キャラクターの輪郭を起こしながら、急展開へ。
塔子の話から忘却の話、そこから恐怖をアイデンティティとするホエルの話へシフトしています。
『忘れる』というのは、このファントミーム・オーヴァーレイのなかではかなり重要なワードだと思っています。色々あるとはいえ元々は災害から復興した都市であるというカイキョウシティが、災害の記憶をどう忘れていくか、そのとき災害の記憶は完全に消えてしまうのか、消えてしまっていいのか。という問いかけが、今回に限らず要所要所に散りばめているつもりです。
普通に考えて、嫌な記憶なんて思い出さなくてもいいんですよね。不謹慎と言われようが、地震災害があったからこそ日本の耐震技術というのは世界に誇れる発展していますし、津波災害があったからといってそれらの描写のあるメディアを規制しようする流れには反発があります。忘れられるにしても、それは未来に繋いでいかなければならないもので、だからこその葛藤がそこにはありますと考えています。
そうしたとき、災害の恐怖を振りまき、存在意義とまでするホエルは人知れず消えるべきかそうでないか、という物語的な対立構造が見えてきます。
そして忘れる障害を持つ渚の成長にも繋がってきます。こうご期待ください。
次回更新は9月4日(月)です。
ファントミーム・オーヴァーレイ/葛猫サユ - カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/16817330660259961980/episodes/16817330662956055618