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2023/04/02 近況

 こんばんは。四月になりましたね。Schutz von Ledoの連載開始から明日で二ヶ月です。エグザトス編も折り返しを過ぎていよいよラルフレートが登場しました。レドが散々会うのを嫌がっていた理由も少しずつ明かされていきます。

 さて、今回はエグザトスの政治体制について。既に作中で触れている通り、辻評会の存在により庶民にも政治参加の門戸を開いているのが最大の特徴です。刺客のレドが代官の暗殺を成し遂げたことによりシステムの大幅変更を余儀なくされましたが、それによって同盟内でも著しく先進的な政治システムに変わったのは皮肉なことです。

 辻評会は全十六地区から選出された代言人が、侯家の家臣から選ばれた二十人の参議に対して各地区からの要望を伝え、それに対して参議との質疑を行い、最後は多数決により要望をエグザトス侯に上奏するかどうかを定めます。庶民側に好き勝手をさせないよう参議に数的優位を持たせている上、単に上奏するだけで決定ではない辺りが制度の未熟を示しています。それでも民側の要求を届ける機会が持たれているだけでも出色の制度です。

 参議は侯家の家臣から男女を問わず試験で選抜され三年の任期を務めます。役割上主君に接触する機会も多く持てることから上下を問わず参議になりたがる家臣は多く、競争率は高めです。なお、連続二期まで参議を維持できますが維持するのにも試験を受ける必要があるため負担が大きく、まだ維持出来たのは一人しかいません。
 試験の成績が最も優秀だった者は参議の首座につき、エグザトス侯の補佐として食事などに臨席することを許されます。首座になったものは参議を終えても何らかの形で侯の側に仕えることがほとんどで、下臣からでも成り上がりが狙える道として憧れの座と言えます。

 この制度の導入以後、家臣間あるいは庶民の富裕層間で競争が活発になり、ラルフレートの侯位継承前まで停滞気味だったエグザトスは活性化され、ドゥーリッド事件の頃には元々強大だった国力がそれまでの1.5倍にまで強化されました。あまりにも上手く行ったことから他領でも導入を検討している場所はありますが、何十年も辻評会を開催して下地があったエグザトスと他領では事情が違いすぎて理解できないことも多く、恵みの地により本格的な民主主義が導入されるのは本編終了後のことになりそうです。

 さて、今本編の終了後という表現を使いました。本編終了後が何時になるのかは実はまだ目処が立っていません。最終的にどうなるかは大体構想できていますが、どういう形でそこに持っていこうかと考えているところです。話的には次のケイニアで一つの山場を迎えさせる予定でいます。


 三月は更新を皆勤できて一安心です。四月もより多く更新できるように頑張ります。そして、「戦いを成すモノ」もそろそろ動き出せるようにします。余裕も出来てきましたし。

 皆様も良い卯月をお過ごし下さいませ。

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