【執筆中のつぶやき】
主人公は、脇役Aとは、知り合いです。
そして、脇役Bとも、知り合いです。
では、脇役Aと脇役Bが出会ったら、どんな会話をするか――?
当たり前かもしれませんが、主人公と脇役A、あるいは、主人公と脇役Bの関係とは、まったく別の関係を築くはずです。
たとえば、脇役AとBが「主人公の紹介によってカップルになる」ような展開であれば、作者は前々から張り切って、このふたりがどんな関係を築くのか構想を練っていると思います。
しかし、そうではなくて、「今後、作中でAとBが同時に登場するシーンは、あまり予定していない」くらいの扱いの場合、さて、どういう出会いを描くのが適当なのか……?
それまでに描いてきた、脇役A、脇役Bのキャラを崩壊させないよう、矛盾のないように出会ってもらわなければなりません。
気を遣いますが、興味深いと思います。
「主人公――脇役」の関係だけでない、「脇役――脇役」の関係。
さて、矛盾なく築けたでしょうか……。 ↓
【更新予定】
〈蝿(ムスカ)〉に命じられ、メイシアをさらいに来た、タオロン。
メイシアに雇われた護衛、シャンリー。
「では、勝負だ!」
タオロンの豪腕がうなり、剛の太刀が振り下ろされる。
シャンリーが身を躍らせ、数多の突きが乱れ舞う。
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517 第二部 比翼連理 第三章 紋模様の流れへ
3.幽鬼からの使者-2
※第二部 第三章は、
2020年5月29日(金)~ 8月7日(金)本編11話
2020年8月14日(金)~ 9月4日(金)幕間4話
毎週金曜日 20:20 定期更新です。
【制作ノート】
以下、恒例の執筆裏話「制作ノート」です。
(少しネタバレを含むため、スペースを空けます)
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「タオロン VS シャンリー」
メイシアの護衛は、シャンリーでした。
第二部 第一章で登場した、リュイセンの義姉です。
それは、前回のラストで明かしていたのですが、今回はその経緯が語られます。
……別に、特別な理由はなく、ただ適任者だったから。……それだけ……なんですが、「言われてみれば、シャンリーしかいないね」と言っていただければいいなぁ、と。
ただ、タオロンにとって、シャンリーと出会ったことは大きな意味を持ちます。
それは、シャンリーのラストの台詞。
「お前の娘を助けてやる」
こう言われたら、タオロンはグラっと来ます。
この台詞をパッと言えるのはシャンリーだからこそ、ではないかと。
男装の麗人などと言われていますが、シャンリーは「お母さん」です。他所のお子さんでも、小さな子供は放っておけないタイプです。
彼女は情にもろいです。義弟リュイセンと義母ユイランの不仲に心を痛めていて、仲良くしてほしい、仲直りしてほしい、とずっと願っていました。(少し押し付けがましいくらいに、リュイセンに向かって「分かってやってくれ!」という態度でした)
外見と口調と挙動がああなので、キツく感じられてしまいますが、かなり穏やかな平和主義者です(そう見えない気がしますが)。
#反面、夫であるレイウェンは人当たりはいいですが、必要ならば人も縁も切ることをためらわないという人物です(ハオリュウに対して、初めは冷たかったのはそのためです)。
こんなふたりだから、ちょうどよいのかと。
タオロンとシャンリーの戦闘は、強者同士のガチバトル……のはずが、何故かコミカルになってしまいました。
しかも、どう考えても、タオロンが優勢と思われるのに、シャンリーが圧倒しました。
書いていて、「おかしいな。タオロンはもう少し強い気がするんだけど」と思ったのですが、何故か、こうなりました。
歴戦の猛者である養父チャオラウに鍛えられたシャンリーが、似たタイプでまだまだ未熟者のタオロンに負けるわけがなかった……で説明がつく……でしょうか……?
もともと、力をぶつけ合うような戦闘よりも、駆け引きで勝負するような物語でしたが、第二部になって更にその傾向が強くなったような気がします。
主人公ルイフォンが、「まともに戦ったら、絶対に負ける」戦力の持ち主であり、第一部の初めのほうでは、まだ「自分が弱い」自覚足りなかったため、戦ってしまいましたが、成長して「そもそも、戦いに持ち込まない」ことを学んだということでしょうか……。
(第二部になってから、「戦闘」は、実は今回が初めて。その前は、リュイセンの姪のクーティエが稽古をつけてもらっただけ)
タオロンとシャンリーのやり取りは、書いていて楽しかったです。
メイシアが、実に都合よく発信機を持っています。
ここで「ご都合主義」と言われないように、2話前で「メイシアが徒歩で帰ろうとしているのを、シャンリーが携帯端末で確認」していたのでした。このことによって、メイシアが発信機を持っていると断りを入れていた……つもりです。
(伏線? いえ、結局のところ、ご都合主義なんですが……、「花瓶が割れる」シーンの前には、「花瓶が存在する」描写を入れないと気がすまないのと、同じ理屈です)
そして、次回からは新エピソードです。
第三章はあと4話。
7/17 4.硝子の華の憂愁-1
7/24 4.硝子の華の憂愁-2
7/31 5.分水嶺の流路-1
8/7 5.分水嶺の流路-2
4話とも、ミンウェイを中心に語られます。
【次回予告】
〈蝿(ムスカ)〉の潜伏先が見つかった。
それは、ミンウェイにとって、『父との再会』を意味していた。
彼女はひとり、温室に籠もる。
硝子に囲まれた空間は汗ばむほどなのに、心の芯から凍っていくようだった――。
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517 第二部 比翼連理 第三章 紋模様の流れへ
4.硝子の華の憂愁-1
よろしくお願いいたします。