選考はAIがやっているのでは? 疑惑に、すーーーっと醒めるものがありましたけれど、40万作もあったら、選ぶ方も選べませんよね。
かくて、ざっくりAIで摘出して絞っていくということになるのでしょう。
売れ線ワードが入っていたら採用、みたいな感じで。
じゃあマンパワーならいいのかといえば、たとえ一から人力で選別をやっていたとしても、たまたま原稿を眼にした人が「いいなこれ」と想うか、「はいはい」で一瞬でシュレッダーに送るのかは、下読みさん次第のところがありますから、運です。
世に出た作品でも『楢山節考』みたいに、「はぁ~……」とため息つかれながら最初はだらだらと選考委員が読んでいたのに、読み終わる頃には、「受賞作はこれしかありません」と満場一致になったものもあります。
この場合は、下読みの人がちゃんと読んでいた。
「はぁ~……」で終わらなかったから上部に原稿が流れたわけで、下読みさんがいい仕事をした。
AIじゃなかったからそうなった。
下読みさんグッジョブ。
漫画の「重版出来!」なんてまさにそれが主要なエピソードになっている。
『漫画の描き方なんてまったく知らない』
そんな、コミュ障で根暗で対人関係に大問題を抱えている廃人みたいな若者が「ぼくの作品を見て下さい」と持ち込んできた、書き殴りの漫画(下絵未満)
他の出版社は門前払いをしますが、主人公の新人編集者はひとめ見るなり、ただごとならぬ特異な世界観だと見抜いて若者をデビューの卵として抱えます。
発表された作品は「下手すぎwww」と云われながらも、とんとん拍子にバズって、アニメ化までする。
デビューしても偏屈なのは変わらないコミュ障。
同時期にデビューした、サッカー漫画を描いているさわやかで気さくな新人漫画家から明るく話しかけられてもガン無視するほどのコミュ障。
無視する理由は、彼の描いている漫画の何がいいのかさっぱり分からないから、というもの。
たとえ売れている漫画であっても、「あれのなにが面白いのかわからない」と云い捨てて、我が道をいく天才肌。
しかしデビューするなり単行本の第一巻はたちまち重版、コミュ障は、光の速さで売れっ子の仲間入りをするのです。
そんなラッキー・ボーイにまつわる人物の中のひとり、有名漫画家のチーフ・アシスタントのエピソードが好きでした。
地道にコツコツ努力して、看板漫画家のチーフ・アシスタントまで昇格したのに、まだデビュー出来ない彼。
面倒見のいい有名漫画家はアシスタントたちの原稿にすべて眼を通して丁寧にアドバイスをしてくれる。
そうやって実力をつけてきたが、作品は審査にまったく通らない。
年齢的にも漫画家デビューは近づくよりは遠のく歳に差し掛かっている。
そこへ、漫画の描き方をまったく知らないコミュ障が新人編集者のあっせんで送り込まれてきて、彼がチーフを務めるアシスタントの中に混じって最低限の漫画の基本を学ぶことになる。
内心、穏やかならぬものがあるわけですチーフ。
何年も下積みを積んでずーっと努力して来たのに、ぽんっと出てきた、ペンも使えないパースも知らない若造があっという間にバズって重版かかって有名なスタジオがアニメ化までするんですから。
それでちょっとやってはいけないことをコミュ障にやってしまう。
そのことで自己嫌悪にもなるチーフ。
そんな或る日、チーフの原稿をコミュ障が勝手に見ている現場に出くわします。
わああああっと焦るチーフ。
するとコミュ障の顔つきが違う。
眼に感嘆の光がある。
コミュ障、チーフに云う。
すばらしい作品だ。
なぜデビュー出来ないのか、なぜこれが認められないのか分からない。
というようなことを、尊敬をこめた眼をして真っ直ぐに。
実は二人とも、ウケる作品ではないものを描いていることは共通なんです。
たまたま若者は下手すぎて目立った。
チーフのものは「下手すぎw」方面からにせよ、人の関心を引き付けて嵐を呼ぶようなタイプの作品ではなかった。
同じ万人ウケしない路線であっても、鉄道や戦史など一部の好事家に需要の見込めるものならデビュー出来たかも知れないんですが、チーフの作品は商業サイドからは採用されないものだった。
嫉妬してやまなかった年下の才能あるコミュ障。
他でもないそのコミュ障からストレートに自作を受け止めてもらい、今まで他の人からは望めなかった深い点まで彼に自作を理解してもらったことで、チーフはしがみついていた漫画家への夢にふっと区切りがついて地元に帰って結婚して家業を継ぐことになるんですが、AIにはこれは出来まい(冒頭からここまで引っ張った)
1月はヨムヨム月間と云いつつ、借りた本と頼まれた手芸を優先にしているせいで、ヨムが捗りません。
BAN祭りが始まっているようで、いきなり消えちゃうアカウントが増加しているようです。
これもAIがさくさくと作業しているのか、「えッ、なぜ」というユーザーの叫びは通用しません。
運営さんへは、
◆いきなりではなく、警告三回でBANにして欲しい
◆アカウントごと抹消するのではなく、全ての作品を『下書き』扱いにして、作品だけは取り出せるようにして欲しい。
◆AIパトロールによるBANは理不尽なものが多く、書き手がどれほどの労力を作品にかけているかを考えたら、作品消去は乱暴ではないではないでしょうか。
ということを伝えたい気持ちです。
※犀川ようさんが謎の理由でBANされてしまわれました。(→再出発されておられます)
もちろん、各々でテキストをDLしておくのも大事ですが、「まさか自分が」ということも多々あるようです。
だんだんAIが暴走してきたら、カクヨムと水が合わなくなってくる人の率も増えてくるのではと危惧します。
あと年末に、「底辺作家にアドバイスをしたらアカウント停止されるなんておかしい」みたいな意見を云っている人が、直後に何らかの理由でBANされていたのですが、いったい何をやったのでしょう。
どのみち、本人が自嘲して底辺作家と云うならともかく、「底辺作家」と他人を蔑んで呼びつけている時点で、その人のアドバイスってきっと高圧的なクソバイスだったんでしょうねということが、他者を「底辺作家」と呼びつけることからも分かりますね。
きっと説明しても根本的に他人を尊重することが出来ない人には何がいけないのか分からない、というあたり。
人間は種族として他人にアドバイスをやりたいものですし、わきまえた人が軽く「~してみたらどうスか?」と云うくらいは良くても、他人が自分の想い通りになるべき! と想っている人のアドバイスは創作者の心を潰す暴力です。
ネットだからこそ、【他者を語る時にどんな単語を用いているか】で、その人の本質は見えます。
真に応援してくれる人はやる気とプラスの感情を呼び寄せます。
そうでない人はマイナスの単語をせっせと連ねていますから分かりやすいです。