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世界の恋の物語

 小学校一年生の冬、「世界の恋の物語」という本を本屋で買ってもらいました。雑誌の付録なみにちゃちな出来の本で、今では見つけることも不可能でしょう。

 「ロミオとジュリエット」「シラノ・ド・ベルジュラック」「美女と野獣」なんかが、イラスト付きでかなり短くまとめられており、タイトルも変えてありました。「シラノ」⇒「鼻の大きな男の恋」、「美女と野獣」⇒「孝行した村娘」みたいに。
 ロミオとジュリエットは確かそのままだったと想います。

 後から原作に触れて、「あれシラノじゃん、あれ美女と野獣じゃん」と当時読んでいたものがそうだったと知るのですが、黒とオレンジの二色で描かれたイラストと共に、いくつかの場面は今もはっきり想い出せます。


 そんな私は、恋愛ジャンルの中の、甘ラブが苦手でした。いちゃラブ溺愛系というやつです。永久不変に女性に大人気のあれです。
 大人気路線なので、少女向けでも大人の女性向けでも、きれいめの表紙に「溺愛される」という文言が入るだけで、購入者はばーんと増えているはずです。
 
 苦手だから読まなかったのですが、或る方が恋愛小説がお好きで、好きなあまりにいつも熱心にオンライン恋愛小説の感想を書いておられました。カクヨムならレビューです。
 でも読みませんでした。
 ところが、そのレビューがあまりにも「この作品の素晴らしさを伝えたい!」「この作品の魅力を知って欲しい!」の想いに溢れかえっていたので、ふと読んでみる気になりました。
 ためしに、よく見かけるのでお名前だけは憶えていた方の恋愛小説を読んでみました。

 あまりの面白さに徹夜して読みました。ええ。かなりの大長編でしたが。
 徹夜までして読み切ったオンライン小説はあれが最初で最後です。
 

 甘ラブいちゃラブ要素さえうまく避ければ、恋愛小説自体が苦手なわけではないのねと自覚して、それからしばらく海外の女性作家の書く恋愛小説を読んでいました。
 
 中でも「ハイランダー」が好きでした。もはや説明不要の海外恋愛小説の中のいちジャンルです。「ハイランダー」を日本にたとえるなら、ヒロインが鎌倉時代にとんでしまい、そこで武骨な坂東武者にがつがつあたられるも、最後は武者の方からヒロインにメロメロになる感じです。ハイランダーはスコットランドの地方名からきています。これもやっぱり溺愛されるんですが、相手が無口で粗野なためにか、そこまでアマアマになっていないのがちょうど良かった。

 苦手な恋愛ものも、翻訳をあいだに挟み、なおかつヒストリカル要素があると苦手じゃなくなるみたいで、入院中もちょうどいい読み物として主にこのハイランダー小説を読んでました。世界の恋の物語から始まった恋愛小説遍歴は、順調にハイランダーにまで達したわけで、ちゃんと恋愛小説が好きなんだということが分かりました。



アニメは観ていませんが音楽は好きですシリーズ。「鋼の錬金術師」より「ブラーチャ」
歌詞付きの画像がぼけてるので、こちらはコピーバンドの方。
https://www.youtube.com/watch?v=YwfkuXAZ1Lc

こっちが原曲
https://www.youtube.com/watch?v=eqv8FYDk1lI

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