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お雛様の小話

もうーいーくつ、寝ーるーとー
(大間違い)

早いもので、職場では昨日からおひなさまが飾られていました。
(職業はご想像にお任せするとして)

布製でできた小さなお内裏さまとお雛さまです。布だから顔はのっぺら。
ちょっとくたびれているようにも見え、春の軽やかさに欠けている。色味が濃くて小さいのに存在感がありますこと。

はい、自動出庫きたー。
「♫ 〜」
と、その場で仕事をしていると、箱型装置の上に置いてあった一段飾りが、吹き飛びました。

!!!!?

相方は席を外しており、粉雪の舞う天気に、朝から客もほとんどいない。そこにいたのは私だけ、それを見ていたのは私だけ、


ホラーだ!怖い怖い怖い怖い!!
(無言で固まる)


いやいやいやちょっと待て、装置の振動で、もともと不安定な人形が、じゃなきゃ背後からなんかの拍子で風が吹き下ろしたとか、

いやまて、今までそこに置いた季節の飾りが、落ちてきたことがあったか?

ナイ。


「……」(心細い)


仕事として備品を元に戻さなけりゃならないので、散らばった、人形、屏風、雪洞を拾いました。
簡易なひな壇は装置の鉄製外装の上に残っています。

拾い上げた屏風の裏に、無理やりセロハンでつけた衝立のような支えを発見。

(これかな)

日毛氈がわりの生地は座りが悪く、床に屏風を固定したものの、支えがこらえきれず外れ、

その勢いで紙でできた金屏風が、背後からお内裏さまとお雛さまを御吹っ飛ばしあそばされたようです。

一瞬で散開した雛飾りセットを、ちくちく直しました。
壊れた紙の雪洞をボンドでなおしーの、
両面テープをやめて、クリップで脚をつくりーの、
屏風は人形で隠れるヒダの足元に、画鋲を刺し、ジグザグのコーナーポイントに挟んで固定しーの、

マチ針か虫ピンがあるともっときれいになるけども、物騒なものは極力避けたいところで、妥協。
二度と同じことが起きないように、
しっかり固定したつもり。


ホラーじゃなくてよかったぁああ。

(相も変わらずチキン)

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