• ラブコメ
  • 異世界ファンタジー

『人生逆転』敬老の日SS(少しずれてしまいましたが)

 敬老の日SS

「今日は敬老の日か」
 祝日デート中に、敬老会の送迎バスが目に入って、思わずそうつぶやいた。

「そうでしたね」

「祝日って意識していないと何の日か忘れちゃうよな」
 俺の中、あるあるを言うと、一条さんは笑った。

 バスは市民ホールに入っていく。
 市のイベントなんだろうな。ゆっくりと高齢の人たちがバスから出てきた。最後に出てきた夫婦は、旦那さんが先に出てきて、少しだけ足が不自由な奥さんに手を差し伸べている。奥さんはゆっくりバスを降りて、ふたりはゆっくり手をつないだままホールに向かって歩き出した。

「いいなぁ」
 一条さんはぽつりとつぶやいた。少しだけ目を細めて、本当にうらやましそうな表情になっていた。

「そうだね」

「私たちもあんな風になりましょうね」
 いきなりの爆弾に「えっ」と大きな声を上げてしまった。
 急激に顔の体温が上がっていく。

「冗談ですよ、もう、そんなに顔を赤くして。一緒に歳を取るの、想像しちゃいました?」
 どうやら、からかわれていたらしい。

「俺はちょっとだけそうなったらいいなぁと思ったよ」
 こちらの反撃に、一条さんは一瞬だけ驚愕の表情を浮かべてすぐに戻った。

「そっか……」
 そう短く言って、それを合図に俺たちは歩き出した。
 このやり取りの最初から最後まで手は繋がれたままだった。 

10件のコメント

  • 将来はそう思われる方になりそうな二人…
  • いいことじゃ、うむ
  • この二人ならば、年老いても絆と愛が変わることは無いですよね🎶(-ω☆)キラリ
  • 雰囲気はもう熟年夫婦
  • このお二人の大切な時間の中にある信頼と愛情の1本の木に新しい可能性の実がなると思いますねずっと一緒に手を繋ぎ歩いていって欲しいです
  • タイミング的には付き合う前の時系列になっちゃうのか
  • お砂糖成分を補給できました。
  • 祝日のうち一番この二人に無縁そうだった敬老の日でも話膨らませられるの尊すぎるぜ...
  • 2人だと見えそうな未来でほっこり!
  • プロポーズ級爆弾発言、いただきました🥰
    良き良きです
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する