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HBNトーク/淑女Ver.

「ふむふむ、似ているキャラで喋ろう、会話劇の練習をかねて第二弾は、女子版なんですね!? でも『HEART BEAT NIGHT』の女性キャラは似通ってないし、他の話の方を呼ぶのは説明が大変……。そうは言っても、わたしも読者さんには初めまして状態なんですが……。でも、わかりました。やれるだけ、やってみます。要はたくさんの女性とお話すればいいんですよね!」

よく言った新米ヒロイン。

「行ってきま〜す!」



「、というわけなんです、ルッティさん!」

「なんでぴあのちゃんがそれを引き受けたのか、理解に苦しんでるところ」

「さすが、わかりみが早いですルッティさん!」

「これじゃほとんどラジオだよ、しかも異世界設定のラジオを訳もわからず聴くってことになる」

「うまいこと言いますね、ルッティさん!」

「……自己紹介いきまーす。ルッティ・トラウディア、新聞社カンピース社の記者ってのは表の顔で、本当はトロンの〝拾い屋〟やってまーす。ほらね?」

「ちっとも、何言ってるのかわからないですね」

「そうなんよ、トロンて組織の情報屋が通称拾い屋って呼ばれることは、ぴあちゃんは知ってるだろうけど、うちの世界でも一般常識じゃないんさ。通訳がいるよ」

「でも、通訳だけで時間終わっちゃいそうですね」

「男どもは随分自由にしゃべくったみたいだけど、恋バナとかあんな風にテーマをしぼるのも手だね」

「恋バナ!? ルッティさん、恋バナ話してくれるんスか、聴きたいっす」

「いや、イヤイヤイヤイヤ、あたしはちょっとそういうのは苦手っていうか、ひどいって言うか面白くないから」

「柊馬先輩に告られたんですよね?」

「アイツ、それ自分から言ったの!?」

「いえ、先輩からは聞いてませんし、先輩は恋バナなんて話してくれません。でも、読んだから知ってます」

「何を?」

「お話です。作者さんが書いたお話も、読んだお話も読めるんです」

「え、何それ、どーいう設定?」

「わかりませんけど、カクヨムで好きなのは『呪われた龍に口……」

「怖い怖い、まってまって、あんたら主要メンバーはみんなそうなの?」

「たぶん、柊馬先輩もできると思うんですけど、気まずくなるから嫌みたい」

「気まずいって?」

「他の話の人と話す時に、その人が出てる話を読んで知ってるって状況ですかね、私は逆にすごく読みたくて、いいよ〜って言われてるので、ガンガン読んでますけど」

「そりゃ、気まずいわ。だってヘタすると、その人物よりその人のこと知ることにならない?」

「そうです、心情とか筒抜けで胸アツです」

「かわいい顔で鼻息荒くしなさんな」

「早く続き読んでくれないかなぁぁ、楽しみにしてるのに……」

「よくは知らないけど、うちの世界でのぴあのちゃんの設定を、世界の外に出すとそうなっちゃうんだろうね。そっか、読んだのか、柊馬も見る目がないよねぇ」

「そんなことないです、賢くて、身寄りのない人たちを家族として受け入れる、思いやりのあるルッティさんのこと、先輩は尊敬してると思います」

「いやぁでも、あたしが好きなのは、」

「ぴ・あ・の・ちゃ〜んっっ!!!」

「なんか弾丸みたいのがまっしぐらに……」

「へ? うわぁあ」

「ゲットォオオ!」

「誰、これ。こら、尻もちつかせちゃってるじゃないか、離れんさいな」

「ごめんね、ぴあのちゃん。つい嬉しくって抱きついちゃった」

「ううん、大丈夫。ひさしぶりだね、ランちゃん」

「えへへ〜」

「自己紹介してくれる?」

「なにを?」

「う〜んと、名前と職業?」

「ランだよ、知ってるじゃん。仕事がなくて今日も朝からひもじいよ」

「えっと、チョコレートならあるけど」

「ぴあのちゃんは救世主だね!」

(いや、違うけど……喜んでくれたからいっか)

「あたしゃ、ルッティ。よろしくね、おチビさん」

「チビ、はむはむ、じゃないもん、くっちゃくっちゃ、子ども扱いしないでよ」

「どー見ても、子どもにしか見えないけどね、じゃあんたは何者さ」

「ラニアン・シャザ・ラクナカンス、偉大な大魔術士だよ、ふふん」

「ランちゃん、口の周りチョコだらけ」

「魔術士なんて本当にいるんだ、そんな力があるなら、いくらでも仕事がありそうだけど?」

「そ、そ、そ、それは」

「ランちゃんは、使命があって放浪の旅をしてるんです。だから行く先々で食いぶちを得るのが大変なんです」

「そ、そう。魔術を使うとドカーンてなっちゃうから、日銭を稼ぐには地道に働くしかないんだよ」

「ポンコツ魔術士なん?」

「ガーン! ちがうもん、誰よりも強いもん、最強だもんっ、ねぇそうだよね? ぴあのちゃんっっ」

「泣かないでー」

「どーしたもんかねこれは」

「ラっぴー♩」

「またヘンなのが来た……?」

「こんにちは、みなさん。うちのラッぴーがお世話になりました。あらあらあらあら、泣いてるのランちゃん」

「な、なななななナイトっ、はなしてっ、はなしてぇええっ」

「ランちゃんのお知り合いの方ですか?」

「保護者のようなものです。ナイトと申します」

「背のたっかい、美人さんだね。あたしはルッティ」

「はじめまして、ガーディアン使いさん」

「あれ、この人鋭い人だ」

「はじめまして、ぴあの=ハーティンです。ランちゃんとは友達です」

「おてやわらかに」

「?」

「さぁ、ランちゃん、いつまでもグスグスしてるなら、あやしてあげますわ、そぉーれ、たっかい、たかーーーーーーーーい!」

「ィッヤァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーァァァァーーーーーーーッ」

「……一瞬で、星のように小さくなったけど、大丈夫?」

「ランちゃんっっ!!」

「おーっほほほほほほほほほほほほ!」

「どういうことですか、ナイトさんっ」

「腐っても、削れても、折れても、あの子は最強とうたう魔術士ですもの、このくらい耐えられなくてどうします?」

「何を考えて」

「いちおう、あたしの守護獣はいつでも出せるけど、あんなん無事に受け止めきれるかな」

「そろそろ落ちてきますわ」

「ァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッ!!!」

「はいはーい、キャッチーー! からの〜」

「「からの?」」

「もういっかーーーーーい、リリース!!」

「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁすけてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーー」

「玉屋〜より速いな〜ギュンって音した相当なGかかってた」

「もう投げないであげて下さいっ!!」

「せっかく、面白いんですのに」

「ていうかさ、物理的にあそこまで高く上がらないよね。ぴあのちゃん、どうなってんのかわかる?」

「えぇと、ナイトさんは、でも、〝おてやわらかに〟って言われちゃったから、言えませんっっ」

「あー、なる、ほど」

「ゥゥゥゥゥゥゥウウウアアアアアアーーーーーどいてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

「あぁっ、ようやくっ」

「いや、どいたら死ぬでしょあんた」

「ハイ、ランちゃん、げっと」

「ぶっはっ、すごい風圧」

「片手で超軽々っスねっ」

「ぅぶぇえぅっ、ごわがっだよお、寒がっだよおぉぉぉぉぉ」

「ランちゃんたら、こんなことで弱音を吐いていたら、強い魔術士になれませんよ?」

「いやさ、魔術かけらもなかったよ、ただのスポ根だよ」

「ぅうう、わかった、がんばる」

「あっれー、あたしの魔術士に対するイメージがおっかしーのかなー」

「ランちゃんはえらいと思うっ、きっとどんなことも、一生懸命やったらムダにはならないと思います」

(まとめたっっ……!?)

「ところで、恋バナがまだでしたねっ」

「この野性味あふれる二人に聞くんかい、それ。大胆っつーか、無謀っつーかさ」

「コイバナを食べさせてくれるの? それおいしいもの?」

「惜しい、ランちゃん、食べ物じゃないんです」

「たぶん、何言っても食い物の話になると見た」

「ランちゃんは、誰か好きな人はいますか?」

「にへへ、ぴあのちゃんが好きだし、ナイトも好きだし、メオも天明ちゃんも、それからビビアンも好きだよ」

「う〜〜ん」

「ラニアン、ビビアンは男の方と女の方と、どちらが好きでしたっけ?」

「おとこー。特に天明ちゃん」

「ですね。天明さんも同じようにビビアンのことを好きですかしら?」

「天明ちゃんは、ビビアンが嫌いじゃないけど、ナイトのことが好きだから、振り向かないよ」

「ランちゃんにそういう方はいまして?」

「あたしはやらなくちゃいけないことがあるから、そんなことしてる暇ないもん、使命が一番だから、ふふふん」

「ランちゃんに恋バナは皆無です」

「ちなみにビビアンさんと天明さんのご職業を紹介してもらえますか?」

「天明さんは剣士です」

「木刀のね。ビビアンは酒場のマスターでくねくねしたオスのリザードマン。なんだっけ、アホ毛?」

「そこ、もしかしてゲイバーかなんか?」

「ちがいますわ、荒野にある宿屋を兼ねた酒場です」

「あっほゲーイ! なっはははははははははははっ」

「ランちゃん、床に転がっては黒いローブの下から白いカボチャパンツが丸見えで、はしたなくってよ」

「ナイトさんは、その、天明さんのことをどう思ってるんですか?」

「天明さんは天明さんですわ」

「えっと、そうじゃなくて! 応えてあげないんですか?」

「んー、ぴあのちゃん、天明ちゃんは自分がナイトのこと好きだってわかってないと思うよ」

「えっ!? なんで!?」

「まじめだからじゃなぁーい? でも、ナイトのことになるとムキになるの。いつものほほんとしてるくせにさ」

「ナイトさんっ」

「はい」

「天明さんがなんだか不憫ですっ」

「そう言われましても、私のような女を相手にしない方が身のためですわ。私は強いことにしか興味がないんですの」

「ナイトさんは、誰かを思ったことはないんですか?」

「そういう貴女はあるんですか?」

「ぴあのちゃんをイジメちゃだめだよ、ナイト。きっといつか、ナイトにもいいなーって思う人現れるよ」

「必要ありません、自分より弱い者には興味もありませんし」

「そうかなぁ、ナイトは守る人だと思うけど」

「……ランちゃんはお強いのに、簡単に命を落としてしまいそうになるから、心配なんです」

「ありがとう、ナイト」

「ランちゃんとナイトさんは、仲良しなんですね」

「恋バナっていうより、なんか違う話になってない?」

「そうですね、もう誰も来ないようなら、こっちから行ってみましょうか、ルッティさん!」

「えぇっ、あたしもなの?」

「情報通のルッティさんがいた方が心強いですっ、無理にとは言わないですっ、一人でも大丈夫ですっ」

「えーじゃあ、あたしがぴあのちゃんと行くよー」

「ラッぴーはもうハウスです」

「ぇえー」

「わかった、あたしがもう少しだけ付き合う」

「やった、ありがとうございますルッティさん!」

つづく?

2件のコメント

  • こんばんは~(*´▽`*)

    >でも、読んだから知ってます
    すごい、メタ発言だ――っ!(≧▽≦)

    ぴあのちゃん、作品自体は読んでいないのに、日竜様の近況ノートなんかでお名前をしばしば拝見しているせいか、なんだかはじめましてな気がしないです( *´艸`)

    「呪われた龍に~」がお気に入りとは……っ(*ノωノ)
    ありがとうございます!*。ヾ(。>v<。)ノ゙*。

    >かわいい顔で鼻息荒くしなさんな
    鼻息荒くしてても可愛い! って思いました( *´艸`)

    紳士バージョンも淑女ばーしょんも会話劇、楽しそうですね~(*´▽`*)
    淑女バージョンの方が、キャラが多彩でさらに楽しそうな……?( *´艸`)
    みなさん仲良しだからですかね?(*´▽`*)

    可愛いぴあのちゃんとつきあいのいいルッティさんのコンビ、次はどこへ行くのか、楽しみにしています(*´▽`*)

    ……とりあえず、私も「夫君殺しの女狐は~」頑張らなくては……っ٩(๑•̀o•́๑)۶
  • こんばんは〜

    「ばけとり」が進まないエネルギーが暴発しないよう空気抜きのトークです。

    「夫君殺し〜」は更新がゆったりなので、リアルタイムで拝読させて頂いております。中華いいなぁ中華〜、です!

    女の子たちの方が自由度が高い理由は、たくさんあり過ぎてう〜ん。
    ひとまず、紳士くんたちは制服組という同じバックボーンで揃えてるため、同窓会的な過去の内輪ネタが中心。

    淑女さんたちは、背景がバラバラなので、どうやって紹介しようか〜と、ブレーンタイプのルッティに頼ったら「ラジオ」っぽいと指摘され、HBNはラジオから生まれた作品なので、もともと相性がいいし、そんな感じで行こうとなりました。
    (トークでは5割しか仕事しない作者)

    綾さんのお作品の名を出してしまいました。
    うちのが恐れ多くもすみません。(o_ _)o
    ぴあのを最初に、近況とはいえカクヨムに連れて来てしまった時点で、ぜったいカクヨムの話も読むよなと思い、どれすっきゃねん?って今回振ってみたら、迷うことなく選びよる。

    そこ!?

    己の作者が緑茶さんのアレが! とか、kinomiさんやハム@さんのアレが!と目指してる方向とは違う、ずぇったい書けないものを「イチオシ」ですとか言ってずずいと推して来るのは本当に哀しくなるからやめて。
    (書けないってことはさぁ、書かない書く予定がないってことなんだよ! わかって!?)

    メタ発言の意味を知ったのはここ二年のことなので、話の外でどれだけ登場人物たちのアイデンティティを守れるか格闘してきた末に、ぴあのはそういう視野を持つことになったという感じです。
    もともとトークという場がメタ的で、私の中ではずっと気持ちわるい所だったのですが、スランプ中はなんかずーっとそこにいた気がします。話の中で脇役の別なく向き合おうとしているのと違い、キャラとしての幅にきっちり差が出るのが特徴です。

    「作者の誕生日会だから全員集合」っつーもともと楽屋的な話を一本作っていたので(たしかマンガでした)、中途半端に物語世界が垣間見えている、フリートークが苦手だったんですね。
    今もそんなに得意じゃないというか、下手というか。
    「楽屋」のキャラたちは作者に作られた事情がバックボーンになるので、また違う雰囲気をまといます。
    なんとなく「物語」と創作現場の「楽屋」の間に「トーク」がある感じです。


    トークのぴあのをぴあのとして受け入れてるので、きっと「呪われた龍の〜」の話しすごく語りたいんだろうな、とは思ってますが、あーうん、そうかー、なんかすごいファンの人が喋ってくるんだけど、って反応が薄くなってしまいそう。(面白くないとかじゃなくて、人のエモに乗っかれないんです)

    あとは、話したきゃ相手になるのは、その気になれば共有できる柊馬くらいですが、活字中毒なので語るに不足なし。そうではなくて、その恋愛ファンタジーをお前ら二人がしゃべるのはおかしいでしょう? 私も柊馬も困るだろ? とこっちがぴあののボルテージにやきもきです。

    まぁでも、こうやって登場人物たちに驚かされるのは、楽しいのです。
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