自作品とはなるべくクールな関係を築くのが理想です。
「作品は読んでいただいた方のものです」という姿勢を貫いて、あとがきも補足めいたことも語らないタイプの作家さんの、なんと恰好よいことか。
と、憧れるくせに自分は結構語りたがりで、すきあらばエッセイやらTwitterやらで裏話めいたものを語り勝ちです。恥ずかしいなぁ~、と思いつつもやっぱりちょっとした小ネタなどをついつい語ってしまう。ああ恥ずかしい。
自作語りはしたいが大っぴらにやるのは恥ずかしいという自意識に悩まされる日々をすごしていたところ、自作品について語るという自主企画が立ち上げられたのを知り、思い切って参加させていただきました。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888065540開き直ったおかげで、日ごろ持て余していた語りたい欲求を解消できて、大変すっきりした心持でおります。
企画を立ち上げれられた湊波様、ありがとうございました……。そして冒頭の部分大変失礼いたしました。平にご容赦を……。
語っている作品は2018年の一月から三月あたりにかけて、熱に浮かされていたようになって書いていた長編になります。とりあえずカクヨムコンの長編部門に投げていたりもしています。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884961908最後の方などフラッフラになって書いていたところがあるので、他作品より思い入れがやや強く、書き上げてもう何か月も経つというのにどうにもこうにも語りたい欲求が収まらないところがあったのですよ。
裏話だの裏テーマだの思う存分語ってすっきりした――というタイミングで昨晩テレビで放送されていたナウシカなどをボーっとみていたおり、「そういえばこれ書いている時に頭の片隅にどっかしら『もののけ姫』のことがあったんだよな……」てなことを思い出してしまいました。書き上げた後で思い出したわけですから、当然その点見事に書き漏らしています。
せっかくなのでこの場に付け足しておきます。
本作のバックグラウンド的なところに異世界からやってきたファンタジーヤクザ集団の抗争がありますが、その辺を書くのに「もののけ姫」のもののけ人間大戦争な関係を参考にしていたところがあったのです。もののけとタタラバの戦争の様子をうかがっている侍だとか、ジコ坊の背後にある天子様の存在だとか。あの辺が非常におもしろいですよね、あの映画は……。
今思えばヒロインとヒロインが立ち上げることになる団体はほぼエボシとタタラ場だし、主人公と妙な協力関係にある男はジコ坊的だし、やっぱり強い影響うけてるな~……と自作を振り返ってそんなことに気づいた次第です。エボシもジコ坊も好きなキャラクターですしね。
……つうかこういう裏話って需要あるのだろうか……。
立ち止まるとそんな怖ろしいことも考えがちなので、この辺にしておきます。
そういえば年末あたり、影響をうけるから他人の読んだものは観ない、読まないという意見に対する見解をTwitterでよく目にしていたように記憶します。
自己申告しますと、わたしは非常に影響うけやすい方です。なんなら私の書くものなんてしょせん影響の産物であるとすらいえます。バファリンの半分はやさしさで、故川島なお美の血液はワインだったそうですが、バファリン以上川島なお美の血未満の割合で「影響」が含まれたものを書いております。
というか、影響を受けていない、何も見ない、読まないという状態で創作するのは絶対無理という人間です。やまびこ的といいますか、レシーバー体質なんですよね。パイオニアやオリジン的な人間には絶対なれないタイプです。
「舞姫―テレプシコーラ―」という漫画で、コリオグラファーとして優れた資質をみせはじめたヒロインの六花ちゃんが首にリボンをまいて小鳥を演じたのをまねて、バレエ教室の子たちが同じように首にリボンを巻いて自分なりのアレンジで踊りだした様子を教室の先生が苦笑して見守るようなシーンがあったように記憶していますが、あの教室の子たちの姿が我が身と重ねてみてしまってなんとも言えない気持ちになったことがありましたね……。
最後になりましたが、昨日カクヨムコンに参加している以下作品に目さまよりレビューを頂戴しました。
私などの書いたものにこのように勿体ないようなレビューを……! と思わず畏まってしまいました。苦手な短編に頑張った甲斐がありました。ありがとうございます。エッセイのフォローや星も嬉しいです。2019年も頑張ってゆけそうです……。
作品はこちらになります。短編です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887629603