書きたいアイデアは多いが、書き切る実力が無い。なら、書評のていで書いてしまえ、というのは、ボルヘスおじさんやレムがやった方法で、本当はあのクラスの筆力が無いとダメなんだけど、書きたいから書いた。
■虚空の塔
2回取り上げる作品。書評・感想文の体なので、同じ作品を多面的に書けるというのはいいところ。群盲めいてもいいんだけど、今回は両面できっちり分かるように。モチーフは二本目にある通り、『幻獣図鑑』のア・バオ・ア・クゥー。設定的には芥火が「私小説は体験を書く+小説は疑似体験=小説の疑似体験をもとに私小説を書いてもいいのでは?」という着想で書いた本。
■ロナルド・ハンティントンの事件簿
元々、スチパンな世界で大空白期を舞台にやさぐれたワトソンとフランソワ・ヴィドックの孫娘が「ノックスの十戒」に抵触する10個の事件を解決する、という話を書こうとしていて、そこから少しストレートな話に。覆面作家設定とかは、なんか出版事情とかあるとリアルかな、ぐらいで元ネタは無い。
■異形の神々
着想元は「ソシャゲのキャラって、意外と神話の異形とかもちゃんとモチーフ取り込んでるよなあ」。で、構造主義的にそういうのを分類したよ、っていう新書、というイメージ。個人的に構造主義って箇条書きマジック+結論ありきの牽強付会、って印象が強くて。本文にも書いてるけど、三機能説の結論ありき感への違和感が、私の構造主義への魔技扱いの一因。同時にボルヘスおじさん大好きなので、文芸的には大事なテクニックだよねそれ、とも思うけど。
■炎帝本紀
『後宮小説』を歴史小説だと勘違いしたら、が着想元。あと、歴史書とか報告書とかの非小説的な「フォーマットのある文章」として書かれたていで出てくる物語が好き。存在しないゲームの攻略wikiとか作ろうとしたことがある。というか、今でも作ろうとしている。SCPだと「圧倒的曇天」とかフォーマットの美だよね。
■暗号解読
作家の名前で分かる通り、サイモン・シンの『暗号解読』が名前の由来。でも、着想のほうは、FGOでレクイエムイベがあってボイジャーかわいいよボイジャー、ってなったから。ググったら、同じ着想のADVゲームが開発中って出てたけど、リリースされたって記述は無かったので、まだ出て無さそう。あと、検索方法が不十分なだけで、既にアイデア的にはありものかも。
■オペレーション#9:ザ・ムービー
最初の着想は「映画のノベライズなんだけど経緯が複雑な本」。ディテールとして、後方処理課シリーズ自体は福井さんのDAISが出てくるシリーズ辺りのイメージ。後方処理課って名前自体は『トーキョーN◎VA』の千早重工のウェットワーク部隊の名前ですが。あと『SP』の感じもちょっとある。
■奇跡 アド・アストラ解散までの180日
着想元は山際淳司のオフコース解散ルポ。というか、基本的に全部山際淳司愛で書いてて、オフコースの方には正直熱意が無い。山際淳司は若い頃、滅法ハマっていた。一応、オチというか、ちょっとしたひっくり返しがあるので、少しだけ読めるものになってるかもしれない。何故素直に『江夏の二十一球』とか『スローカーブをもう一球』とか『異邦人たちの天覧試合』とかでやらなかったのか。
■落ちこぼれの死神
死神ものはやっぱり定番だし書きたいな+『若おかみは小学生』いいよね=死神の女の子が頑張る児童文学、という計算式。あと、男の子の名前が「俊」なのと、ヒロインと男の子の子供が生まれてシリーズが続いているのは、『ときめきトゥナイト』が由来。死神が裸マントで活動するわけではない。