てきた帝国軍集結へ向けて出発するベルジェンナ軍の出発式典に先立つ場面です。騎士の1人がだれなのかはもう書きましたが、まだ何人かいます。精鋭かどうかは「?」ですが、ロッシュのことですからちゃんと生かすことを考えているのでしょう(註: 作者はさほど考えてないかも)。すくなくとも、新鮮なイメージで読んでもらえるパートにはなっているかな、と思います。
たいがいのメンバーは何らかの形で[生誕篇]で出てきたキャラですが、新キャラが2人。幼年学校を卒業したての少年騎士?と、もう1人は……いや、これは本編を読む楽しみにしてもらいましょう。マザー・ミランディアは別格としても、カナリエル、フィオナ、アラミクと少々さみしいながらも女性キャラは出てきていたのですが、今回のキャラは、派手な登場のしかたといい、いい意味でノリを作ってくれそうです。こういうキャラに深みを出していくのが、小説を書き進めていくことの密かな楽しみでもあるのです。
では、つぎはどのあたりを公開しようかとまた新たな悩みをかかえつつ……次回の更新をお楽しみに。