寝言だと思って頂けると幸い。
アプローチの軌跡のような、いつもの会話劇です。
「逆ハーレム。ない引き出しを開けるには女子の視点が必要だと思ったら、出てきたのはオカマでした」
「そこはかとなく、あたしのことけなしたでしょ、悪い子ね。いい男を語るのにあたしほど適した女はいなくってよ?」
「マッチョなミニスカに言われても、説得力が瓦解する一方です」
「いつまで、そんな離れた所で他人行儀してんの! 同じ誕生日のナカーマでしょ、こっちいらっしゃい!」
「うぅ。……ハーレムなんて経験したことないでしょ、ディビットさん。恩着せがましくターゲットに尽くすだけじゃん」
「柊馬とリク(ホルスタイン)の職場は、あたしにとってはハーレムのようなものよ」
「完全に妄想じゃん」
「『帰れ』と足蹴にされても『寄るな』って殴打されても、全然効かないわ!」
「ハーレムじゃなくて、そこリング上だよね」
(スタンハンセンの入場曲)
「ちやほやされてるのよ、わからないの!?」
無駄に戦闘シーンを増やさないでくれ、と思った。
完
続。
「そもそもイケメンが書けないとこが問題だ。女子から見たイケメンが」
「柊馬先輩も、ホルスタイン博士も、かっこいいですよ?」
「そんな言葉を待っていた! ところで、美化何パー?」
「美化はしてません」
「偉いなー、後輩」
「作者がそうひねているから、逆ハーレム書けないんじゃないですか?」
「まさか、君は」
「はい、ハーレクイン小説大好きです! ドキドキが止まりません!」
「自分がそういう状況に置かれてますが?」
「作者次第ですね? わたしは主人公ではないので、…わたしの視点で書いてもらえば、そうなるかもしれませんけど、でも」
「何か」
「わたしより柊馬先輩の方が、ハーレクイン読んでますから、乙女成分は先輩の方が詳しいかも。なんかいつも色々見透かされちゃいます」
「相方の方は逆に鈍い?」
「ホルスタイン博士ですか? 柊馬先輩とは違う意味で緊張します。柊馬先輩が抜け目ないなら、リク先輩は隙がない雰囲気というか。紳士のマナーが身についてるのかな、女性のエスコートにも慣れていて、自然で……滅多に笑いませんが、時々優しいです」
「柊馬先輩は優しくない?」
「ハーレクイン的にドキっとする優しさとは、違うんですかね、文句言いながら最後まで付き合ってくれるのは、柊馬先輩の方です。ディビットさんの嫌がらせ?を真正面から受け止めるのも、だいたい先輩ですね」
「ディビットさんは女ですか?」
「ディビットさんは女性です。お姉さんみたいで、とても優しい人です」
「ぴあのには優しいんだね、あの人(ゴリラ)」
「逆ハーレムにはしないんですか、やっぱり」
「他に書きたいものがあるから」
「じゃあ、せめて先輩たちをイケメンに書いて下さい」
「……」
「そこで渋い顔しないで下さい!(笑)ハーレクインに出てくるのは見目麗しい男の人じゃなく、心が苦しくなるような甘い恋愛だって、言ってましたよ?」
「誰が」
「柊馬先輩」
「あいつー(あのパンツ野郎)」
「乙女が求める夢みたいなシチュエーションを書いて下さい。読みますから!」
きらきらした目で言わないでほしい。
完
※参照
「HEART BEAT NIGHT」より
〈前にして後となる日々〉立入禁止区域近郊にて
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884559005近況ノート
・うちのゴリオカマ
・主人公比較 お題「パンツ」
続々。
「先輩、何読んでるんですか?」
「『大陸放浪記』」
「物語ですか?」
「うんにゃ、エッセイ」
「……この前、作者とハーレクインのこと話したんです」
「道化(ピエロ)か」
「あ、恋愛小説のことです」
「なんで?」
「なん、で? かなぁ、よく分かりません。だから、先輩のが詳しいって言っておきました」
「お前ね。そういういかがわしい話しにどーして乗るの? オレだけ面倒くさいことになってんじゃん」
「恋愛小説の醍醐味をひとつ」
「親切を振りかざすのはこの口か? あ?」
「ひゃひぃひぇくやひゃい」
「ったく、知りたきゃ上にいるツンデレに体験談でも聞けよ」
「リク先輩に?」
「ぜってー、真顔でこっぱずかしいこと言ってっから」
「はー、似合いそうスね。でも話してくれないと思います!」
「そーね。恋愛してる時でもしてない時でも願望ってのはあるだろ? 頭がバカんなって楽しい時もありゃ、ちょっとのことで現実に引き戻されたり。でも期待はするもんだ、可能性は捨てねーし、時が過ぎれば結果はいやでも出るが、それまで衝動があがかせる、止まれねぇ、行動に出なくてもな」
「苦しいですね」
「違うな、楽しいんだ、そいつは。まるで自分が充分に生きたように感じる」
「激しければ、激しいほど?」
「……多分な。終わった時、どん底に落ちるやつもいるけど」
「先輩?」
「そゆことで。ハーレクイン及び恋愛物語の中にあるのは、生命の謳歌だって、作者に言っといて」
「ええっ、ひと言っ? なんか哲学的になってませんか? 伝わるかなぁ」
「いーんだよ。頭かってー奴には、かってー言い方なの」
「先輩は、今も恋愛小説読んでます?」
「読むよ。ぴあのはそんなこと意識して読まないだろ?」
「うん。ドキドキするから読みます!」
「オレも」
「へ? 自分じゃできないような恋愛が体験できるからですかあ〜?」
「ほほう、うちの後輩は壁ドンをご希望で。そのナメた口を塞いでほしいとな」
「ちょ!? ちょちょちょちょ先輩!? 落ち着いてっ、壁ドンじゃない、これ、壁ドンじゃないっ!!」
「黙れって」
「いい加減にしろ、柊馬」
「!リク先輩っ」
「あれ、お前、いつからいたの」
「さっきからだ」
「もっと早く止めてくれてもよかったんですよー」
「まさか逃げ遅れるとは思わないよ。この男の前で油断するとは」
「う、気をつけます」
「お茶が飲みたいね、ぴあのくん」
「淹れてきます!!」
「……もしかして、替わりたかったか?」
「今度、ディビットに襲われても、助けないぞ」
「んな怒んなって。お前いっつも先に身を隠すじゃん。助けたことないじゃん。条件なってねーよ、なんなの」
「何してたの?」
「マイペースか。女性向け官能小説の話し? そこでビミョーな顔すんな。面白いんだぜ」
「読むのか?」
「読むよ。お前、ハーレムとか逆ハーレムって知ってる?」
「――ふーん、どこが面白いのそれ」
「楽しいだろうよ」
「どのあたりが?」
「だってモテたいじゃん! すげーモテま」
完
?
「作者が死んでる。おい、作者が死んでるぞ、なんでだ。観に行ったトム・クルーズの映画がつまんなかったからか!?」
「そんなことで・・私は・・死なない。つまらない映画ならたくさん観て来た! 今はもうパンフレットを買うこともほとんどないくらいだ!!!」
「なんだ、元気じゃねーかよ、驚かすな」
「もう、ダメだ・・」
「どっちだよ!」
「センパイ、どうしたんスか? ああっ作者さんが!」
「なんかもうほっときたいけど、どーする?」
「こんなに小さくなっちゃってっ」
「縮んでんのは元からだろ」
「・・友達が・・ほしい」
「うわ言が変だぞ、オイ・・夏休みなんだろ、ダチと遊びに行けよ」
「外が・・暑い・・」
「出かけるのが嫌なんですかね」
「映画行ってっから、コイツ。甘々の小説にやられてるだけだろ」
「甘々の何がいけないんですかねー?」
「ぴあのにだって苦手なもんはあるだろ、こいつのはそういうんじゃないだろ。苦手なのはグロくて汚いやつだからな」
「そんなジャンルあるんですか?・・」
「そこ引くとこじゃねぇし。腐敗した現場なんてしょっちゅうだぞ」
「ハイッ・・」
「ていうか、オレたちの現実の延長にあるなら、書けるわけだ、書くしかないしな。な?」
「ウゥ」
「じゃあ、枯れてるせいで想像できないってことっスか」
「辛辣だね、お前も。かつては書いていた、が正しいか?」
「・・話としては書いてないよ」
「そうか? 筆を投げてから10年間、会話劇だけはお前やめなかったよな、恋愛中心の」
「だから、もうそれは、話を作れなくなってからだから、話じゃない」
「そう思ってんのは、お前だけだ。本編の時間は影響を受けて進んでただろうが」
「あれを話とは呼びたくないんだよ」
「な。わかったか、ぴあの。かってーだろ、だから関わりたくねーの」
「書いてください、とお願いした時の作者さんの顔が辛そうだったので、スランプの頃を思い出してしまうのかなって、今の先輩の話聞いて思いました。・・それは、わかります。トークを書くのをおやめになったことは、あたしもショックです。・・でも、話じゃないと否定すれば気が楽になるんですか? あれもあなたの一部だったと思わないと、書いた責任を持ってもらわないと、存在した私たちが悲しすぎます。柊馬先輩は許すかもしれません、優しいから」
「・・オレのことはいい」
「よくないです。(略)もう書けないのは知ってますけど、あの時生きていた先輩や私をなかったことにしないで下さい。お独りでも書いて下さい、そうしてくれないと・・」
「ぴあの、ごめ・・」
「あーあーそこまで。うちの後輩泣かすな。お前も、泣くくらいなら喋んな」
「先輩、だって、だって」
「お前泣かすと、ホルスタインもディビットもうるせーから、泣きやめ」
「泣いてないっスっ・・」
「はいはい、オレは怒ってないけどな、作者。いや、多分、ホントは怒ってんだけど、お前が書かなくなったことに対して。(略)一人一人にお前が向き合えないってんなら、せめて、ぴあのが言ったように態度を示せ。この先ずっとつきまとう二度目の筆を投げた件に関して、乗り越える意志をな」
(お見苦しい所をお見せしました。)
こんなアプローチから入るとは、思わなかった……引いてる自分の首ねっこを捕まえる所からでした。
いつかは向き合わないといけなかったもの、向き合う方法すら分からなかったことを、引きずり出す良い機会になったのかな。ようやくスタートライン。
技術とも思ってなかったキネヅカを話にまで昇華できたら、と思います。