首都入京への最後の試練~宗教観を添えて~
この世界の科学である魔術の論文にも宗教用語が使われているのは世界観を表しています。古い年代の論文には現在の私たちが見たらファンタジーとしか言いようのない理論があったりするんでしょうか。技術の発展の過渡期では、そういった事象はあるものだと思います。思っているだけで裏付けとなる資料があるわけではないので、リアリティには欠けるかもしれません。調べれば簡単に出るかもしれませんが、どう調べたらいいものか……。
そして二章ずっと旅をしていたサブキャラクターのシッドとは、ここで一旦のお別れとなります。最後に彼を際立たせることができてよかったと思います。シッド自身は物語上重要なポストというわけではなく、展開上必然的に現れたNPCのような扱いでしたが、それでもキャラクターとしては確立したものを獲得できたと思っていただけたら幸いです。実際立場や性格もあって自分から望んだアクションを起こせない時、彼はかゆいところに手の届くよいキャラでした。作品構造上でメタフィクションの様相を呈している本作の言葉を借りるなら、あるべきロールがあるからこそ、彼はいるわけですね。
そう書くと悪趣味というか、若干露悪的になってお寒い感じになってしまうので、ここで失礼します。
次回更新は9月6日(水)です。
アルは此処に在りて~魔王少女の異世界巡礼記録~/葛猫サユ
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