※本編のネタバレ全開でお送りいたします
※自分で考察したい方にはおすすめしません
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https://kakuyomu.jp/works/1177354055503800437コンセプトは「寡黙な武人」。
言葉を嫌い、沈黙を貫く弓使い。ミステリアスですが明鏡止水の境地におり、他を拒まない超然的な1600歳のお爺さん。
腐れ縁のロキとはめちゃくちゃ仲が悪そうに見えますが……。
キーワードは「言葉」「傾聴」。
言葉というのは混沌とした世界に境界線を引き、そのモノをモノとして他と区別して認識させる働きがあります。「それがなければ世界は認識できないが、言葉に頼るとますます世界は遠のいて見えなくなる」と本人が言っていた通り……ハイ、難しくて説明できません(´∀`)
シグルドはハイエルフの中でも身分は低いというか、落ちこぼれの荒くれ者育ちです(だから口が悪い)。そこで彼の弓の師匠に拾われ、めきめき頭角を現し将軍へ。保守的なハイエルフ社会では異例の出世です。
ハイエルフはダークエルフなど他の人種を差別的に見る風潮があったのですが、昔のシグルドも例に漏れず他種族を嫌っていました。
それが言葉のアカンところや、と彼の師匠は教えます。種族名という「言葉」によって人間を区切り、個別的な差異を無視して全部同じ色に染めてしまう。差別というのは最もわかりやすい「言葉」の罪なんじゃないかと。
で、戦争で何もかも失ってしまったシグルドはようやくそのことに気づき、口を閉ざすわけです。そしてありのままの世界から離れぬよう、あらゆるものにじっくり耳を傾けて理解しようとします。自分からはことさら働きかけたりしません。
エステルみたいな素直で言葉を正しく使える人は例外です。もちろん緊急時とか、ヤーラみたいに自分から教え導かなければならない場合も喋ります。あと喫茶店の注文()
ロキと口を利かないのは、あれがお喋りクソ坊主だからです。自分が喋っていたら、他人の言葉は聞こえませんね。しかし、シグルドが喋らないことによって、ロキはその意を汲もうと「傾聴」してくれるわけです(まあ、ロキはそれを「自分が嫌われてるから」だと勘違いしてましたが)。
実際ヤツと口利いた瞬間に言い合いが始まりましたが……こいつらは喧嘩しててもお互いの本音はわかってるんじゃないかな。
ちなみに14章ラストでぶち切れてたのは、ロキが死ぬつもりでいるのがわかってたからです。ロキが感謝したのは別れの挨拶です。そんなん認めないので壁をぶん殴ったのですね。個人的にエモいなぁ~と思いながら書いてたんですけど、あの時点では「???」なシーンだったかもしれない……。
師匠含めて長寿ゆえに人に先立たれることの多いシグルドだから、勝手に死なれるのは本当に嫌なんでしょう。無事助かったロキとはこれからも仲良く喧嘩します。もう付き合っちゃえよ(爆散)
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。