―愛視点―
いつものように私たちは一緒に帰る。
「ちょっとお疲れですか?」
ここ最近は原稿で忙しかった彼の様子をうかがう。
「いや、昨日〆切が終わったからそうでもないよ。昨日は最後のチェックをして、原稿を送ってすぐに寝たし」
私はそれを聞いて、たぶんわかりやすく顔をほころばせていたと思う。恥ずかしいけど、自分の気持ちを制御できなかった。
「新作楽しみです。また発売日に買うから、サインくださいね」
もう恒例になっているイベント。本棚における彼の本が占めるスペースが増えていくごとに、自分が誇らしい気持ちになる。
「もちろん」
彼は、優しく笑ってくれた。最近は少しだけ我慢していた。毎日会って、ご飯も一緒に食べているけど、それでもだ。
だから、少しくらいわがまま言ってもいいよね。
「ねぇ、センパイ? 今日ってパフェの日らしいですよ」
とても遠回しのおねだりだ。でも、彼は気づいてくれる。それがわかっているからこその……甘え。
「じゃあ、駅前のカフェ行こうか?」
彼はほとんどノータイムで、私のおねだりを受け入れてくれた。
「ふふ、センパイがどうしても食べたいっていうなら付き合いますよ」
私はそんな風に照れ隠しをすると、彼は若干苦笑しながらも何も言わずに受け入れてくれた。
本当に……もう、ね。