山間の村に到着。浮雨湖の調査。アル単独行動。テンポがなかなか良いです。
ここでのアルは亜人寄りの意見を持っています。元々魔境自体が亜人の生息地域であるという前提が強くあるので、アルからしたら突然現れた魔境に対しても同じスタンスであるべきだと考えています。追放、という方法で生活圏を得た亜人を尊重してほしいというわけですし、何より人間が嫌いで憎んですらいるというのは周知の事実だと思います。
その反面、過剰なシーマのやり方には疑問を覚えているので、ここはまだ冷静なほう。ただ実際の横暴な行いを目にして、真実を確かめたいという探求心が勝った上でのラストの行動でした。
魔王の娘としての責任感からではなくて、あくまで自分の好奇心ゆえの行動ですので、ローランも言っていましたが実に子供っぽい理由です。
アルは指導者の娘……後継者的側面にはかなり疎い、というのは一章序盤でもわずかながら言及されていますが、アルはその点に関して無自覚なのが後にわかります。端的に言ってしまうとローランのせいなのですが、そんなローランが彼女の行動を咎めていると考える、少し面白いかもしれませんね。
次回更新は8月27日(日)です。
アルは此処に在りて~魔王少女の異世界巡礼記録~/葛猫サユ - カクヨム
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