ーー「ふうっ」と息をついて彼女はエディタの中で完成した原稿に保存をかけ、目頭を押さえた。一晩で書き上げたにしてはまあまあの出来だった。
「ゴメンねこんな終わり方で。でもこの方があなた格好いいでしょ。それに魔法の杖は一回しか魔法を使えないのよ」
呟きながら冷めきったコーヒーに手を伸ばす。タバコの箱は空になっていた。
ーー
さあ先生、こんな感じで続き行きましょう。
この彼女は、朝倉みさきちゃんかもしれないし新たなキャラかもしれない。先生に任せます。
いけますよこれ、少なくとも15巻くらいまでは行けます!
え? そんなのやり尽くされてるって?
いや、そうかもしれないけど、読者は先生の書かれるこの世界を待ってるんですよ。
作品のあるところに需要が生まれるんじゃありません、需要のあるところに作品は生まれるんです!
え? 私はラノベ作家じゃない?
いや、それはもちろんそうですけれど、かのコナン・ドイル だってですねえ……