『タイトルを決める』
小説を書く以上、避けては通れない道です。
得意な方もいらっしゃるとは思いますが、どちらかと言うと苦手とおっしゃる方のほうが多いような気がします。
かく言う私も、タイトルには苦労するほうです。
連載中の作品のタイトルを変えようかと悩み、小説サイトの新着作品のタイトルをひたすら眺めていたこともあります。
みなさん、いろいろなタイトルを思いつかれますね。
凄いと思います。
そんな中で、ぼやーーーっと思ったことがあります。
作者は、どんな思いを込めてタイトルを付けるのか。
おおざっぱに、2つの要素があるんじゃないかなぁ、と。
①読者目線で、刺さって欲しい人に刺さることを狙うんだ! と願う思い
②作者目線で、この作品を短い言葉で表すとしたらこれだ! と主張する思い
これが、「①6割、②4割」みたいに、ブレンドされているんじゃないかと。
やはり①タイプのほうが人目を引きますし、好きな人は飛びついてくれると思います。
また逆に、好みとは違うと思った人は、そもそもクリックしないので、第1話でブラウザバックされる率が低いと思います。
――親切タイトル!
しかし、作者なら、主張したいことはあるもの。
本文も読まないうちから、分かるわけがないキーワードを入れたくなったりします。
だって、それこそが、この話を象徴するワードなのだから。
――それが②。謎タイトル!
①と②のブレンドの具合によって、作者の人柄やら、作者の作品に対する姿勢(好きで書いているのだから、誰にも読まれなくてもいいや……いや、そりゃ読んでほしいけどさ)が分かるような気がします。
タイトルで、作者と作品の関係を占うことができそうです。(本当か!?)
また、読者としては――
気軽に小説を楽しみたい方は、①の割合が多いブレンドを。
尖った味わいを楽しみたい方は、②の割合が多いブレンドで。
お好みのものを選ぶのが良さそうです。(自己責任で)
……で。
私が書いている長編は、どう考えても、「①1割、②9割」だなー、と……。
(タイトルでクリックされる確率を、ほぼ捨てているよ、これ)
作者の人格も、作品に対する姿勢も、出まくっています。
でも、これが私らしい作品なのだと、最近、納得できました。
これで、いいんです。
これが、いいんです。
これが、私の作品なのです。
仕組まれた運命のボーイミーツガール――権謀のSFアクション・ファンタジー
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517 第八章 交響曲の旋律と
9.蒼天への転調-2
を、明日、土曜日、朝 7:01 に更新します。
よろしくお願いします。
※第一部完結(2019年1月26日)まで、毎週土曜日 朝 7:01 に、定期更新です。
近況ノートは、朝寝坊してもいいように(すみません)、前日に上げておきます。
話数を数え間違えていて、1話多かったため、最終回は2話投稿します。
詳しくはこちらに→
https://kakuyomu.jp/users/NaN/news/1177354054887967459※カクヨムコン4に参加中です!
長編(SF・現代ファンタジー部門)
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517短編(キャラクター文芸部門)
『ドロップス・レイン』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883503422 『マグカップリン』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881207177 参加表明ノートはこちらです。
https://kakuyomu.jp/users/NaN/news/1177354054887680654 以下、恒例の執筆裏話「制作ノート」です。
(少しネタバレを含むため、スペースを空けます。
本編のあとにお読みください)
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制作ノート
「タイトルの意味」
連載開始から、数年の時を経て――
50万字近い、文字を連ね――
ついに登場!
タイトル『di;vine+sin;fonia』の意味!
……すみませんでしたっ!
今回のエピソード内で語られたことが「答え」です。
だから、何? って、感じです。すみません!
連載当初は、「分かるわけないし、分からなくていいや」と気楽に構えていたのですが、第七章で『デヴァイン・シンフォニア計画(プログラム)』という言葉が出たあたりで不安になってきました。
……あの「答え」で、納得してもらえるだろうか――と。
当然のことながら、『神の交響曲』と読めることを前提にして、『di;vine+sin;fonia』という言葉はできています。
これは、私がそう仕掛けたわけではありますが、作中でこの名称を作った人物が、『神の交響曲』と『二重螺旋の罪=命に対する冒涜』というふたつの意味を掛けて名付けた、という設定です。
〈蝿(ムスカ)〉の感じた通り、「『神』という言葉が『王』を意味するこの国で、わざわざ『神』と冠するからには、それなりの含みがある」わけです。
『di』と『vine』、『sin』と『fonia』を区切らないといけなかったので、間に何かを入れる必要がありました。
何で区切ってもよかったわけですが、「;」を使ったのは、お察しの方も多いと思いますが、プログラミング言語を連想してもらうためです。「;」は、C、C++、Javaなどのプログラミング言語において、日本語の「。」のような意味を持ちます。
(ただし、知らない人は知らないネタであることは承知の上です。むしろ、分かってくれる人が思ったよりもいらして意外でした。どうもありがとうございます!)
他の記号(「・」「/」「,」など)ではなく、プログラミング言語(コンピュータ)を彷彿させる「;」をあえて使うことで、「この話は、コンピュータが関わる=ちょっとSFチックですよ」という主張していたのでした。
『+』は、実は正しく使われていません。
『+』は、C、C++、Javaなどのプログラミング言語において、数字に使われれば「足し算のプラス」なのですが、文字Aと文字Bの間に使われたら、AとBを「つなげる」意味を持ちます。
つまり、『vine』+『sin』だと、『vinesin』になってしまうのです。
かといって、『di;vine sin;fonia』では、なんとなく、まとまりが悪い。しかも、『fonia』は、ただの語呂合わせなので、まったく意味を持っていません。
そんなわけで、『+sin』とすることで、『sin』を『di vine』寄りにし、『fonia』と切り離すイメージをつけるために、文法的に間違いを承知で、『+』でつなぎました。
カタカナで『デヴァイン・シンフォニア』と付け加えてあるのは、そうしないと読めないから、です。『di;vine+sin;fonia』だけでは、どう読んだらいいか分かりませんし、読めないものは覚えてもらえないからです。
貴族の少女が「家族を助けて欲しい」と依頼してくるところから始まった物語なので、初めのうちは、このタイトルは「謎」としか言いようがありません。
第一部の終わりに来て、やっとタイトルの意味が明かされるという、この構成は、「作品のアピールをする」というタイトルの役割のひとつを放棄しています。
けれど、ここまでくれば、この物語は、「『何者か』によって計画(プログラム)された陰謀を巡る物語」であると分かる思います。
その計画(プログラム)こそが、『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』であり、「作品の内容を示す」というタイトルの役割は果たしているのではないかと思います。
正直に言います。
タイトルが、ずっと思い浮かばなかったんです! 第一章を書き終えても!
(書き溜め派なので、投稿することもなく、タイトルなしでずっと書き続けていました)
いい加減、投稿したいな、と思ったときに、どうしようかと悩んだ結果、内容を示す言葉はこれしかない、ということで、このタイトルになりました。
今となっては、これ以外ありえないと思っています。
ネット受けは最悪なんですけどね……。
そして、タイトルの「意味」は、明かされても、結局のところ、それがどんな計画なのかは明かされないままなのでした……。
今回のエピソードでは主役は出ませんが、答えや種明かしで、話をすっきりさせました。
今回のまとめ
当主となったハオリュウは、異母姉メイシアの処遇を決定させます。
メイシア・ハオリュウの父、コウレンが、最後に記憶を取り戻した理由を明かしています。
……すっきり、したかなぁ……?