一章、クライマックス。
というには大仰な感じのする、爽やかしっとりな雰囲気のラスト。
「そんなことは、当然なんです」から始まるアルの台詞は、復讐への端的な衝動と、外の世界への純粋な探究心に溢れた少女らしさが混同した良い台詞なんじゃないかと自画自賛しています。少し前にも話しましたが、アルという種族は現状アル一人だけで、それを彼女自身が自覚している故にローランへの依存心を知らず知らず強めています。そんな彼女の拠り所として次点に上げられるのは、必然的に同じ種族である父親ではないでしょうか。
当時はこんなこと考えていませんが。
だからこそ、物語前半のアルは『父の死がもたらしたもの』を探求しようとします。娘としては彼女も言うように当然の感情で、ともすればガキっぽいとすら思われますが、そこに立ちはだかる現実という苦難だらけの問題にどう応えていくのかが、この物語のメインテーマになっています。
容姿も言動も結構子供らしく書いていますが、これでも二十歳なんですよね、アル。エロゲか?
まぁ、そこはローランの教育方針やら里での扱いやらでわがままお姫様になったということでご容赦いただければと思います。
次回更新は8月25日(木)です。
アルは此処に在りて~魔王少女の異世界巡礼記録~/葛猫サユ - カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/16817330662129713474/episodes/16817330662543197227 また、明日は「ファンオヴァ」最新話も投稿予定です。
こちらは捜査の現状説明とホエルに関する考察。
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