• 現代ファンタジー
  • SF

「機甲猟兵エルフリーデの屈折した恋愛事情」の世界設定まとめ(2)





・電磁投射砲《レールガン》
この世界で用いられている火砲のうち、ベガニシュ帝国のバレットナイトが使用している重火器はほとんどが電磁加速式銃砲《ガウスガン》である。
炸薬を用いて弾体を発射する通常火器と異なり、投じた電力量に応じて理論上は無限に加速させられるのが利点。
また炸薬を詰めてある薬莢部分が存在しないため、大幅な軽量化と携行弾数の増加を実現している。
超伝導回路と電脳棺によって無尽蔵のエネルギーを投じられるバレットナイトは、砲身と機体の強度が許す限り――つまり発射時の反動や電気的負荷――は、高速で弾体を投射できる。
炸薬式と同じ口径の弾体を用いていても、実際の破壊力はその比ではない。
(12.7ミリや20ミリの機関砲がよく用いられているのは、携行性と威力のバランスが最も優れているからである)


・アルケー樹脂
バレットナイトの装甲材に用いられている特殊樹脂。
極めて安価に大量生産でき、加工が容易でありながら、特定条件下での処理を経れば同じ体積の合金を上回る強度を発揮する。
加工のしやすさと強度の両立した、まさに夢の素材であり、バレットナイトの軽快な運動性に寄与している。


・超硬度重斬刀
通電することでその物理的強度――硬度・剛性・耐熱性などを飛躍的に上昇させる特殊合金を用いた近接武装。
現在の技術力ではその製造法はおろか組成もわかっておらず、帝国中央工廠において長い時間をかけて加工処理を施すことで刀剣に仕上げている。
このような画期的素材が装甲車両やバレットナイトの装甲材に用いられていない理由は、その加工難易度の高さと生産性の低さである。
また使用時にはかなりの電気的エネルギーを消費するため、電源確保の問題も発生し、技術的ハードルも極めて高い。
上記の理由により、今のところこの特殊合金はバレットナイトの近接兵装にのみ用いられている。
その物理的強度は極めて高く、アルケー樹脂装甲を容易く両断可能。


・光波シールドジェネレータ
強力なエネルギー波を放出して板状のバリアを形成、外部から作用した運動エネルギーおよび化学エネルギーを弾く防御機構。
通常、物質と相互作用しない粒子状物質であるエーテルを励起させ、外界の物質と反応するようその性質を書き換えることで成立する。
エーテル粒子の励起に膨大なエネルギーを消費するため、実質的に電脳棺を搭載した兵器=バレットナイトでしか運用できない。


・熱線砲
光波シールドジェネレータと同じ原理を用いた、物質と相互作用する励起状態のエーテル粒子を加速投射するビーム兵器。
薄い板状のバリアとしてエーテル粒子を出力するシールドジェネレータと異なり、膨大な量のエーテル粒子を一度に消費する。
バレットナイトで運用する場合、専用のバックパックユニットでハードポイントが埋まる他、機体そのもののエネルギーを吸い上げてしまうため負荷も大きい。
いわゆる荷電粒子砲とは異なり、熱線砲は距離減衰が起こりにくい。このため実体弾を投射する従来火砲並みの射程が期待できる。
その破壊力は絶大で、熱線の直撃した物質はプラズマ化して昇華され、強烈な熱波と爆風で二次被害を生む。
熱線砲は理論上、光速の99パーセントまで加速することが可能である。


・小銃《ゲベーア》
ベガニシュ帝国をはじめとする世界各国で用いられている自動小銃。
人間用に設計されたガウスガンの一種。
反動制御の問題があるため、炸薬式と比べて極端に高威力は出せないが、とにかく携行弾数が多い。
銃身を短く切り詰めて持ち運びやすくしたものを騎兵銃《カービン》と呼ぶ。


コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する