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「機甲猟兵エルフリーデの屈折した恋愛事情」の世界設定まとめ(6)





「第一次エルフリーデ・ショック」
ベガニシュ帝国におけるバレットナイト運用の見直しと、その原因となった英雄部隊を指した造語。
大陸間戦争末期、三三二一独立竜騎兵小隊とこれを率いた英雄エルフリーデ・イルーシャによる多大な活躍は、帝国陸軍に新たなドクトリンを提起させるに至った。
要するに「エルフリーデ率いるバレットナイト部隊めっちゃ強かったよね…何が強かったのかを整理していこうか」という動きのこと。

機動戦主体としてのバレットナイト部隊の戦力的価値を見直す動き。
バレットナイトはその戦術的・戦略的機動性で敵国に恐れられた兵器だが、実のところ、ベガニシュ帝国での運用は定まっていなかった。
何故ならばバレットナイトはどう使っても雑に強かったからだ。

バレットナイトは軽戦車を置き換える高出力レールガン自走砲であり、陣地構築する戦闘工兵であり、機動戦を行う騎兵の継承者でもある。
このため運用面での指標を定めるのが難しかったのだが、エルフリーデの活躍によって状況は一変した。
アルケー樹脂装甲や光波シールドジェネレータなどの防御装備が発展する中で、自動火器の発展によって一度は駆逐された騎兵が再び戦場に返り咲く――これがエルフリーデ・ショックの本質であった。



「第二次エルフリーデ・ショック」
エルフリーデ・イルーシャがヴガレムル伯爵の騎士となって以降、帝国内や諸外国で繰り広げられた小規模紛争における活躍とその影響のこと。
第一次エルフリーデ・ショックと区別して、アシュラベール・ショックとも言われる。
要約すると「たった一機の高性能機動兵器が、その一〇〇倍以上の規模の機甲戦力を蹂躙しうる現実」がもたらした衝撃は大きかった。

すなわち高性能バレットナイト単体による戦略的優位性、というこれまで誰も想定していなかった領域の事件が引き起こされたのである。
フィルニカ王国に出現した怪ロボット兵器(回収された資料から射程数百キロの砲撃能力を備えていたとされる)の撃破など、その威力は戦術の域を超えて戦略的な――しばし政治・経済への影響が多大に発生する――域に達していた。

帝国陸軍はこの試作機を開発したミトラス・グループに技術供与を迫ったが、クロガネ・シヴ・シノムラの政治的働きかけによってこれを断念。
結果、ベガニシュ帝国各地の研究所・兵器工廠・兵器産業で、〈アシュラベール〉に対抗しうる兵器の開発競争が始まった。





・ベガニシュ帝国におけるバレットナイト部隊の装備例
ベガニシュ帝国ではバレットナイト搭乗者を機甲猟兵と呼ぶ。これは機甲駆体《パンツァーケルパー》を使う猟兵という意味。
その中でも精鋭として戦場を駆け巡る存在、バレットナイトという概念の体現者を竜騎兵と呼ぶ。

ベガニシュ帝国陸軍の機甲猟兵の駆るバレットナイトの装備例。
〈アイゼンリッター〉C型…やや型落ち機の陸軍モブ兵士。伏せ撃ちしたり自分で掘った塹壕から銃口だけ突き出して銃撃戦を繰り広げる巨人歩兵。
・胸部ハードポイント右:発煙弾…BKの腕力と関節構造を駆使して投げる。デカい重い大容量。
・胸部ハードポイント左:発煙弾…同上。
・背部ハードポイント右:大型スコップ…塹壕などの陣地構築用装備。すごい勢いで穴を掘れる。咄嗟に鈍器として使うこともある。
・背部ハードポイント左:12.7ミリガトリングガン…対歩兵からミサイルや小型ドローンの撃墜までこなす。
・右腕:30ミリ大型電磁機関砲…威力と射程に優れる連発型レールガン。ヘリカル構造のドラムマガジン。重たくかさばるので竜騎兵はあまり好まない。
・左腕:防弾盾…BKと同じくアルケー樹脂装甲で作られているのが普通。軽くて安くて頑丈で戦車の主砲だって防いでくれる。在庫がいっぱいある。
・腰部ハードポイント:60ミリ対戦車回転式拳銃…対戦車榴弾を高速発射する拳銃。正面装甲には効果がないので装甲の薄い部位に接射する。


ベガニシュ帝国陸軍精鋭、竜騎兵の駆るバレットナイトの装備例。
〈ブリッツリッター〉…少数生産の最新鋭機。エルフリーデ隊の部下。英雄的小隊長と共に戦場を縦横無尽に駆け巡る現代の騎兵。
・胸部ハードポイント右:発煙弾
・胸部ハードポイント左:対装甲ナイフ・スティレット…ほぼ使い捨てになる対BK用ナイフ。刃が自壊するレベルの超振動で刺さった敵をボロボロに。
・背部ハードポイント右:超硬度重斬刀…一般兵は使う機会がなく、竜騎兵は頻繁に使う白兵戦用装備。重戦車の正面装甲だろうとバターのように切り裂く。
・背部ハードポイント左:12.7ミリガトリングガン…対歩兵からミサイルや小型ドローンの撃墜までこなす。
・右腕:20ミリ電磁機関砲…携行弾数と威力のバランスが一番いいレールガン。40ミリ狙撃砲持ちの僚機と組むことが多い。
・左腕:光波シールドジェネレータ…エネルギーバリア発生装置。軽量な上に防御力も飛躍的に高まる。
・腰部ハードポイント:予備弾倉、大型手榴弾など
・脚部ワイヤーカッター…高強度ワイヤーによるトラップ対策。




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