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ひとりだけ、違う行動を取るヤツ

 物語の中には、複数のキャラクターがいます。
「その他大勢」のキャラならともかく、名前のついているキャラなら、ひとりひとり違う価値観があると思います。
(本当は、「その他大勢」にも、ちゃんと個性があるはずなのですが、そこまで書いたら収集がつかないので……)


 主役が「よし、こうするぞ!」と決める。
 周りが「おう!」と同意する。
 でも、ひとりだけ「ちょっと、待ったぁ!」とストップを掛けるヤツがいる!

 ――「ひとりひとり違う価値観」があるなら、当然、あり得ることですよね。


 でも、話の流れ的には、どう考えても、どうやっても、(作者の都合じゃなくて!)主役の強い意志の問題で、「こうする」方向に進むのです。
 これは決定!

 でも、そのためには、主役は、「『待った』を掛けた、ひとりだけ、違う行動を取るヤツ」を説得しないとダメですよね……?


(以下、心の声)

 この「説得」のためだけに、1エピソード増やすのは、どんなもんだろうか?
 ヤツに「待った!」を言わせないで、通しちゃう?

 けど、ヤツというキャラなら、ここで絶対に「待った」をするはずだ。
 そうしなかったら、ヤツじゃない!

 たぶん読者は、ここでヤツが「待った」をしなくても「おかしい」とは感じないと思う。
 だから、これはきっと、作者のこだわり……。でも、こだわりたいし。

(心の声 終わり)


 ――こんなふうに、エピソードが増えることって、ありませんか?

 そういう、エピソードです↓

仕組まれた運命のボーイミーツガール――権謀のSFアクション・ファンタジー
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
  https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517

  第八章 交響曲の旋律と

  9.蒼天への転調-3

 を、明日、土曜日、朝 7:01 に更新します。
 よろしくお願いします。


※第一部完結(2019年1月26日=来週!)まで、毎週土曜日 朝 7:01 に、定期更新です。
 近況ノートは、朝寝坊してもいいように(すみません)、前日に上げておきます。

 話数を数え間違えていて、1話多かったため、来週の最終回では2話投稿します。
 詳しくはこちらに→ https://kakuyomu.jp/users/NaN/news/1177354054887967459


※カクヨムコン4に参加中です!

長編(SF・現代ファンタジー部門)
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517

短編(キャラクター文芸部門)
『ドロップス・レイン』
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054883503422
 
『マグカップリン』
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881207177


 参加表明ノートはこちらです。
 https://kakuyomu.jp/users/NaN/news/1177354054887680654



 以下、恒例の執筆裏話「制作ノート」です。
(少しネタバレを含むため、スペースを空けます。
 本編のあとにお読みください)











 制作ノート
「リュイセンというヤツ」

 ルイフォンが出ていって、メイシアが追いかけて、丸く収まって……。
 けれど、このままふたりきり、ではなくて帰る。
 みんな仲良く、めでたし、めでたし、大団円。

 ――と、したかったんですけどね。

 リュイセンが怒るのです。
「ルイフォン、お前は勝手ばかりだ」と。

 そして、もう一波乱、の今回のエピソードとなりました。


 実は……。
 私も、ルイフォンの失踪は「逃げ」だと思っていました。
 あの状況でも屋敷に残って、歯を食いしばるのが、スジかと思いました。
 厳しいかな……。

 リュイセンの性格なら、おそらく私と同意見だと、私は思いました。
 けれど、メイシアが追いかけていったことで、「それなら、ふたりで折り合いをつけろ」と、彼は見守る姿勢になりました。
 でも、また戻ってくると、「鷹刀を軽んじるな!」というわけです。
 リュイセンなら、絶対にこういう反応をすると、私は思いました。

 しかし、作者としては、「一番のクライマックスは、メイシアがルイフォンを追いかけて、めでたし。のところだから、この『もう一波乱』は勘弁してほしかった……」というのが本心です。
 クライマックスのあとダラダラ続くのも、なんだかなぁ……という気がするのです。

 そんなわけで、このエピソードは省略するべきか否か、悩みました。
 なくても、誰も「リュイセンが怒らないのは変だ」と思わないと思うのです。

 けれど、リュイセンはやはり、こういうヤツなのです。
 それを曲げたくなかったので、入れました。

 結果としては……。
 リュイセンは、ルイフォンにいいように言いくるめられただけ、だと思います。
 いくら武力でルイフォンを上回っても、口ではルイフォンに勝てるわけないんだなぁ……と。

 作者としては……。
 いくら「リュイセンはこういうヤツ」という信念を貫くのが大事だとは言え、それだけで無駄に1エピソード増やすのは、やはりダメだと思うのです。
 だから、このエピソードに意味を持たせました。
 リュイセンとルイフォンをぶつけることによって、今後の「ルイフォンの立ち位置」を明確にしました。

 一族であって、一族ではない。鷹刀とは対等な関係の、自由な〈猫(フェレース)〉です。
 また、メイシアと『ふたり』であるけれども、『皆に囲まれた、ふたり』でいるという姿勢を示しています。

(――と言うつもりなんですが、果たして、ちゃんと書けているでしょうか?)

 ルイフォンは、主人公として、格好いいヒーローではありません。正直なところ、女性読者にモテることはないと思います。
 けれど、皆に愛される主人公になら、なれるのではないかと思います。
 等身大であり、破天荒で、駄目なところも多い。ただ心根だけは、まっすぐで、いい意味で我儘な、そんな「ルイフォン」という人物を、ここで再定義できたと思います。

 あと2話で、第一部終了です。
 来週は2話連続投稿するので、あと1回! 来週で第一部完結します!
(話数を数え間違えていたので、2話連続投稿なのです)

 第二部では主人公が変わるわけではなく、そのままルイフォンが主役を張ります。
(ただし、メイシアとまとまってしまったこともあり、やや出番は減ります)

 今後とも、彼と、彼の周りの人々に、お付き合いいただけたら幸いです。

3件のコメント

  • おはようございます(*´▽`*)

    「ちょっと待ったあ!」大事だと思います。
    対立があってこそ、面白いという部分もありますもんね!(*´▽`*)
    (いつもされたら、話が進まなくて困ったりもしますけれど……・苦笑)

    でも、月ノ瀬様が工夫されたように、今回は帰ってきたルイフォンの所信表明なシーンでもあり、あってごく自然なシーンだと思いました!(*´▽`*)

    むしろ、なかったらあっさりしすぎていて、物足りなかったような……(><)

    あと二話で第一部完結なのですね!
    どんな二話なんでしょう……(わくわく)

    来週も楽しみにしております!(*´▽`*)
  • 綾束さん
     コメントありがとうございます!

     今回は、本当にもう、これ、絶対いらない、むしろ邪魔。と思いながら書いていました。

     リュイセン。第七章でずっとボディーガードとして頑張っていたのに、第八章でルイフォンが考えをまとめるときの話し相手になってくれたのに、なんか、全然、個人として目立っていなかったのです。どうしても、「ルイフォンの相方」にしかならないのです。

     そして、今回、リュイセンが、リュイセンとして意見を言いたいという場面。
     このままでは、本当にリュイセンが都合の良いだけのキャラクターになってしまうので、悩んだ末に、このエピソードが入ったのでした。
     役回り的には「やな奴」なんですが……。

     しかし、結局、ルイフォンの「表明」のための、引き立て役になってしまったような気も……。
     やはり、不憫でした。
     容姿端麗で、武に優れているのに、会議シーンでは質問役として物語の進行に貢献しているにもかかわらず「脳筋」の一言で済まされ、あげく「ルイフォンのボディーガード」を買って出る……。

     このシーンへの好意的なお言葉、ありがとうございます!
     嬉しいです。
     書いて、良かったんですね……(涙)

     来週、第一部完結です。
     さすがに、今回のエピソードみたいな、「ちょっと待ったぁ!」はありません。
     ここは素直に、いかにも終わりみたいな感じで終わります。
     そういう意味じゃ、勢いがないかな……。

     楽しみと言ってくださり、嬉しいです。ありがとうございます。
     本当に、いよいよ、です!
  • 春さん
     コメントありがとうございます。

     ああ、なんて有り難いお言葉を!
     嬉しいです。どうもありがとうございます!
     こだわりました、こだわり尽くしました!
     こだわりすぎて、かなり個性的な物語にお付き合いくださり、本当にありがとうございます!

     リュイセン、好きですか!? 嬉しいです。
     何故か、いつもルイフォンのフォロー役になってしまうリュイセンです。
     今回も、言い負かされて不憫だと思っていたのですが、春さんに良く言ってもらえて報われました!

     今後のルイフォン。
     今、第二部を書いていますが、相変わらず、好き勝手やっています。
     第二部第一章は、身内側がまだ言っていないだけの、第一部でも明かせたはずのネタの種明かし、みたいな感じなので、おとなしくしていますが、第二章からはルイフォンが偉そうにしています。
     メイシアとは公認の仲になったので、堂々と仲良くしています。
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